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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱

くるくる展示室 No.355
金少桂さん 「二足歩行」

くるくるおもちゃ箱
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
10手台。くるくるおもちゃ箱ではやさしく楽しい趣向詰を出題

くるくる展示室No.355 金少桂 音楽のように手順に繰り返しを含む「趣向詰」は、解いても並べても楽しいものですが、昔はやさしい作品が評価されないことがあり、 難しい序や収束を付けたりすることもよくありました。 くるくるおもちゃ箱は、序や収束、変化や紛れなどをなるべく抑えて、純粋に趣向を楽しんでもらおうという、やさしい趣向詰のコーナーです。

本作も初手から趣向が始まります。

作者 「2枚のG駒による追い趣向で、タイトルは手順のヒントでもあります。」

趣向の繰り返しの中で、同じ駒が使われているときグローバル駒(G駒)、サイクル毎に同種の別な駒がつかわれているときローカル駒(L駒)と呼びます。 2枚のG駒で追う趣向で一番多いのは飛と龍の2枚で追うもので、古図式にも数作見ることができます(養真29番など)。

本作は39の馬と29の銀による2枚追い。 馬と銀による2枚追いは本作が初めてです。

初手38馬に対して26玉と17玉の二つの逃げ方がありますが、26玉には28香と打って簡単。 この28香を打たせないために、いったん17玉と逃げて、28銀とさせてから26玉と逃げるのが巧妙な逃げ方。 こうすると銀が邪魔駒になって28香が打てないのですね。 シンプルな仕組みで、馬と銀による「二足歩行」が実現しているのには感心。 それでは手順を楽しみましょう。

  38馬、17玉、28銀、26玉、
  37馬、16玉、27銀、25玉、
  36馬、15玉、26銀、24玉、

もう1回繰り返したいところですが、それは32の飛が浮いているので失敗。 ここから収束に入ります。

  22飛成、34玉、35銀、43玉、44香 まで17手

解く気になる簡潔な配置。 序はなく、収束も最小限。 変化もシンプルで馬銀追いという新鮮な趣向が楽しめるという、くるくるのお手本のような作品でした。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

鳥本敦史さん:
題名がピッタリ。
蛇塚の坂本さん:
馬と銀の二足歩行が如何にもユーモラスに見えました。
山下誠さん:
持駒の香車の威力で角銀の協力がうまくいく。なかなか楽しい趣向です。
長谷繁蔵さん:
初手28銀など紛れ多く、馬銀二足歩行になるまで苦戦
13手目25香から21香成かと思った。

21香成に24玉なら詰みますが23玉で逃れ。

小山邦明さん:
最終手の香打を、うっかり玉から離して打つと45中合等で54玉と逃げられる。

最終手もしっかり限定されているわけですね。

津久井康雄さん:
題名で作意の見当がつきました。シンプルな配置で楽しい動きだと思います。
S.Kimuraさん:
動きが二足歩行らしくて良かったのですが,5段目も二足歩行しようとして,身動きが取れなくなりました.
池田俊哉さん:
馬だけでなく、わざわざ銀も近づけるように逃げる玉がユーモラス
占魚亭さん:
13手目22飛成の変調がいい味。
変寝夢さん:
調子に乗って35馬だと失敗なのですね。
22飛成が盲点でした。最終手離し打つと・・・
ハマGさん:
角さん、お銀さんを連れて着実な歩み

22飛成まで19手解。 13手目25香と打ったのかな。 惜しい。

市橋宗士さん:
最後はいわゆる短香、離すと不詰め。
馬と銀の「よちよち」歩行が命名の由来でしょうか、ユーモラスな手順。
最終数手がまさに詰棋ならではと思います。(正解だといいんですが)

大丈夫。 正解です。

波多野賢太郎さん:
「二足歩行」というタイトルがぴったりの手順で楽しかったです。
攻めダルマンさん:
馬と銀の手順面白いですね。

くるくる展示室No.355 解答:15名 正解14名

  池田俊哉さん  市橋宗士さん  S.Kimuraさん  キリギリスさん
  小山邦明さん  攻めダルマンさん  占魚亭さん  津久井康雄さん
  鳥本敦史さん  長谷繁蔵さん  波多野賢太郎さん  蛇塚の坂本さん
  変寝夢さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。