***Nike個展準備日記***

このページは2003年11月に行ったギャラリーNike個展に向けての
準備の様子を日記のように書き綴ったものです。

    

2003

6/19

 銀座の「ギャラリーNike」で11月に個展をすることにした。

 11月というと今から半年後、このころからスタートするのがちょうどいい。1年先だと長すぎて気が抜けてしまうが、半年後というのは、案内状をつくって出したりすると決して長くない時期だ。そこで開催までの大まかなスケジュールを考えてみる。

  6月、新作の制作
  7月、画廊のご主人に作品を見せて詳細打合せ
  8月、プロフィール制作、美術月刊誌へ投稿
  9月、新作制作&DM制作
 10月、DM発送、備品準備
 11月、個展開催

 さあ、頑張るぞ。

6/29

 月刊誌に投稿するためのプレリリースを制作する。A4を二つ折りにして半分の大きさの冊子にしようと思うが、インクジェットプリンタだと裏写りして汚い。どうしようか。

7/1

 ビックカメラで両面印刷ができる紙を3社分買ってテストしてみる。結果、エプソンの「両面上質普通紙<再生紙>」250枚入り340円が、紙が薄いながらも裏写りなくて調子が良かった。

7/5

 新作を描くために図鑑、写真集をながめる。ひさしぶりに宗教色の濃いものを描くため「仏像の知識百科」で観音様について勉強した。

7/6

 完成作品を350dpiでスキャニングしてハードディスクに保存していると、すぐにデータでいっぱいになってしまうので、きのう、80GBの外付けハードディスクを購入、これだけあれば安心だ。

7/7

 本日は蒲田のユザワヤで絵を描くためのポーズ人形を買いに行ったら、木製の人形と並んでボーグスのカスタマイズ・ドールが売っていた。この方がスタイルもリアルだし間接が自在に動くので都合がよい。新作「弥勒菩薩」のために3体購入。(結局、「弥勒菩薩」は未完成で個展に出品できなかった)

7/13

 本日は日曜日、仕事がたまっていて出社する予定だったが、やめて絵を描く。おかげで新作「海の妖精」(F4)が完成する。うーん、顔が今一だ。

7/19

 6月、7月に完成した新作3作品をDM用に写真撮影した。庭にイーゼルを立てて35ミリのリバーサル・フィルムで撮影した。絵の撮影には天気が曇りが都合がよい。日が出ていると画面の凹凸に影が出来てしまうのだ。ひさしぶりの撮影なので仕上がりが不安。終わってから気付いたけど、デジカメでも撮っておけばよかった。撮影後にはグロスバーニッシュという作品保護のニスを塗る。

7/20

 今日ほどみっちり絵の作業したのはないだろう。昨日ニスを塗った新作「海の妖精」の帯が納得出来ないので塗り直す。旧全作品を出してチェック。「生命」にメリハリがないので加筆修正。さらに新作「ウミウシ黒(仮題)」を制作開始。気分が乗って、そのまま夜中の1時に70パーセント完成に至る。

7/21

 昨日始めた新作「ウミウシ黒(仮題)」が完成した。進まない時は何ヶ月描いても完成しないのに、時々、ひょいと簡単に出来てしまうことがある。二日で完成したのははじめてだ。それと完成作品の写真撮影をする。(くわしくは7/25のひとりごとに記載)

7/24

 今度の日曜日に画廊の主人に全作品を見ていただくことになっている。そのため、展示するための見取り図と作品一覧表、DMハガキ案を制作した。

7/26

 明日の準備をする。持ち込む作品15点を全部チェック。すると3作品の額にひもがついてなかった。前日のチェックは大切だ。

7/27

 画廊を半日借りて画廊のオーナーに作品を観てもらった。第三者に感想をいただくのはとても勉強になる。しかも画廊のオーナーの言うことだから身にしみる。主に指摘されたのは顔だ。顔に魅力がないと作品はダメだと言う。あと作品の額縁はバラバラだと統一感に欠けるので同じ額を買わなくてはいけない。
 それと本日、正式に契約をする。日程は11月10日から16日の一週間! さあ目標に向かって頑張るぞ。

8/2・3

 ここしばらく休日はすべて作品制作にかけてきたので、この休日は鑑賞に費やした。まず横浜で「イリア・イオネスコ写真展」、有楽町のスパンアートギャラリーで「少女頒2003」と題して山本タカト・中原淳一などの作品展、映画「マトリックス・リローデッド」、渋谷Bunkamuraで「フリーダ・カーロ展」を鑑賞する。

8/9

 今週は東京芸術大学美術館で行われている「ヴィクトリアン・ヌード」を観た。本日は台風で外は雨。日頃の疲れから家でゴロゴロひとりごとを書きためている。明日は絵を描こう。

8/10

 台風一過、青空でうだるような真夏の暑さ。本日は瞑想(水母)と拘束の一部修正した。水母は、顔が気に入らなかったので修正したが、かえっておかしくなり、もうダメ。直さなければ良かったと反省している。

8/28

 来月、宣伝活動として美術雑誌宛にプレリリースを発送するので、個展情報を載せていただけそうな雑誌を選んで購入する。前回、がむしゃらに送ったけど、紹介するスペースのない雑誌に送っても意味がないのを知った。選んだのは「月刊ギャラリー」「MADO美術の窓」「etc.」の3誌。

8/30

 この一ヶ月、忙しさのあまりに絵の作業がまったくできなかった。土日は一週間の疲れをとるために眠くて無気力になり、筆を持つこともできない。涼しくなった頑張ろうと思う。

9/5

 本日DM(ダイレクトメール)を発注する。私は版下が作れないので、パソコンで作ったレイアウト案と写真の原板(スライド)を提出する。前回DMに作品1点しか載せなかったが、今回は作品傾向を知ってもらうために3点載せることにした。料金は、表1色、裏4色印刷と版下制作込みで20000円弱(1000枚)。これは安い。

9/9

 忙しくてとれなかった夏休みをとる。本日、プレリリースを美術雑誌宛に発送した。中身は、挨拶文、プレリリース、作品展概要、写真3点(2L判)。
 まず雑誌社に電話して担当者と締め切り日を確認する。雑誌社には毎月多くの案内状が送られるので、御中だけで送ると埋もれてしまうことが多いそうだ。だから担当者の名前を聞いて、その方に送るのがよいらしい。他に気が付いたことを列記すると、
 ・封筒の宛名は手書き、中の文章はワープロにすること
 ・封筒には「個展開催資料在中」と「折曲げ厳禁」(赤字)を添える。
 ・添付する写真の裏に自分の名前とタイトルを忘れずに書くこと。
 ・締め切り間際でなく、余裕を持って早めに出すこと。

9/16

 9/5に発注したDMの版下が出来たのでチェックした。前もってパソコンで作っておいたので、まったくレイアウトは同じだった。文字のミスがないかチェックする。

9/20

 ひさしぶりにゆっくり休んで新作の下図を描く。涼しいせいか、アイデアが次々と浮かび、貝殻、蝶、蘭の3作品分できる。

9/21

 まだ早いのだがDMへの発送先リストを作る。私の知人、友人宛が100枚、画廊の顧客リストから500人、残りはNikeや他の画廊に置いて貰うことにする。

9/26

 DM(ダイレクトメール)ができた。そこではじめて気が付いたけど、裏側(?)絵が印刷されている側の作品展の文字が紺色になっていた。これは墨(黒)の方がよかったかもと反省する。

10/5

 個展で飾るための額を買いに車で出た。会場で飾るには額をそろえた方が見栄えがよい。額の専門店、新宿の世界堂に行ったが、以前買ったことのあるお気に入りの額が製造中止になったらしく無くて困った。かといってそれに代わるいい額が見つからなくて、結局、蒲田のユザワヤまで行くことになる。したら世界堂になかった目当ての額があり、店に陳列されていた4枚とも全部買い込んでしまった。ところで世界堂にはビルの裏に駐車場があって買い物に便利です。

10/6

 完成作品の写真撮影をした。じっくりと半日かけての撮影。(詳細は10/24のひとりごとに書いてあります)

10/22

 Nikeに打合せに行く、作品ファイルを見ていた画廊の主人が、今回展示予定のない作品にお面白いのがあるとのことで当日持ってくることになる。自分が気に入るのと他者が感じるのは違うもの。個展で展示する作品は自分だけでなく第三者の意見を聞くと良い。

10/26

 明日DMを出すため、はがき一枚一枚にひとこと文章を書き添えた。枚数が多いと以外と時間がかかる。DMはもっと早く作って、ひとことの挨拶文も時間をかけて書けばよかったと反省する。

10/27

 郵便局でDMを発送する。今回は時間がなかったので『料金別納スタンプ』を使った。局員にスタンプを借りてペッタンペッタン押していく。切手と違って処理は早いが、もらった人の気持ちはどうなのだろう。
 次に、銀座のなじみの画廊「Oギャラリー」にDMを30枚置いてもらうことにした。ここは個展の情報が集まっていて、画廊でも積極的に応援してくれるところだ。こういう場所がもっとあっていいと思う。

11/1

 3連休の初日は作品の仕上げに費やした。新作「蝶」を完成させ、以前から気になっていた「瞑想(くらげ)」の顔の修正をし、完成した作品にニスを塗る。

11/2

 本日は小道具の制作をした。絵のタイトルを示すキャプション、店の表に立てる看板の材料の他、プロフィール、作品ファイル、価格表など。

11/8

 全作品を額に入れてヒモをむすび、ガラスを磨いた。買ったばかりの額だからといって安心してはいけない、いがいと曇っていることが多い。

11/9

 搬入日。持っていく作品と道具類をすべて用意し、昼過ぎに車に積み込む。天気が曇りで今にも雨が降りそう。
 17時45分、前の展示がかたづいてから搬入開始。まず、作品をすべて床に並べてから、作品の大きさと色、となりの作品との関係から画廊の主人と相談しながら並べ替える。並びが決まったら作品を吊すワイヤを壁に均等に割りつけて、作品の大きさから計算して床からの高さを割り出して設置する。設置が終わった後はライティング。それから芳名帳やポストカードなどの小物を配置し、店前の立て看板を作った。しめて2時間かかりました。

11/10

 本日より個展開始。
 開店30分前に到着して、ライティングの再セッティングなど整える。
ひょっとすると誰も来ないのではないかと心配していたら、終わり近くになって来店者があってほっとした。最後に知人達とビールとつまみでささやかなオープニング・パーティーをした。小雨の降る寒い日に遠くまで来てくれてありがとうございました。感謝します。

11/12

 大事な個展を行っているというのに出張で東京をはなれることに。その間に来ていただいた方、すみません。お礼状をさしあげますのでカンベンしてください。

11/16

 1週間とは早いもので、もう本日で終了。17時よりぼちぼち搬出。作品をはずして絵がなくなっていくと、どこか寂しさを感じる。

11/17

 会社を休んでゆっくり部屋のかたづけをする。午後は疲れてぐったりと昼寝。

2004年La Mer個展の日記

2005年メルボルン展の日記

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