詰将棋おもちゃ箱パズル詰将棋
パズル展示室 No.46 やよいさん
パズル詰将棋
パズル詰将棋
棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)
出題時のコメント:
銀追いパズル 50手台

パズル展示室No.46 やよい

目につくのは右上の2枚の角。 玉が対角線のマスに入れば、21桂成や41桂成で2枚角が働いてきます。 例えば、初手88とを同玉なら41桂成、87玉、77角成、98玉、88馬までなので99玉と逃げますが、 続いて98と、同玉(89玉は99と以下)、99銀と打つと、取れないので87玉に88銀、76玉、77銀と単騎の銀で追うことができます。

  88と、99玉、98と、同玉、
  99銀、87玉、88銀、76玉、77銀、65玉、66銀、54玉、
  55銀、43玉、44銀、32玉、

取る変化だけでなく、途中で戻る変化や、55銀に45玉、44銀に34玉など変化が多くちょっと大変。 上記の棋譜の分岐手順で示していますので、気になる方はご確認ください(以下同様)。 これ以上いけないので、41銀以下局面を打開します。

  41銀、同玉、24歩、34玉、35銀、43玉、

桂の周りをぐるっと回って43に戻ります。 ここでも24歩を同成香や35銀に同玉や45玉と変化があってなかなか進めません。 ここからは再び単騎の銀追いで左下に戻ります。

  44銀、54玉、55銀、65玉、66銀、76玉、77銀、87玉、
  88銀、98玉、99銀、87玉、

88銀では千日手なので、88歩、76玉、77銀と最後の銀を投入して、今度はこの銀で右上に追います。

  88歩、76玉、
  77銀、65玉、66銀、54玉、55銀、43玉、44銀、54玉、

今度も55銀では千日手なので、打開する必要があります。 そのキーは64と捨て。 それから55銀とすれば43には戻れません。

  64と、同玉、55銀、65玉、57桂、76玉、77歩、同玉、
  66銀、76玉、77銀、同玉、

ついに銀の押し売りを取らせることに成功。 2枚角で収束します。

  21桂成、76玉、66角成 まで59手

2枚角の影の利きによって銀の押し売り。 最初の銀が斜めに往復して99に戻ってから、更に次の銀も77から斜めに往復する、二度おいしいおもしろいパズル作品でした。

銀の利きの性格上、逃げ方が多く、解くのはかなり大変。 手順のポイントを作者に解説していただきましょう。

作者 「線駒2枚の威力を見せつつヒモ無しの駒で玉を追う趣向がありますが、従来の諸作が片道であるところ本作は銀追いで往復する手順です。 全体の流れは、以前発表したパズル展No.15No.21と同様 「玉の軌道の両端を塞いだ後、中間地点で仕留める」というものです。 手順のポイントは以下3点ほどでしょうか。
 (1)64とと捨てられるのは、52地点が塞がり、かつ攻方銀が44にいる時。ただし持駒に銀2枚あれば52が空いていても詰む。
 (2)1往復した直後、歩を打って8筋を完全に塞いでおく。
 (3)2枚目の歩は収束まで温存、48手目63玉の変化に備える。
上述の通りヒモ無し追いが主眼の作で、パズルという印象はやや薄いかも知れません。
29龍は行きがけに捌きたいところですが、難しそうです。 」

それでは、みなさんの感想を。

山下誠さん:
対角線上を動く銀の押し売り手順が愉快。 7七地点で取らせて幕。
小山邦明さん:
21手目の35銀で歩を一枚増やす手順が入ったのがポイントですね。
川越敏司さん:
それぞれ9九、7七に打った2枚の銀が玉を追って元の場所に舞い戻ってくる二重のルントラウフ。 お見事です。

99銀は35まで行って99に戻り、77銀は44まで行って77に戻る。 素敵な構成ですね。

松崎一郎さん:
33の桂がいつ動くのかと思っていたら最後のトドメだったとは。駅伝をしてるような銀の動きが面白い。

21桂成まで57手解。 最後2手忘れたのかな。 解けていると思われるので正解扱い。

占魚亭さん:
紐なし銀の華麗な追跡劇。
おかもとさん:
銀の単騎追いを2往復。 ここまで極めるとすごいですね。
S.Kimuraさん:
銀追いでも,玉はいつでも違う方向に逃げられるので,後半は変化を追うのは諦めました.
池田俊哉さん:
二枚角エンジンの単騎追いは過去に作例があるが、往復できるとは思わなかった。 舞台装置はかなり残ってしまうが、これはこれで一つの収穫

パズル展示室No.46 解答:8名 全員正解

  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  おかもとさん  川越敏司さん
  小山邦明さん  占魚亭さん  松崎一郎さん  山下誠さん

当選者は、展示室で発表しています。