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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱

くるくる展示室 No.375 本間晨一さん

くるくるおもちゃ箱
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
桂は全て捨てる 40手台

くるくる展示室No.375 本間晨一

一見して横送り趣向の初形。 83飛と73金は右への金追いを予想させますが、3段目は銀や歩がガードしています。 くるくるおもちゃ箱の第5章 お供がいっぱい で紹介している 「あらかじめ受方のL駒が配置されている移動趣向」のパターンですね。

L駒(ローカル駒)とは、各サイクルごとに用意されている駒のこと。 受方のL駒は一般に移動させまいとして守っていることが多いので、詰方はそれを動かしたり取ってしまったりします。

さて、2段目の歩と4段目の銀のダブルガードをどうはずすか。 銀は歩を打って5段目に移動させれば3段目の守りをはずすことができそうです。 3段目には詰方のL駒である桂が利いているので、これを捨てれば2段目の歩を動かして取ってしまうことができそうですね。

それでは実際に手順を組み立ててみましょう。 65歩、同銀とさせたいのですが、65には74の金も利いています。 そこで、趣向を始める前に、まずこの金をはがします。

  74金、同玉、73金、64玉、

これで銀を動かせるようになりました。 65歩、同銀、63桂成、同歩、同金となれば、右に1路移動させることに成功・・・ですが、この順は63桂成に54玉と逃げられて失敗。 63桂成から先に行くのが正解です。

  63桂成、同歩、65歩、同銀、63金、54玉、

63桂成に同銀なら取って頭銀までなので同歩の一手で、予定通り1路右に移動させることができました。 ということで、ここからはお楽しみタイム。

  53桂成、同歩、55歩、同銀、53金、44玉、
  43桂成、同歩、45歩、同銀、43金、34玉、
  33桂成、同歩、35歩、同銀、33金、24玉、

これで4枚の桂はすべて消えて、ここからは収束でしょうか。

  23金、同金、25香、34玉、23飛成、44玉、

おや、またまた趣向が始まりそうです。

  43金、54玉、53金、64玉、63金、74玉、
  73金、84玉、83金、94玉、

ここからが本当の収束。

  95歩、94玉、93金、84玉、83龍 まで49手

作者「前半は、「桂成捨て、同歩、歩打、同銀、金寄、玉寄」の6手×4サイクルによるくるくるです。 後半は金追いで、飛車が最初の場所に龍として戻り詰みとなります。 後半はよくある金追い手順ですが、前半のくるくる部分がメインテーマの手順です。 全体的に手順はやさしくて難しいところはないと思います。」

銀歩2種のガードをはずしながらの横送りのメイン趣向から金追いで折り返す往復趣向でした。 銀以外はきれいに捌けるので、解後感はいいですね。

本作より少し単純化した趣向ですが、よく似た構成の作品が昔作られているので、参考に紹介しましょう。

風ぐるま1955年3月に発表された村木徳さんの作品。 本間作と比べると桂の成捨てがありませんが、メイン趣向のあと金追いになるのは同様の構成で、村木作は更にもう一度金追いが入ります。

棋譜ファイルを置いておきますので、こちらもご鑑賞ください。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

蛇塚の坂本さん:
桂と歩が綺麗に捌け、金と飛の連携金の動きが綺麗なのが、面白い。
長谷繁蔵さん:
もう一度もどったににビックリ
2代目菅野
山下誠さん:
前半は桂を成って歩をたたいて金を寄る着実なリズム。 後半は金寄りでスピーディに玉を追い込む。
S.Kimuraさん:
玉が1筋まで行って終わりかと思いきや,復路もあるのは予想外でした..
小山邦明さん:
わかりやすい繰り返し手順で解後感良。
たくぼんさん:
先に桂を成るのがポイントでしたね。
原田雄二さん:
金2枚、桂4枚、歩6枚捨てて49手詰。
嵐田保夫さん:
これは詰あがりが戌か亥か何かの炙り出しかな。

あぶり出しではありませんが、なんとなく何かの形みたいですね。

津久井康雄さん:
四銀が配置からそろって一段上がった詰上がり図がきれいで面白い。
きたさん:
先に桂を捨てるのが良い
鳥本敦史さん:
趣向に入るまでずいぶん考えてしまいましたが楽しく解けました。 往復ものとは意外。
おかもとさん:
これもきれいに往復して気持ちがいい。
ハマGさん:
調子よい6拍子、2拍子
池田俊哉さん:
横移動一往復。 往きの桂捨てと歩打ちのタイミングが面白く、折り返しもシンプルな構成で面白い
占魚亭さん:
趣向部が楽しく、還元飛になるのも良いですね。

くるくる展示室No.375 解答:19名 全員正解

  赤井秀雄さん  嵐田保夫さん  池田俊哉さん  ウリンチャージさん
  S.Kimuraさん  おかもとさん  川端潤さん  きたさん
  小山邦明さん  占魚亭さん  たくぼんさん  津久井康雄さん
  鳥本敦史さん  長谷繁蔵さん  ハマGさん  原田雄二さん
  蛇塚の坂本さん  山下数毅さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。