何が変わるか香港返還
6月30日回帰狂騒曲

  人混みをかき分け重慶大厦へ。エレベータが待てず9階まで階段を駆け上がった。

  部屋に戻り三脚をつかんで、エレベータホールに出た。そこにはフリーカメラマンが2人。カメラマンの一人が「体調が悪くて部屋で寝ていたら花火の音がして飛び起きた。」
私が「今からピアに行くまで20分以上かかりますよ。身動きとれませんよ」
もう一人が「ここの屋上へ行こう」
「重慶の屋上行けるのですか?」
「大丈夫、上がったことがある」こんどは9階から17階まで駆け上がった。ふぅ〜
 最後、螺旋階段を上がると、すでに多くの見物人がいた。
花火も終盤で煙がたちこめて音とともに空が明るくなるという状況ではまともな写真はとれない。

一緒に上がってきたカメラマンが言った。
「もう人民解放軍が入っているらしい。」
「えっ、まだ9時ですよ、あと3時間は英国主権じゃないですか。」
「そのような噂が流れている、もしほんとなら写真撮りたい」
それが事実なら是非見たいと思い、彌敦道に出てみた。

そこはお祭り状態だった。でも人民解放軍を探す余裕はなかった。探すなんて無理なのはすぐわかった。

英軍兵士と記念撮影するやつ。ユニオンジャックと五星紅旗。

お互い仕事を忘れて記念撮影するフリーカメラマン。

 11時30分頃。スターフェーリーのターミナルに行った。すでに多くの人が集まり12時を待っていた。踊る人、歓声をあげる人、浴衣であるく日本人、チャイナドレスのお姉さん、ビルの陰ではレポーターがレコーダーにしゃべっている。兵士はあちこちに立っている。まだ襟章は英軍のままである。

続々と人は集まってくる。

時計台からビクトリア湾沿いプロムナードまで人人人。一瞬の静寂。

カウントダウンなしで、12時になった。

一斉に霧笛がなり、クラクションが鳴った。
「うぉ〜っ」という歓声があがり、人の波が動いた。
集中していたものが一気に開放された瞬間だった。

警備車のところに人が集まっていた。中にいる兵士が襟章を付け替えている光景だった。一人が襟章を付けて車外に出るたびに歓声があがり、みんなが握手を求めていた。

これがが唯一返還を感じさせてくれた。

何が変わるか香港返還・・・それは今日からである。

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