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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱
くるくる展示室 No.329 山口成夫さん
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
とどめは金打ち 20手台

くるくる展示室No.329 山口成夫

持駒銀4枚で、上から打つか下から打つか。 84銀から83銀成と押さえるのは、82玉から71、62、53と逃げだされて失敗。 82銀、83銀と打っていくしかなさそうです。

  82銀、94玉、83銀、95玉、84銀、96玉、85銀、97玉、

88金から追い戻せますが、銀4枚取られて、83金、71玉で詰みそうにありません。 さて、どうしたら・・・

出題コメントの「とどめは金打ち」が大きなヒント。 金を打つには金を取らなければなりません。 取れそうな金は65の金だけ。 盤面を広く見ると、67桂がいなくなれば65香と取れるのがわかります。 ということは・・・

  79角同桂成

そう、ここで角を捨てれば67桂をどけることができます。 あとは予定通りのお楽しみ。

  88金、86玉、87金、85玉、86金、84玉、85金、83玉、、
  84金、82玉、83金、71玉、

ここまでくれば、あとは収束。 5手詰です。

  61歩成、同玉、65香、同と、72金 まで27手

作者 「前回採用していただいた四金追戻詰の姉妹局の四銀追戻詰を送らせていただきます。
4枚の銀を並べて打って、それらを順に消去していく趣向は、私の知る限り。
横型では、駒場和男氏の「ゆめまぼろし百番」の16番「いつか来た道」がありますが、縦型では見たことがないで作ってみました(あったらすみません)。
この形は頭から銀を打つ手も考えられるので、それを詰まないように作意だけを成立させるのに、苦心しました。
7九角の一手が入ったことで辛うじて作品になったと思います。」


駒場和男氏のゆめもぼろし百番第16番「いつか来た道」6番は右図。
(詰パラ1999年10月発表時は題名なし)

17馬、同玉、44馬、18玉、17馬、同玉と2枚馬を捨てる序から、27金〜29金と銀を取って趣向に入ります。 銀4枚打って、それが金追いで消えていくところ、まさに四銀追戻詰ですね。 棋譜ファイルを載せておきますので、あわせてご鑑賞ください。

くるくる展示室No.329参考図 駒場和男 棋譜ファイル

縦型の四銀追戻詰は確かに前例がないようです。 考えた人はいると思いますが、84銀から83銀成といく紛れと、84金から83金といく作意の差を付けるのが難しかったのかもしれません。 本作では折り返しで79角と捨て香筋を通すことで紛れとの差を付け、初めての縦型四銀追戻詰を実現しました。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

山下誠さん:
7九角が折り返し前のちょっとしたアクセント。8八金からの単騎突進は愉快そのもの。
蛇塚の坂本さん:
銀の連続打ちから玉の上下運動で銀が全て消えるところが面白いと思いました。
小山邦明さん:
収束形をどうするかを考えた中での79角の手がひかります。
占魚亭さん:
香の利きを通すアシストの79角が気持ちのいい一手。
S.Kimuraさん:
9手目に88金としてしまい,詰まなくてしばらく悩んでいました.
原田雄二さん:
79角で桂を成らせておけば、69香の筋が通り65香を狙うことができます。
ぬさん:
これは考えたことがありますが、玉頭から銀を打つ余詰でうまくいきませんでした。
角捨てはうまい解決方法だと思いました。
おかもとさん:
角捨てがちょっとしたアクセント。51香は歩でもよさそうですが。

歩でもよさそうですね。

藤田卓志さん:
行きは銀打、帰りは金追い、気分良し。
波多野賢太郎さん:
「トドメは金打ち」が大ヒントになりました。四連打した銀が結局取られて消えるのでスッキリしました。
Pathfinderさん:
そして銀は皆消える。
ハマGさん:
79角が深謀遠慮。これに対する88合変化でしばし立ち止まりました。

同金、86玉、97金の両王手で詰み。

攻めダルマンさん:
銀から金にバトンタッチですね。
隅の老人Bさん:
楽しい手順の中に隠された謎。名探偵の登場です。
池田俊哉さん:
四銀追い戻り詰。香筋を通す角捨てのタイミングが良い
嵐田保夫さん:
7九角の深謀遠慮が心地いい。

くるくる展示室No.329 解答:18名 全員正解

  赤井秀雄さん  嵐田保夫さん  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  おかもとさん
  キリギリスさん  小山邦明さん  隅の老人Bさん  攻めダルマンさん  占魚亭さん
  ぬさん  Pathfinderさん  波多野賢太郎さん  ハマGさん  原田雄二さん
  藤田卓志さん  蛇塚の坂本さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。