(E)(R)実測:トランジスタ入力回路タイプの周波数特性(TURBO Over Drive)
トランジスタを使ったエフェクター入力回路の、周波数特性を実測したので見てみましょう。

更新 4/Dec/2012
実測したエフェクター「TURBO Over Drive」の回路をシミュレーションした結果は (E)トランジスタ入力回路タイプの周波数特性(TURBO Over Drive) を参照してください。
(R)測定条件
測定対象(R)
トランジスタ入力回路タイプの一例として、 手持ちの(あまり使用していないのですが)オーバードライブの周波数特性を実測しました。 現在生産されていない「TURBO Over Drive」系の黄色いエフェクターです。 インターネットで入手した資料によると、入力回路のカップリングコンデンサ容量は 0.022 uF です。
トランジスタ入力回路タイプの回路例は下図のようになります。 カップリングコンデンサ(C1)には赤枠を付けています。
Ef_Tr_Input
使用機器(R)
WaveGene により生成した WAV 波形をエフェクターに入力、 WaveSpectra により周波数特性を分析。
RM_Freq_Setup
Link to WaveSpectra / WaveGene
測定条件(R)
周期スイープ波形: 1周期のサンプル数4096
(R)測定結果(周波数特性)
「オーバードライブ OFF 状態」の周波数特性
エフェクトを OFF しているときの周波数特性が知りたいので、「オーバードライブ OFF 状態」で測定を 行っています。

周波数特性グラフを見ると、100Hz付近から低音域がカットされているのが分かります。
更新 16/Feb/2013
実測に使用した録音側の入力インピーダンスが低いために、 実際の使用条件よりも低音域がカットされた結果になっています。

実測したエフェクター「TURBO Over Drive」回路をシミュレーションした結果は (E)トランジスタ入力回路タイプの周波数特性(TURBO Over Drive) を参照してください。

以前からエフェクターを通すと、音が軽くなる / きらきらする / 薄くなる という感じがしていましたが、 この低音域カットも関係していると考えています。

エフェクターによっては低音域がカットされる入力カップリングコンデンサ容量をあえて設定している場合もあるようです。 エフェクターON 状態で低音域をカットしたいなら、入力から2段目以降のコンデンサ容量を小さめに設定すれば良いはずなので、 ちょっと謎めいていますね。

Ef_Tr_Input_dB_RM