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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱

くるくる展示室 No.483 菅野哲郎さん

くるくるおもちゃ箱
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
とどめは成銀 30手台

くるくる展示室No.483 菅野哲郎

本格的な趣向詰ながら、角と歩だけの盤面に銀一色持駒。 本作もくるくるアートですね。

まずは銀連打の斜め送りから始まります。

  64銀、54玉、55銀打、45玉、46銀打、36玉、37銀打、27玉、

18馬で折り返して、今度は左上への斜め送り。

  18馬、38玉、
  28馬、47玉、48銀、同と、

馬で左上に送りたいのですが、28馬、47玉となると37銀が邪魔で37馬と行けません。 そこで48銀、同と(同玉は37馬まで)と銀を消すのが好手。 これで再び馬で追えるようになったので、続けて楽しみましょう。

  37馬、56玉、57銀、同と、
  46馬、65玉、66銀、同と、
  55馬、74玉、

最後のサイクルでは75銀と捨てては同玉でダメ、73銀成でも75玉でダメそう。 かといって75歩では打歩詰。 ここから収束ですので、ちょっとだけ考えてみましょう。

ここで、玉の上部脱出を押さえていた要の角を捨ててしまう気持ちのいい手がありました。 玉を左上に押し込めば、あとは手順に詰め上がります。

  83角成、同玉、73銀成、92玉、93歩、同玉、94歩、92玉、
  82成銀 まで33手

四銀連打で右下に送り、折り返してその銀を捨てながら馬で左上に戻す、斜め送り1往復の趣向詰でした。

銀を捨てながら馬で斜めに追う作品は、追い方、捨て方や取り駒のバリエーションでいろいろ作られていますが、 アートな配置で美しく仕上げてしまうのは流石菅野さんですね。

銀捨ての方向や銀を取る駒が異なりますが、作者は同様の構成の作品(右図、くるくる展示室No.306) を2016年に発表しており、本作はその姉妹作といえるかもしれません。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

蛇塚の坂本さん:
前半銀の出現後半銀の消去動きが、ハッキリしてスッキリしました。
中村丈志さん:
14手目逃げる手を読み少し悩んだ。

48銀に56玉は、57銀上、同と、46馬で作意に短絡して早いのですが、一瞬ドキっとしますね。

山下誠さん:
並べた銀を捨てながら馬で絞っていくのは気分のよい収束。
竹中健一さん:
48銀も捨てる手だともっと良かった気がしました。
松崎一郎さん:
王様が寄せては返す銀波と戯れているよう。
小山邦明さん:
61から25の斜めの「と金」は「歩」だと早詰みになるのですね。

銀を上げて捨てる手を防ぐ必要があります。

原田雄二さん:
玉は馬と銀に負われて(追われて)、と〜歩の階段を昇降する。
楠本晋さん:
後半の連続で銀を捨てる追撃が気持ちいい展開でした。
森田正さん:
銀の階段を上部と下部で上り下りする。 ユニークです。
占魚亭さん:
銀の階段を崩していく復路がいい感じ。
池田俊哉さん:
四銀打ちから二段階消去で銀が消えていくのが良い。
趣向的に持ち歩が増えてしまうのでこの収束になるが、四枚目の銀が消えても良かったかも
那須清さん:
1八馬以下の追い戻しは少しだけ手がこんでいて面白い。
竹園正秀さん:
銀を2度以上使う
川端潤さん:
押さえの角を捨てて最初の銀で詰上げるのがおしゃれ。
おかもとさん:
13手目の48銀がわかれば、あとは一瀉千里。
ootanowatasiさん:
現われては消えゆく銀4枚の鎖。 最後はその1枚が見事玉をしとめる。
嵐田保夫さん:
いつもながらの巧みなアイディアを狭い空間の中で通した技はお手のもの。
S.Kimuraさん:
と金の壁を崩すとは思いませんでした.

くるくる展示室No.483 解答:19名 全員正解

  嵐田保夫さん  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  ootanowatasiさん
  おかもとさん  川石隆志さん  川端潤さん  楠本晋さん
  小山邦明さん  占魚亭さん  竹園正秀さん  竹中健一さん
  中村丈志さん  那須清さん  原田雄二さん  蛇塚の坂本さん
  松崎一郎さん  森田正さん  山下誠さん

当選者は、展示室で発表しています。