〈 動けなかった・・・〉




 カナダに行ったときのお話・その■
 
 日本人が一番あこがれているというカナダ。私も、ご多分にもれずカナダはすて
きなところなんだというあこがれをもっていました。
 どうせ行くなら、ツアーではなくて、自分たちで計画をたてて自由にまわりたい
!!と思い、飛行機とホテル、そしてレンタカーを予約して、いざカナダ西海岸の
大都市バンクーバーへと飛び立ちました。
 
 バンクーバーでは、クイーン・エリザベス・パークでたくさんの花と花嫁さんを
見て、車道よりも広い歩道を歩き、キャピラノ渓谷では、迫力十分の吊り橋をわた
り・・・・夜には、ロブスターを食べ、旅行は、まずまずのすべりだしです。
 
 次の目標は、カナディアンロッキー。レンタカーでバンクーバーから、まる2日
かけて、バンフへ到着。まる2日間というもの、景色をよく見ていればいいのに、
眠くて眠くて、運転手以外はみんな、こっくり、こっくり・・・。せっかくカナダ
に来たのに、車の揺れが心地よく、時差ボケもあって、ぐーぐーとねてしまったの
でした。ああ、もったいない。

 でも、着いたバンフの景色は、すばらしく、声も出ないくらい。川の水は真っ青
で、(でも、浅いのに青くて底がまるでみえない。) 湖と山と氷河の景色のすば
らしいこと。まるでカレンダーの中に入り込んだようでした。すごいすごいの連発
で、ガイドブックを見ては、あっちへ行きたい、こっちへ行きたい、あのロープウ
エーに乗りたい、あの船に乗りたいとわがままを言いつつ、思う存分楽しんだので
した。
 
 バンフで思う存分楽しんだあと、氷河ハイウェイを通って、ジャスパーへ。ジャ
スパーは、国立公園が設置されていて、バンフに負けないぐらいすてきなところ。
@ジャスパーは、ガイドブックを読むと、野生動物がとても多い場所らしい。いろい
ろな動物が、あちこちで見られると書いてある。どんな動物に会えるかと、わくわ
くしながら、でも、まさか、人間を襲う動物はいないだろうと思い、のんきにガイ
ドブックを読んで騒いでいた。
 そんなことも忘れ、夕方ホテルの前のベンチに座っていると、本当にリスがそば
へ寄ってきた。食事をしに、道路を車で走っていると、大きな角を持った鹿がゆっ
くりと前を横断していく。車からふと、道路の崖の下を見ると、なんと、バッフア
ローらしき動物がゆっくりと歩いている。ガイドブックの言っていることは本当な
のだということがわかり、これまた、びっくりの連続。さすが、カナダ、スケール
が違う!!と、大満足の私たちなのでした。
 
 さて、次の日、私たちは、ジャスパーにあるマリーン渓谷へと早朝出発。なぜ、
早朝なのかというと、昼になると観光客が増えて、動物が隠れてしまうという情報
を、私たちのメンバーの一人が、地元の人に聞いたから。早く起こされて、空気が
まだ冷たく澄んでいる時間に、私たちは出発した。言い忘れていたけれど、私たち
のメンバーは、5人。私は、朝早いので、ぼーっとしながら、5人の一番最後に着
いて狭い道を歩いていた。
 しばらくすると、山の岩肌を鹿らしき動物が見事に走っていく姿を発見。リスは
あちこちに出没し、楽しませてくれる。
「早起きしてよかったねえ」
と口々に言い合い、ゆっくりと散歩をしていた。ゆっくりと景色を見ながら歩いて
いると、突然友達が急に視界からきえた!!。あっという間の出来事で何が何だか
分からずに、ぼーっと突っ立っていると、
「はやくはやく!!」
と友達の声。
「えっっ。」
と思ったのも遅く、目の前を見ると、真っ黒いくまがのっしのっしとこっちへ向か
って歩いてくるではないか。私は、どうしたらいいのか分からず、身動きもせずに
棒のように口を開けて突っ立っていた。すると、くまは、これまたのっしのっしと
、体を揺らせて、私のすぐそばに近づいてくる。
もうだめかと思った瞬間、くまは方向を変えて帰っていった。
「よっかったねえ。食べられちゃうかと思った。」
と、友達の発言。
「動かなかったのがよかったんじゃない。」

動かなかったんじゃなくて、うごけなかったのだけれど・・・・・。


ま、とにかく、命は無事だったのでよかったと言うことになり、朝食を食べにホテ
ルへもどった。
ホテルでは、英語がしゃべれる友達が、くまに遭遇したことをホテルの人に話した
ところ、私たちが出会ったくまは、草食で、人間はおそわないということ。くまに
会えるなんてラッキーでしたねえ。といわれたらしい。

でも、ラッキーなのか、アンラッキーなのか、私にはいまだにわからない・・・・
・・・。
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TAKAHASHI HIROMI
電子メール アドレス :
Hirot317@aol.com
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おいていかれちゃった!

ほんとに食べちゃうの猫と蛇?

カレーは最高?

tokoro@t.email.ne.jp

製作監修者:所 輝美

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