FESTIVAL D'AVIGNON

アヴィニヨン演劇祭公式ガイド 25


■アヴィニヨン演劇祭2004IN

  前回に続いてINのプログラムの紹介。今回はアヴィニヨンにおけるドイツ年以外の演目を紹介しておこう。

 新しいディレクトゥールからのアヴィニヨンの市民たちやフェスティヴァルを訪れた観客たちへの贈り物として、今年は「路上スペクタクル」で開幕する。コンプレックス/カファルナウムの『路上スクエア・テレヴィジョン』(3〜5日)。アヴィニヨンの街並を取り込んで、聴衆とアーティストが一体となったイベントを繰り広げるという。南仏の遅い日が暮れる22時15分にルイ=グロ・スクエアを出発する。

 フェスティヴァルの中心会場である教皇庁中庭のもう一つの演目は、パトリック・ピノ演出のイプセン作の『ペール・ギュント』(7月16〜25日、19日除く)。 4時間半にわたって長大な叙事詩を描く。ここでは、最後に追加、ロドルフ・ビュルジェがメテオールバンドを率いてのロックコンサート(27日)。


 このほかには、長年パリ郊外・ジュヌヴィリエの市立劇場で活躍しているベルナール・ソベルがブレヒトの『男は男』(14〜25日、16、23日除く)をシャトブランで公演。またフレデリック・フィスバックがコルネイユの『イリュージョン・コミック』(10〜22日、13、18日除く)をヴァンサン・ド・ポール体育館でとりあげる。

 中庭のビュルジェのロックコンサートにもかかわっている作家オリヴィエ・カディオのテクストを盟友の演出家リュドヴィック・ラガルドが、ロワール河をわたったヴィル・ヌーヴ・レ・ザヴィニヨンのシャトリューズに居を構えてとりあげる。『若者がウイといっている』(9〜23日の火金)はガートルード・スタイン原作、新作の『妖精の女王』(10〜24日の水土)、そして再演の『ズアーヴの提督』(11〜25日の木日)の3本。現代作家ではフランソワ・ボンの新作『ダエウ ー』がコンビを組んでいるシャルル・トルジュマン演出で初演される。


 ティエリィ・べダールは、トロントに亡命しているイランの文系理論家レザ・バラへニのテクストをもちいて『地獄にて』(9〜15日、13日除く、シャトブラン)を初演する。またクレール.ラーヌは、一昨年のモリエールとブレヒトの統合に続いてアニメ作家ミシェル・オスロの『プランスとプランセス』(5、6、10、12)をラスト・テントで上演する。


 フランス勢以外では、ベルギーのリュ ック・ぺルスヴァルがラシーヌの『アンドロマック』(13〜27日、21日除く)をセレスタン回廊中庭で取り上げる。以上はフランス語上演。イタリアからはピッポ・デルボノが自作の『ウルロ』(13〜24日、18日除く)を城壁から15キロ離れたブルボンの石切場の屋外の大空間を使って公演する。18日はこの芝居に出演する歌手ジョヴァンナ・マリーニが同じ場所で『バベルの塔』と題したコンサートで自作の新作を一日だけ披露する。またその後、デルボノはシャイクスピア原作の『ヘンリ五世』(26、24日)をもとにした上演を市立劇場で行う。


 オランダのヨハン・シモンは、パオロ ・パゾリーニとコール・ヘルクストロッテールのテクストをもとに『二つの声』(10〜17日、13日除く)をぺニタン・ブランの礼拝堂でフランス語で上演。L.ヴィスコンティの映画『地獄に堕ちた勇者たち』から着想を得た『神の失墜』(20〜27日サン=ジョゼフ高校中庭)はオランダ語上演。そして。最近毎年のように招待されているスペインのロドリゴ・ガルシアは自作の『マクドナルドの道化、ロナルドの物語』(11〜16日、14日除く)はセレスタン回廊中庭で上演。ノルウェーのトリル・ゴクソイールとカミラ・マルタンスの若い女性ユニットは、『少し政治的なことをするのはいいことだ』というパフォーマンスをアヴィニヨン・ヴォクリューズ商工業センターのショウウインドゥーで期間中、昼と夕方に行う。


 ベルギーのヤン・ファーブルは、ダンスと演劇とヴィデオ映像を組み合わせた『死の天使』(9〜16日、13日除く)をサン=ジョゼフ高校礼拝堂で公演する。そのほかのダンスでは演劇と音楽を組み合わせたベルギーのヤン・ロウェルのコンセプトによる『イザベラの部屋』(9〜13、15日、カルム回廊中庭)とクレール・ラーヌの『誕生日おめでとう』(8、9、13〜24日、18日除く、ラスト・テント)が初演される。

 サーカスではシルク・イシが『秘密』(8日〜27日、水日を除く)のタイトルで、ヴァンサン・ド・ポール・テントで公演を行う。


 水車小屋通りのブノワ12世劇場では、音楽家などさまざまなアーティストを招聘して、ヴァラエティにとんだ何でもありの興味深い深夜1時開演のシリーズを組んでいる(上演時間1時間。

5 このほかこれまでの恒例となっている一連のセミナーやワークショップなどが連日開催され、フランス・キュルチュールの作家俳優をテーマとした催し(カルヴェ美術館、シャルトゥリューズの現代作家を招いた催しや、オルガンのコンサートなとが予定されている。

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