平面波の屈折と反射


 平面波(2次元波)が直線的な媒質境界線に入射したときのシミュレーションです。
 力学的な数値解析に基づくシミュレーションは,本ホームページの『波のシミュレーション』で紹介していますが,本項では理論式に基づくシミュレーションになっています。
 平面波が反射板で反射すると,入射波と反射波によってできる波紋が反射板に沿った方向に移動していくように見えますが,これはいったい何が移動しているのだろうか?
 また波が屈折するとき,屈折波や反射波の大きさは入射角や屈折率によってかなり違ってくるようです。
 本シミュレーションでは,このようなことが確認できます。その物理的理由を『解説』に掲載しておきましたので,あわせてご覧ください。




 使用機器の選択:         表示スピード: (遅) (速)
 
 

 内  容:          表示:        反射の型:
 
 

             コマ送り:     
 
 

 入射角        波 長  
 

 屈折率      屈折率の選択:
 

 波束の幅:(狭)(広)   
 

 グラフの表示:           赤線の位置:(境界線上)(上方)
 







操作法:
使用機器の選択 波の濃淡表示のため描画画素数が多く,スマホでは表示速度が遅くなっています。その場合は『スマホ』を選び,さらに『表示スピード』を『(速)』にしてください。
内容 平面波の『反射』か『屈折』かを選んでください。
表示 『波の濃淡』のほかに,波の山,または谷の線を表す『波線』を重ねて観ることもできます。波の重なり具合を理解するには,『波線』表示だけの方が見やすくなります。
反射の型 反射には,自由端反射固定端反射があります。これによって,反射端が定常波の腹になるか節になるかの違いを生じますが,これは下記の『グラフの表示』でも確認できます。
屈折率 波の入射側(上部)媒質に対する屈折側(下部)媒質の屈折率で表しています。つまり,入射側の屈折率を『1』,屈折側の屈折率を『 nとして表しています。
  n < 1 の場合,全反射が起こり得ます。そのときの臨界角が表示画面右欄外に表示されます。入射角が臨界角より大きくなると,『全反射』が起きます。
グラフの表示・赤線の位置 表示画面の下方欄外と右側欄外に,赤線および青線に沿った方向に見た変位の時間変化をグラフとして表示できます。チェックを外せば,消すこともできます。このグラフと先の『波線』とを組み合わせると,定常波と進行波かの違い,振幅の大小…などが分かります。


概 要:
 平面波が直線状境界で反射すると,入射波と反射波が重なった部分に一見複雑な波紋ができますが,その合成波は境界線に平行な方向に進む進行波と,境界面に垂直な方向にできる定常波に分解できます。解説1で説明します。
 屈折率の異なる媒質の境界面に波が入射すると,一般に屈折波だけでなく反射波も生じます。屈折波の進行方向は屈折の法則(スネルの法則)で,反射波の進行方向は反射の法則で与えられることは周知のとおりです。また,全反射についても高校物理で学びます。
 反射波や屈折波の大きさ・強さは,屈折率や入射角によって変化します(←これは高校物理の範囲外です)。
 波の大きさは,振幅(位相差も含む)で比較する『振幅反射率・振幅透過率』,あるいは波の強さ(単位時間あたりに通過する波のエネルギー)で比較する『エネルギー反射率・エネルギー透過率』(あるいは単に『反射率・透過率』)といった物理量で表されます。とくに光波(電磁波)の場合はフレネルの式と呼ばれる式で表されますが,本項では本ホームページの『波のシミュレーション』で扱ったような平面媒質を想定し,考え方の概要をごく単純化した形で説明します(解説3)。



  解説 1(平面波の反射)
  解説 2(全反射)
  解説 3(振幅反射率・振幅透過率)
  解説 4(エネルギー反射率・エネルギー透過率)
  参 考 (数式による平面波の干渉)