(E)トランジスタ入力回路タイプの周波数特性
トランジスタを使ったエフェクター入力回路の、周波数特性を回路シミュレーションで確認してみましょう。 着目するのはトゥルーバイパス回路でないタイプのエフェクターで、エフェクトを OFF したときの周波数特性です。 エフェクト OFF のときは、余計な音への影響が無いことが理想的です。

なおエフェクト ON のときの周波数特性は、求めるエフェクト(オーバードライブやワウなど)に応じで変わるので、 ここでは比較対象にしません。
(E)結果の早わかりまとめ
最初に回路シミュレーション結果から分かる結論をまとめておきます。 詳細を確認したい場合はさらに読み進んでください。
  • 「Blues Driver」系ではカップリングコンデンサの容量が大きく、低音域カットはわずかで問題の無いレベル。
  • 「TURBO Over Drive」系と比べて改善されているようだ。
(E)シミュレーション条件
等価回路(E)
ベストセラーになっている「Blues Driver」系歪みエフェクターの回路を想定しています。 エフェクトを OFF しているときの周波数特性が知りたいので、「オーバードライブ OFF 状態」 の回路でシミュレーションを行います。 Ef_Tr_Input_BD2
シミュレーション条件(E)
入力回路のカップリングコンデンサ容量 0.047uF
(E)シミュレーション結果(周波数特性)
「オーバードライブ OFF 状態」の周波数特性
電圧特性 Vtrout (青):カップリングコンデンサ直後のトランジスタ出力
電圧特性 Vout(赤):エフェクター出力

周波数特性グラフを見ると、低音域カットがとても小さいこと分かります。 これはカップリングコンデンサの容量が大きいためで、 エフェクターを複数台接続しても音への影響はわずかと言えます。
「TURBO Over Drive」系に比べて 改善されているようです。

Ef_Tr_Input_BD2_dB