本作は No.23と良く似ています。
違いは58香がないことと、と金の位置が17でなく37であること。
58香がないのでNo.23の筋はダメだし、No.24の筋は37とが28に利いているのでダメ。
これらの違いでいったいどんな詰筋が新たに生じるでしょう。
58香がなくなったのは、詰方にとってマイナスに思えますが、詰方の駒がないことは必ずしもマイナスとは限りません。
ほら、ジャマ駒消去なんていう手筋はその駒がない方が有利だから成立するわけですね。
58香がないことがプラスになるとしたら、どんなことが考えられるでしょうか。
58や57に飛が動ける、58に銀が打てる、動けるといったあたり。
しかし58には36角が利いているので、58から直接王手は取られてしまいますね。
ということは、49銀から58銀という空王手?
実はそれが正解なのですが、すぐに19銀、38玉、49銀とすると、39玉と逃げられて、58銀に48玉と飛車を取りにこられて失敗。
例によって、前準備が要ります。
39玉を防ぐために48銀を置くのです。
19銀、38玉、39銀、29玉、48銀、38玉、
これで39玉とは行けなくなったので、狙いの58銀を置く空王手を敢行。
49銀、29玉、58銀、38玉、
48銀58銀を置いて万全の体制。
玉は動けず、まだ銀が持駒にある。
これで詰まないはずがない・・・
その通り詰むんですが、39銀打は29玉、29銀や39飛は48玉で、意外に簡単にはいきません。
ここは、これまでも登場した銀の繰り替えの術の出番です。
39銀引、29玉、28銀、38玉、
48銀を28銀に移動させると、何がいいの? その答えは次の3手で明らかになります。
39飛、49玉、59銀 まで17手
49銀から58銀の順は、No.23では58銀とはできず、No.24は角が利いていて49銀とできなかったので、順番に解いてくると盲点になったかも。
その前に48銀を置いたり、その48銀を28に繰り替えたり、銀の緻密な動きを堪能できる作品でした。
作者 「実は一番最初に作った作品。58が空いているので成立する順です。これも銀の四段活用がカギ。」
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 山下誠さん:
- 金のないもどかしさを十分に表現。最も気に入った作品です。
- 占魚亭さん:
- 前2作の初手が上手くミスディレクションになっていますね。
一番普通の19銀が案外指しづらいかも。
- 小山邦明さん:
- 初手29銀から考えて苦戦しました。No.24の手順を1列ずらしたような手順ですね。
- 隅の老人Bさん:
- 人は世に連れ、王は銀に連れて動きます。収束、飛が動いての収束を買う。
- 攻めダルマンさん:
- これが1番早く解けたが易しくはなかった。銀の動きは面白いと思う。
- 蛇塚の坂本さん:
- 今回は動かさなかった飛を動かして5九銀との連係を実現させた格好ですよね。
- 長谷繁蔵さん:
- 48銀を28銀と移動。面白いパズルでした。
- S.Kimuraさん:
- 39飛と玉を反対側に追い出して,59銀で仕留めるところが意外でした.
- 池田俊哉さん:
- 28に二枚効いているので前局の筋は無理。となればいったん追い出して48銀-58銀と拠点を作る。飛が動くのがちょっと意表を突く
- やぶいりさん:
- 7手目重く49銀と打った後、軽い千鳥が気持ち良い。
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