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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱
くるくる展示室 No.354 山崎健さん
くるくるおもちゃ箱
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
馬ノコタイミング非限定 140手台

くるくる展示室No.354 山崎健 今回の新春くるくる特集では馬ノコ作品が3つ揃いました。 それぞれ違ったタイプの馬ノコなので、ぜひ鑑賞してお楽しみください。

トリを飾る本作は「馬追い×馬ノコ」というおもしろい馬ノコ。
馬追いといっても、単純な一方向の馬追いではなく、玉が
  88玉−77玉−76玉−85玉−84玉−73玉
というレーンを行ったり来たりする、ちょっと不思議な馬追いです。

作者 「やよいさんの「草枕」の馬追いに馬ノコをかけました。
 どうしても、馬ノコタイミング非限定を消せませんでした。」


やよい「草枕」の玉の軌跡 やよいさんの「草枕」(詰パラ2013年6月)は、右図のように玉が斜めにも縦横にも動くおもしろい軌跡で、 それを追いかける馬の王手も、密着する王手だけでなく、離れた王手も組み合わせて巧みに追っていきます。

この追い方の馬追いは、菅野哲郎さんの「走馬燈」(くるくる展示室No.153)で八角形の回転型の軌跡で登場していますが、 やよいさんの「草枕」では往復型の追い方になっています。

本作はその馬追いに馬ノコをかけたものということで、34の角が馬になって馬ノコします。
馬ノコの目的はもちろん11歩の入手ですね。
まずは馬追いで、角が成れるようにセットアップしましょう。

 「67馬、88玉、89馬、77玉、99馬、76玉、66馬、85玉、
  67馬、84玉、94馬、73玉、72馬、84玉、62馬、85玉、
  95馬、76玉、43角成、54と、94馬、77玉、33馬、44と、」

6手目の往路の76玉で43角成は85玉でダメ。 復路の76玉で初めて43角成が可能になります。
33馬のタイミングは上記では復路の77玉のときにしていますが、67馬、88玉、89馬、77玉として、次のサイクルの往路の77玉のときでも可能 (馬ノコタイミング非限定)。

この24手1サイクルの手順を、例によって A(43角成、33馬) と記述することにしましょう。

  A(43角成、33馬)
  A(32馬、22馬)
  A(21馬、
11馬


11歩の入手に成功。 このあと収束に備えて馬を近づける必要があります。

  A(21馬、22馬)
  A(32馬、33馬)

ここまで24×5=120手。 以下、最後のサイクルで途中から収束に入ります。

  67馬、88玉、89馬、77玉、99馬、76玉、66馬、85玉、
  67馬、84玉、94馬、73玉、

ここから収束。

  74香、同玉、66桂、73玉、72銀成、63玉、64歩、53玉、
  54歩、同と、43金(馬) まで143手

最後の3手を見れば、11歩を入手したワケも33馬まで戻したワケも一目瞭然ですね。
往復馬追い×往復馬ノコと2枚の馬が大活躍するおもしろい趣向詰でした。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

占魚亭さん:
馬追い+馬鋸パズル。収束があっさりしている所も良いですね。
山下誠さん:
18手一組の左馬の動きが優雅で楽しめる馬鋸。馬鋸の目的が明確なのも良い。
ぬさん:
非限定(収束も?)を何とかすれば、詰パラ本誌で通用しそう。
原田雄二さん:
133手目74香で歩を入手して詰むと思いました。
おかもとさん:
くるくるにはもったいないような……非限定があるからかな?
池田俊哉さん:
合効かずの単騎馬追い+複式馬鋸。確かに右上馬の王手タイミングは非限定ではあるが、これは仕方ないところかと。 75香が収束に入るための駒と分からずちょっと悩む
小山邦明さん:
複雑な印象を持つ馬の動きでした。

くるくる展示室No.354 解答:8名 全員正解

  赤井秀雄さん  池田俊哉さん  おかもとさん  小山邦明さん  占魚亭さん
  ぬさん  原田雄二さん  山下誠さん

当選者は、展示室で発表しています。