狭い玉に銀という強力な駒が4枚も。
しかし、銀は横に利かないので、案外詰ませにくい。
金なら1枚あれば1手詰なんですが。
作者の発想にあったかどうかわかりませんが、今回の連作の形から思い出すのは近藤孝さんの塚田賞作品(左図、29手)です。
これが解図の参考になるかどうかというと、この作品は4手目に角の中合が出現して、その角を使って馬を作る順になります。
今回は4題とも角が2枚配置されているので、角合はなく、どうも参考にはならなそうです。
では、初形を見て、詰上りの形を考えてみましょう。
すぐ分かるのは、18玉型なら19銀の1手詰だということ。
したがって、先手は、29銀、19玉、18銀(38銀)、28玉と、初形のまま18銀や38銀を置くことができます。
しかし、2枚置いても28玉型の詰上りはなかなか作れません。
29銀では19に潜られるので19銀までで詰めることになりますが、38玉の逃げを防ぐには47銀を置く必要があって、これは難しそうです。
38玉型なら、29は18銀で塞げるので39銀までの詰上りが考えられます。
47を塞ぐ駒は48銀でしょうか。
39銀から48銀と空王手すれば置けそうです。
ところが実際にやってみると、18銀を置いてから39銀では18の銀を取られてしまいますし、最初から19銀、39銀から48銀では18銀を置くことができません。
38銀を置いてから39銀だと? やはり18玉と逃げられ、29銀は19玉と潜られますし、19銀、同玉では銀が足りません。
八段目で詰み形が作れないということは、追いだして46あたりで詰める? はい、それが正解です。 進めてみましょう。
29銀、19玉、18銀、28玉、
すぐに19銀、39銀と打っていくと29玉と潜られます。先に18銀を置いて29玉を防ぐのがポイント。
19銀、38玉、39銀、47玉、56銀、46玉、
ここで47が塞げれば55銀まで。 ということは
49飛、47合、55銀 まで13手
銀の王手がいろいろ掛けられるので混乱しますが、追い出して詰める方針が決まればそう難しくはありません。
58香がこの手順を成立させるキーとなる配置でした。
作者 「18銀を据えて29への利きを作ってから4筋方面に追うのがカギです。」
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 山下誠さん:
- 3手目1八銀が指せれば、あとはスラスラでした。
- 占魚亭さん:
- 予想外の詰み位置。
- 小山邦明さん:
- まず最初にこの作品を解きました。うまく香を活かすように銀を使う手順だと思います。
- 隅の老人Bさん:
- 初手、19銀打と指したいのだが、それはダメ。
- 攻めダルマンさん:
- 収束が見えなくて相当悩んだ。
- 蛇塚の坂本さん:
- 銀と香の連係が見事に最後で活きた形だと思いました。
- 長谷繁蔵さん:
- 19銀から入って大苦戦。意外な詰上り。
- S.Kimuraさん:
- 玉を4筋に追い出す,という予想は当たっていましたが,49飛が見えずに苦労しました.
これができるのが58香の効果。 銀の手ばかり考えていると、それ以外の手が盲点になるのかもしれませんね。
- 池田俊哉さん:
- まずはシンプルに29銀-18銀を考えてみる。47に上がられても退路がないので安心
- 高田明浩さん:
- これが一番速く解けました。
- やぶいりさん:
- 49飛をやっと発見できました
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