再会

8月10日(月) 曇り

 今日も寒くて目が覚めたが、バス停の中なので、
6時過ぎまで寝ていた。

 眠気眼で紅茶を湧かしてパンをかじって出発だ。

 稚内市内を通り過ぎノシャップ岬に向かったところ、
釧路の手前で会った井上さんに出会った。台風の
時どうしていたと心配してくれていた。

 本当はノシャップから日本海側の抜海経由で海岸
まわりをしようと思っていたのだが、道が悪く道が明
らかでないとの情報を得たため、国道40号を走るこ
ととした。実際、気が付くと牧場の中を走っており、
野宿を余儀なくさせられたという情報を得ていたのだ。

 国道40号はまるでアフリカのサバンナを走っている
ような景色で圧倒された。しかし、向かい風とアップダ
ウンには苦労した。

 豊富までは雨にたたかれ走る。昼飯は駅でパンを
かじる。

 午後から空が晴れてきたので、重たい思いで持っ
て来たウォークマンを聴きながら走る。
 しかし、あたりに気を使いながら耳をほとんどふさい
でいる状態は、危険な上頭がごちゃごちゃしすぐにや
める。全く無用な物を持って来たものだ。

 羅臼で暖をとるため燃やしてしまった灯油が底をつ
き、天塩の街で灯油を購入する。

 その後しばらくして休んでいると、サイクリストが集
まってきてちょっとした座談会になる。
 その中で、天塩にキャンプ場が有るとの情報を得て、
今日の泊まりはそことする。

 買い物をしていると、さっき話しをしていたうちの一人が現れ、一緒にキャンプしましょうと申し出てきた。まあ、別に断る理由もなしにまた酒を飲んで宴会だと思い了承した。

 天塩のキャンプ場はただの砂浜で、水道が一本有るだけだった。三角テントはペグがきちんと利いていないとつぶれるので砂浜は苦手だ。

 一緒にキャンプする彼は大阪の猿渡君といい、年は私と同じだ。テントでビールを飲もうと自動販売機で買うと彼はすぐに栓を抜いてしまうという癖がある人だったため、とっても不思議だった。私が体験した初めての関西人の神秘である。

 夜中や張り風が強くなり、ペグがあっさり砂浜から抜けてしまい、直すのに苦労した。