8月6日(木) 朝のうち大雨のち晴れ
4:00に寒くて目が覚める。この魚市場は風がもろに吹き抜け雨漏りはするしよって寒いという3段論法が成立している。雨の音は弱まる気配を見せず、強まる一方だ。カラスも雨宿りしており不気味である。なんだかひたすら惨めになる。
昨日の残りのパンを食べ荷物を片づけポンチョを着て出発してみる。
知床峠まではなんとか普通に走るが、なんと登り口のバリケードが閉じていた。自転車はなんとか通れたので入ってちょっと走ってみた。しかし道は砂利道で苦しくなってきたので、降りて押すようになる。だんだん山には行っていき心細くなってきたので心配になり近くにいた人に聞いてみた。するとウトロ側の橋が流され通行止めとのこと。昨日はラジオの電池切れで道路情報が聞けなかったのだ。
橋が流されているのでは復旧の見込みはない。網走側に抜けるにはまた50kmほど戻らなくてはならない。往復100kmの無駄走りだった。まるまる1日のロスである。
この時点で私の心はボロボロだった。旅での心理状態はとてもメンタルなもので悪条件が重なり信じられないくらい落ち込むことがある。この時は本当に家に帰りたかった。
まあうちに帰るにしても何にしてもとりあえずは昨日来た
道を戻らなければならない。
一時間ほど走ったろうか。なんと青空が見えてきたのだ。
台風一過とはこのことだ。落ち込んでいただけにこの反動
は大きかった。これがあるから旅はやめられないのだろう。
納沙布ではいっさい見ることが出来なかった北方領土の
国後島が見えた。嬉しかった。感動した。
幾度となく渡る橋の下には、橋桁すれすれに赤く濁った濁
流が岩や流木と共に流れている。雨のものすごさが感じ取
れた。
標津に戻ったのは9:40。すぐに国道244号に入り、斜里
峠越えを目指す。自転車のチェーンが軋みだしたので油を差
す。雨で油もずいぶん流されたのだろう。
遥か国後島
ついでに気分転換に着替えをする。天気も回復したので短パンで走りたかったのだが、足の皮が日焼けでボロボロにむけており気持ち悪かったのでジーパンで走ることにする。
斜里峠はとにかく道はいいし、車は少ないし、とにかく気分的に良いのでそんなに苦にならなかった。それでも終盤は傾斜がきつくなってきたので2回ほど休んで登り切る。下ってきたサイクリストに「あと少しだ、頑張れ」と言ってもらい勇気づけられる。バイクの人たちも良く手を振ってくれるが、やはりおなじ苦労をしている人からだと、気持が伝わる。
下りはずーっと下り。斜里を素通りして、小浜清水の食堂で親子丼450円を食べる。この道はずーっと原生花園の中なのだが季節が合わず花などはほとんどなかった。
網走の市内でキャンプ用の食料を調達し、銭湯に入り、網走湖畔のキャンプ場へ。カレーラーメンにしようと作成中、鍋をひっくり返す。悔しかったので拾って食べたが一口で満腹になる。ビールを飲んで寝る。