ほんとに食べちゃうの猫と蛇？おいていかれちゃった
旅行好きの私は、ツアーで行くよりも個人で企画して海外旅行に行くことの方が
多い。オーストリアのザルツブルグへ行った時も、友達のIさんと、Kさんと、私の
３人で旅行の日程やコースを自分たちで考え、出かけた。
行き当たりばったりの私たちだから、結構失敗も多い。ドイツ語はもちろんだめ
だから、身振り手振りの旅。スケッチブックを取り出して、絵を描いて話をするこ
ともしばしば。Iさんなんかは歌は万国共通だ！とかなんとか言って、うたいだした
りする。
そんな私たちだが、ザルツブルグへ行った目的は、実は、映画サウンド・オブ・
ミュージックの舞台になったあの景色を見てみたい！！というものだった。だから
、ホテルに着いたらすぐに、私たちは、現地の『サウンド・オブ・ミュージック・
ツアー』に申し込んだ。そのときに、私たちはホテルの人から、「くれぐれも時間
には遅れないように」と言われたが、「はーい」と返事をして対して気にもとめず
にいた。 さて次の
日、ツアーの出発は９：３０。 もちろん時間には遅れなかった。（私たちは英語
ツアーに申し込んだ。現地ツアーなので日本語のツアーはない。） ツアーでは、
映画でジュリー・アンドリュースと子供たちが歌う場面にでてくる草原や、ミラベ
ル宮殿、ノンベルク修道院、ボートを転落する場面にでてくる湖等、自分たちでま
わったら、見過ごしてしまいそうな所にまで案内してくれた。おもしろおかしいガ
イドさんの話（英語で話しているのでよく分からないがまわりの雰囲気からとって
もおもしろいガイドさんらしい）を聞き、思わずドレミの歌を口ずさみながら「参
加してよかったね。」とお互いに言い合いながら楽しんでいた。昼食は、ボルクガ
ング湖のほとりでサンドイッチともちろん、ウインナーコーヒー。でも、このウイ
ンナーコーヒーの甘いこと。いつもはブラックを飲んでいる私は、あまりのあまさ
についていけなかった。
@ バスの出発の時間になったので、
時間を守って７分前にバスに乗ろうとした。ところがIさんが、トイレにいきたいと
いう。Kさんもいきたいというので、私はバスの中で待っていることにした。ところ
が、出発の時間になっても二人は戻ってこない。どうやらトイレはこんでいるらし
いのだ。私は、ガイドさんに、二人はトイレにいっていることをつげた。すると・
・・・・。ガイドさんは、突然大きな声で
「・・・・・・・・・」
私にはよくわからない。？？？頭を傾げていると、ゆっくりと、もう一度。どうや
ら、今すぐ降りなさいと言ったらしい。抗議をしてみたが、通じず、しかたがない
ので二人の荷物を持って、バスから降りた。
それから、３分後。友達が帰ってきた。
@ 「すごくこんでたの。まったー？」
「・・・・・・・・・・」
しばらくすると、様子がおかしいと思ったらしい。
「ねえ、バスは？」
「おいていかれちゃった。」
そうなのだ。バスは、たった３分が待てずに、私たちをおいて行ってしまったのだ
。 言葉も通じず、途方に暮れた私たちは、バス乗り場で座り込んで泣き
たい気分だった。
すると、それから１２分後、なんとさっきのバスがやってきたではないか。と思
ったら、同じ会社の違うツアーのバスだった。私たちのようにおいて行かれる人が
たまにいるらしく、座り込んでいた私たちを、そのバスのガイドさんが補助席なら
あいているからと乗せてくれた。私たちがどんなにほっとしたか・・・。
そして無事に、ザルツブルグに到着することができた。バスを降りると、私たち
をおいていったバスに同乗していたフランス人の人が私たちを待っていてくれた。
どうしたのかと思うと、私がバスに置き忘れたハンカチを届けるために待っていて
くれたのだという。私は、異国の地で悲しい気分になっていただけに、ああこんな
に優しい人もいるんだと感謝の気持ちでいっぱいになった。もちろん、フランス人
のその人が神様のように見えたことはいうまでもない。終わりよければすべてよし
、である。
教訓：ザルツブルグでツアーバスに乗るときは、時間を守らなくてはいけない。
たとえ、トイレをがまんしても・・・。
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TAKAHASHI HIROMI
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製作監修者：所 輝美
