飛と尻金で玉を狭めていく趣向は良く作られています。 本作は飛を使わず、金は盤面配置ではなくすべて持駒なのが特徴。 さて、どのような手順が展開されるのでしょうか。
7段目が単なる壁ではなく、57桂が質駒として取れることも要注意です。
まずは15金。 ここは桂が利いていませんが、同玉なら25金、26金打から27金があるので26玉と逃げます(17玉は16金から29金)。 続いて25金と寄ると、16玉は26金打ですし、17玉でも16金と捨てれば同じ。
36玉と逃げるしかありません。
15金、26玉、25金、36玉、
35金と追撃。 ここも26玉と戻れば25金打で先ほどと同じなので46玉。
45金に36玉も、35金打、26玉、25金寄で同じ形なので56玉。
ここで57歩と桂を取りたくなりますが、66玉と逃げらると65金と2枚目の金を使わなくてはならなくなって、左端で金が1枚足りなくなって詰みません。
じっと我慢して55金。 46玉は45金打以下同じように詰むので66玉。
さらに65金。 そろそろ56玉が気になりますね。 55金打、46玉、45金、36玉、35金、26玉、25金で36玉と戻られると? 35金打、46玉、45金で持駒にまだ金が1枚あるのでぴったり詰みました。
35金、46玉、45金、56玉、55金、66玉、65金、76玉、
75金にも86玉ですが、ここで66玉と戻る変化が最大の難所。 65金打、56玉、55金・・・25金、36玉、35金打、46玉、45金、56玉と先ほどと同じように追って、ここで57歩と質駒を取れば同と、48桂、同と、57金で詰み(33手)。
この変化で作意手順もなんとなく見えてきましたね。
75金、86玉、85金、76玉、
まだ金が3枚あるので、85金に97玉は96金と捨てて詰み。
76金に75金打と2枚目の金を投入して、今度は右側に追い戻します。
75金打、66玉、65金、56玉、55金、46玉、45金、36玉、
35金、26玉、25金、36玉、
途中で戻るのは、玉が狭くなるので早く詰み。 25金に17玉は16金なのでやむを得ず36玉と戻ります。
35金打、46玉、45金、56玉、57歩、同と、55金、46玉、
金だけでは足りないので桂の質駒を取ります。 55金に66玉は、58桂、同と、67金まで。
58桂、同と、45金、56玉、67金 まで41手
16から86へ、そしてまた26に戻り最後は中央で詰み。 盤の横幅を最大限使った、手順だけ見るとくるくるのような金のパズルでした。 変化がたくさんあってやっかいですが、左右から追いつめる形になるだろうから、受け方はできるだけ狭くならないように逃げるはず、とパズル的な思考で変化とばしすると、早く解けるかもしれません。
- 作者:
- 2枚飛車もしくは飛金が協働して玉を追い詰めるパズル的作品がくるくる展示室でも多数発表されていますが、本作は飛車を使わず金4枚で同様の動きを表現してみたものです。両端を金でふさいだ後、質駒の57桂を入手して詰め上げます。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 凡骨生さん:
- 金一枚ずつで追うのにユーモアを感じます。
- キリギリスさん:
- 変化でラストの桂と金の決め方が何通りかあって奥が深いと思いました。
- やまかんさん:
- 両サイドで金が足りるように工夫して追うという感じですね。
- 太刀岡甫さん:
- ずらずらと金で追っていく楽しさがいい。
- 長谷川琴さん:
- 13手目75金の時、66玉とする変化が難しい。
- しまぎろうさん:
- ギリギリまで金を使わないところが面白かったです。
- 名無し名人さん:
- ヌルリヌルリと這い寄る金。
- やぶいりさん:
- 愉快な尻相撲。桂を奪うタイミングが難しい。
- きたさん:
- 前半は面白いのですが、桂を取ってからやや破調。
- 池田俊哉さん:
- 単騎金追い一往復半。収束のための仕掛けが見えているため、パズルというよりくるくるに近い感触
- 占魚亭さん:
- 桂を取るタイミングを計る。
- ぬさん:
- 手順を限定させる左右の配置がうまいです。
- 隅の老人Bさん:
- 粛々と引いた御神籤。金運あり、成る程ね。
- S.Kimuraさん:
- 打った金でどこまで玉をどこまで追いかけられるのかを見極めるのが大変でした
- 小林巧さん:
- 金のリレー!?が何とも言えず、可愛い。
- 名城健太郎さん:
- 金と玉が行ったり来たりする。
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