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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱

くるくる展示室 No.497 本間晨一さん

くるくるおもちゃ箱
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
持駒は双方なし 30手台

くるくる展示室No.497 本間晨一

攻め駒2枚だけのすっきりした形。 26馬では18玉から香を取られてしまうので、初手は39馬の一手です。 受方に持駒はないので16玉と逃げて、49馬と追撃。 以下、15玉、48馬と馬追い趣向が始まりそう。

ところが、49馬に対して作者の狙いの一手が炸裂します。 それは38桂成

馬追いで48馬、47馬、46馬、45馬、44馬、と進んでいくと46から44の桂は取られる運命。 どうせ取られるなら移動合して手数を稼ごうという、ヤケクソ中合と呼ばれる合駒です。 後の手順が何も変わらないので、無駄合じゃないの? とも考えられますが、2手延びて駒も余らないので有効合とされています。

ということで、ヤケクソ中合しながら馬で追っていきましょう。

  39馬、16玉、
  49馬、38桂成、同馬、15玉、
  48馬、37桂成、同馬、14玉、
  47馬、36桂、同馬、13玉、
  46馬、12玉、
  45馬、11玉、
  44馬、12玉、34馬、11玉、

46馬のとき、これまでの勢いで35桂と捨てるのは失敗! 43桂はもともと取られない桂なので、捨ててしまうと早く詰みます。

ここからは取った桂3枚を巧みに使って収束します。

  21香成、同玉、13桂、31玉、23桂、22玉、21桂成、同玉、
  11桂成、同玉、12銀、22玉、23馬、31玉、13馬、22香合、
  23桂 まで39手

作者 「桂3枚の跳ね捨てが絡む細目馬鋸が狙いです。 細目鋸は馬鋸では珍しいのでないかと思います。 初形を見た目スッキリにして、入手した3枚の桂はできるだけ簡潔に処理するように心掛けました。」

くるくるNo.146 くるくるNo.144 馬追いの中で桂をヤケクソ中合。 馬追いの中で歩をヤケクソ中合するのはくるくるNo.144(左図)で紹介していますが、桂合は珍しいですね。

馬の縦追いに桂の移動合という意味では、くるくるNo.146(右図)があります。 こちらは退路空けの移動合で意味が異なります。

桂のヤケクソ中合を含む馬の縦追い趣向。 馬の動きを見ると作者がいう通り一種の馬ノコといえるかもしれませんね。 すっきりした配置から繰り出されるちょっと高級な趣向でした。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

蛇塚の坂本さん:
馬と桂3枚の協力形は勉強になる。

23桂まで33手解。 最後まで解けているのですが、手数延ばしの移動合が作者の狙いなので正解にできません。 すみません。

山下誠さん:
一見すると無駄合のような桂の移動合に味がある。
松崎一郎さん:
どうせ取られるなら跳ねて取られて手を伸ばす?。
小山邦明さん:
調子にのって16手目も桂を跳ねたら早詰ですね。
川越敏司さん:
初形の四桂柱だけでも見ごたえがありますが、 そこに馬鋸と3連続桂合の組み合わせがまた素晴らしい。 詰上がりは椅子の形の曲詰でしょうか?

なるほど。 椅子に見えないこともないかも。

おかもとさん:
桂捨合で手数稼ぎ。 調子に乗って四回めの桂捨はダメでした。
池田俊哉さん:
ヤケクソ移動合三連発。 四発めは本来取られないので注意が必要(笑)。 でもその変化にもちょっと洒落た手が出てくるみたい

46馬に35桂は、同馬、12玉、34馬、11玉で、作意同様21香成以下でも早いですが、 ここで23桂、22玉、14桂、13玉、35馬とするのが最短で、33手で詰み。

占魚亭さん:
前半の馬鋸がいい感じですね。
S.Kimuraさん:
iPadの柿木将棋は33手詰と前問より短い手数の解を出すのでWindowsの柿木将棋で確認したところ, iPadの方は桂馬の跳ね捨てを見落としているようでした.

間違えて無駄合と判断しているのかもしれませんね。


くるくる展示室No.497 解答:10名 正解9名

  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  おかもとさん  おしいれの大冒険さん
  川越敏司さん  小山邦明さん  占魚亭さん  松崎一郎さん
  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。