次へ
次へ
詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱

くるくる展示室 No.389 菅野哲郎さん

くるくるおもちゃ箱
くるくるおもちゃ箱

棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
馬を近づける 30手台

くるくる展示室No.389 菅野哲郎

持駒銀4枚と豊富なものの、87に潜られては捕まらないので、初手は21角成の一手でしょう。 それに対し86玉か75玉。 86玉には75銀と捨てるしかなさそうなので、銀1枚使わせる分有利ですから、86玉と逃げます。 ここで77金と取るのは、同玉、22馬、67玉で逃げ出されます。

75銀、同玉に65馬で簡単と思いきや、よく見ると98の角が利いています。 64銀と打っても、74玉、75銀打、83玉、74銀打、94玉でどうにもならず。 そこで31馬と寄るのがいい手で、74玉なら64馬、83玉、82桂成、94玉、83銀まで。 76玉と元に戻るしかありません。

  21角成、86玉、75銀、同玉、31馬、76玉、

今度は32馬とすれば馬を一つ近づけることができます。 そう、おなじみの馬ノコですね! 銀はまだ3枚残っているので、続けて近づきましょう。

  32馬、86玉、75銀、同玉、42馬、76玉、
  43馬、86玉、75銀、同玉、53馬、76玉、
  54馬、86玉、75銀、同玉、64馬、76玉、
  65馬、86玉、

銀はなくなってしまいましたが、馬が65まで近づくことに成功しました。 近づいたら何が変わったか。 そう、最初に読んだ77金の筋で、22馬が66馬になるので、67の香を取られなくなっったのですね。

  77金、同玉、66馬、87玉、88金、86玉、77金 まで33手

くるくる展示室 No.115

銀を捨てながらの馬ノコでした。

馬ノコで玉が3カ所のマスを動くのは九代大橋宗桂の舞玉77番をはじめとしてよく作られていますが、捨て駒で玉を移動させるのは珍しい。 歩を捨てるのは黒川一郎「芳流閣」 (将棋雑記黒川一郎研究61参照) など前例があるものの、銀捨ての馬ノコは初めてです。

なお、菅野さんは金捨ての馬ノコ(くる展 No.115、右図)も発表しています(これも初めて)。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

山下誠さん:
銀を消費しながら近づく面白い馬鋸。並べて楽しい。
本間瑞生さん:
66馬を実現させるということかー
米澤歩登さん:
馬を近づけるために銀四枚使うとは贅沢!
蛇塚の坂本さん:
1二角が左隅まで近づくとは驚く。
S.Kimuraさん:
74から逃げ出されると勘違いして,随分悩んでいました.
原田雄二さん:
角成(馬)を徐々に近づける。
小山邦明さん:
馬の玉へ近寄っていく移動が銀4枚でうまく実現できている。
津久井康雄さん:
98角がよく利いていて、最後まで安易に近づけない。
占魚亭さん:
銀捨ての味が良い。
おかもとさん:
63桂はなにかと思ったら、余詰防ぎでしたか。

配置がもう少し軽くできるとよいのですが、変化紛れが微妙で難しそうです。

ぬさん:
1サイクルで銀を捨てる分、4回が上限なのが惜しい。
池田俊哉さん:
87に落とさないよう玉を引っ張り上げる。 ちょっとだけ守備駒がうるさく感じてしまうが仕方ないか
ハマGさん:
一息一息入れつつノコ切り

くるくる展示室No.389 解答:14名 全員正解

  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  おかもとさん  小山邦明さん
  占魚亭さん  高田明浩さん  津久井康雄さん  ぬさん
  ハマGさん  原田雄二さん  蛇塚の坂本さん  本間瑞生さん
  山下誠さん  米澤歩登さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。