◇中国人の好きな食物は猫!◇

中国河南省鄭州にて、中国の友人とレストランでの話



友人は、かねてから私に「僕の一番好きな物を食べさせたい」と言っていた。
そのチャンスは、中国河南省鄭州の町で、かなえられる事になった。
河南国際飯店の前のレストランは、結婚式の披露宴で賑わっていた。
彼は、そのレストランで「中国には美味いものたくさんあるよ、その中でもね、一番美味しいのは猫と蛇、ポン友の君には是非食べさせたい」と言われると、断れなくなった。
彼が、注文をすると、今日は猫は、無いらしい。
なぜかわたしは、ほっとした。彼の出身地は、ちなみに上海と北京の中間地点、青島の下にある連雲港だ。
店の者が「蛇を選んでくれ」と言って、我々を店の入り口のカウンターに連れて行いた。
入った時は気が付かなかったが、カウンターの下にかごがあり、中には20匹以上の蛇が動き回っていた。
店員が、その中から1匹取り出して、我々の目の前に手でつかんで差し出した。
ギョッとした私を尻目に、「友人は、もっと大きいの」今度は先ほどより一周りでかい蛇を引っ張り出した。
わたしが、「毒はないの」と聞くと、全部が毒蛇で毒の無いのは不味いそうだ。それにしても手慣れている。
美味しさにも種類があるらしい。友人が選んだ蛇はその中でも黒っぽい蛇でこれが友人のお進めだそうだ。
酒好きの友人が「美味しい食べ物には、美味しいお酒、僕の一番好きなお酒を飲みましょう」と言って、店の者にマオタイ酒を持って来させた。
マオタイ酒の事は、昔、日中国交のパーティーで田中角栄首相が乾杯していた酒ぐらいの知識しか無いわたしは、「どんな酒なの」と聞くと、友人は「マオタイ酒はね、めったに飲めない高いお酒、普通の人はね、一生に2回から3回ぐらいしか飲めないの、ほら、隣りの結婚式の披露宴の様な時にしか飲まないんだよ」
出てきたマオタイ酒は、封を切ると独特の強い香りが立ち込めた。
この匂いは、酒好きにはたまらないらしい。
わたしには、腐った卵の匂いのような感じなのだが。
友人は、うっとりとした目つきになった。
「乾杯」
喉が焼けるように熱く、強い酒だ。
蛇は、肉入り野菜炒め(チンジャオロウス風)とナツメ入り骨付きスープになって運ばれてきた。
蛇と思わなければ、鶏肉より遥かに美味い。特にスープは、絶品だった。
スープの中に入っていた、蛇の骨をしゃぶりながら、日本から一緒に来ている友達にも味見を、と思って、ミネラルウォーターのペットボトルに入れてもらい持ち帰る事にした。
隣りの披露宴に飛び入り参加し、ごちそうになった肉は、酔っぱらってわたしをからかっているのか、狸と言ったり、イタチだとか、とにかく不思議な初めての味だった。
次の朝、ペットボトルの冷めたスープは、異様な匂いで、蛇だと知った友達は、一口も飲のまずに捨ててしまった。
スープは熱い内に飲まなくっちゃいけないのです。
それから、街の中を観察したら、猫はいない。きっと猫は、彼らにはステーキに見えるのだろう。
それにしても中国人の食に対する感覚はどうなっているの!


おいていかれちゃった!

動けなかった

カレーは最高?

tokoro@t.email.ne.jp

製作監修者:所 輝美

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