詰将棋おもちゃ箱パズル詰将棋
パズル展示室 No.43 大崎壮太郎さん
パズル詰将棋
パズル詰将棋
棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)
出題時のコメント:
金・龍の取り方 130手台

パズル展示室No.43 大崎壮太郎

出題コメントの「金・龍の取り方」。 53歩でばらせば取れそうですが、盤面をよく見ると58歩があって、53歩は二歩で打てません。 それでは58歩を消す方法はないでしょうか。 玉を56まで呼べれば57歩とかできそう。 そして、斜めに並んだ銀の配置などを見ると、51金以下、玉を56まで呼べる気がしますね。 実際に進めてみましょう。

  51金、42玉、41と、32玉、31馬、23玉、
  14銀、34玉、25銀、45玉、36銀、56玉、

23玉のとき14銀捨てが好手。 同玉も12玉も24玉も13馬があるので34玉の一手で、銀鎖手順で56まで呼ぶことができます。 56玉型になれば、57歩、同玉と歩を消去して、48角、46玉(56玉は58龍)、47銀以下折り返すことができます。
なお、57歩、同玉の瞬間に13馬という手がありそうですが、35歩合で逃れます。

  57歩同玉48角、46玉、

58歩を消去できたので、玉を52に戻して53歩を打ちましょう。

  47銀、45玉、36銀、34玉、25銀、23玉、
  13馬、32玉、31と、42玉、41金、52玉、
  53歩同金

ここで、ふと、問題に気が付きます。 金を取って同玉に64金としたかったのですが、37にあった角が48に移動しているので64金は同玉と取られてしまいます。 それなら、また玉を移動させて、角を37に戻したらいいのでは。 さっそくやってみましょう。

  51金、42玉、41と、32玉、31馬、23玉、
  14銀、34玉、25銀、45玉、36銀、46玉、

36銀に56玉は58龍ですし、55玉も65金なので46玉と逃げて、予定通り角を37に動かすことができます。 37角に対していったん57玉と逃げて58歩を打たせるのがいい手。 金を取ったあと再び53歩と打つのを二歩で阻止する意味合いです。

  37角57玉58歩、56玉、

これで再び角を37に設置できたので、53金を取りにいきましょう。

  47銀、45玉、36銀、34玉、25銀、23玉、
  13馬、32玉、31と、42玉、
  53金、同玉、64金、42玉、

52まで戻さず、42玉型で53金と取るのがポイント。 同龍なら41金打を見ています。 52玉に53金では同龍で63に逃げられて詰まないのですね。
ともあれ、これでやっと63の金をはがすことに成功しました。 同じ要領で83龍もはがしにいきましょう。

  41と、32玉、31馬、23玉、
  14銀、34玉、25銀、45玉、36銀、56玉、
  57歩同玉48角、46玉、
  47銀、45玉、36銀、34玉、25銀、23玉、
  13馬、32玉、31と、42玉、41金、52玉、
  53歩同龍
  51金、42玉、41と、32玉、31馬、23玉、
  14銀、34玉、25銀、45玉、36銀、46玉、
  37角57玉58歩、56玉、
  47銀、45玉、36銀、34玉、25銀、23玉、
  13馬、32玉、31と、42玉、41金、52玉、

ここからは龍を取って収束するのですが、今度は51と、62玉としてから龍を取るのがポイントです。

  51と、62玉、53金、同玉、52飛、63玉、72飛成、同玉、
  74龍、同銀、73金、71玉、72歩、81玉、82金 まで131手

作者 「くるくる展示室No.473の松下作を見ていて、 歩の消去と設置を繰り返せたら面白いなと思って作った作品があるので、投稿させてください
はじめは歩を置く理由を受方駒の利きの消去(49角の85への利きを58歩で止めるイメージ)で考えていましたが、 全然形にならないので、別の目的で駒を繰り替えると結果的に歩が置かれてしまうという方向で考えたらすっとできました。
1枚はがすのに2往復かかるロジックが売りです。(2分の1手微分金はがし?) 57手目53金で、41金、52玉、53金という迂回手順が成立しないところが地味ながら気に入ってます。」

金銀知恵の輪の移動手順は前例が多いですが、1枚はがすのに2往復必要というのが本作のアピールポイント。
なんとなくややこしそうですが、下で折り返すと、37角58歩と48角(58なし)が入れ替わり、 53歩を打つには58なしでなければならず、53金と取るには37角でなければならない、 というわかってみれば簡明なロジックのおもしろいパズル作品でした。

それでは、みなさんの感想を。

山下誠さん:
5筋の折り返しの仕組みがうまく出来ていて感心した。
松崎一郎さん:
楽しいくるくる4往復、収束の竜切りが気持ち良い。
おかもとさん:
53歩と58歩の機構はうまい。 もっと発展できるかも?
小山邦明さん:
44手目56玉の時の早詰み手順を含めて上辺での手順が面白い好作品。
池田俊哉さん:
53に歩を打ちたくて57歩を消すと、今度は37角が動いてしまうので、さらにもう一往復、というロジックが楽しい。 もう一往復できるような仕掛けがあると良いが高望みでしょうね
占魚亭さん:
二歩を回避するパズル。 分かりやすく、とても楽しかったです。
inokosatoshiさん:
53の竜をいつとるか。 62香は邪魔駒だったんですね。
S.Kimuraさん:
金と銀のベルトで玉を動かしていくのが楽しかったです.

パズル展示室No.43 解答:8名 全員正解

  池田俊哉さん  inokosatoshiさん  S.Kimuraさん  おかもとさん
  小山邦明さん  占魚亭さん  松崎一郎さん  山下誠さん

当選者は、展示室で発表しています。