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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱
くるくる展示室 No.320 金少桂さん
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
とどめは香 20手台

くるくる展示室No.320 金少桂

23に桂があり、11桂、31桂も23に利いています。 こういう配置は「はがし趣向」の特徴。 はがし趣向は受方の複数の駒を一つのマスで順に取っていく趣向で、江戸時代から作られています。 くるくるおもちゃ箱では未紹介ですが、 くるくる展示室ではNo.4No.12など何作か出題してきました。

本作では23が焦点なので、23で桂をはがす趣向だろうと予想できます。 桂を取るといっても、23飛成とか乱暴をしては続かないので、持駒の桂を使って23桂を取ることを考えましょう。 25桂から33桂成と空き王手すれば、次に23成桂と取れそうです。

  25桂、14玉、33桂成、13玉、23成桂、同桂、

23成桂は11桂、31桂、22成香の3枚のいずれでも取ることができますが、同じ手順で取られる運命で、香を取られてはすぐ詰んでしまうので、延命のため桂で取ります。 同桂左、同桂右はどちらでもかまいません。 はがし趣向では同種の駒をはがすので、順番は非限定のことが多いのです。

23の駒を取るパターンが見つかったら、あとは繰り返して全部取ってしまいましょう。

  25桂、14玉、33桂成、13玉、23成桂、同桂、
  25桂、14玉、33桂成、13玉、23成桂、同成香、
  25桂、14玉、33桂成、13玉、23成桂、同香、
  14香 まで25手

作者 「桂を用いたシンプルなはがし趣向です。最大限4回繰り返してみました。
桂を3枚はがしてから、最後に成香をはがして収束します。
最後に剥がす駒を成香にしたのは最終手余詰を嫌ってのものです。
また、桂をはがす順番は非限定(変化同手数)です。」


桂打、桂成、成桂で取る6手パターンで桂をはがす軽快なはがし趣向作品でした。

はがし趣向は、はがす駒の種別やはがし方でいろいろなパターンを作ることができ、また、ほかの趣向と組み合わせることもしやすい、発展性のある趣向です。 例えば有名な図巧100番「寿」も龍追い、持駒変換と組み合わせたはがし趣向ですね。

参考図 平井康雄 本作の趣向はシンプルなパターンなので、作例が多いかと思いましたが、データベースで検索してみたら、1作しかありませんでした。

平井康雄さんの作品(詰パラ1979年9月)。 同じ趣向でも、しっかりした序、収束を付けて49手、大学に出題された作品です。 棋譜ファイルを掲載しておきますので、あわせてご鑑賞ください。

くるくる展示室No.320参考図 平井康雄 棋譜ファイル

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

陽気なわらしべ長者さん:
梅干を食べた位スッキリとした感じです。
山下誠さん:
持駒の桂馬は1枚なのに4回も同じ場所に打てるとは。文句なしに面白いです。
蛇塚の坂本さん:
桂と玉の追いかけっこが面白いと思った。
占魚亭さん:
楽しい剥がし。成香配置は仕方なし、ですか。
波多野賢太郎さん:
桂馬を打って成って交換するという趣向がとても分かりやすく表現されていますね。
小山邦明さん:
22成香配置は好みではないが、手順はくるくるにぴったりの作品
Pathfinderさん:
桂馬を剥がすために33に成桂を据える。手順も明快で爽快感バツグンです。
渡辺さん:
綺麗に剥れていきます。
S.Kimuraさん:
初形の22は,金でも良さそうに見えますが,わざわざ成香にしたのはなぜでしょうか.

作者のことばの通り、最終手余詰を嫌ってのもの。 成香配置と最終手余詰のどちらを気にするかは作者によってわかれそうですね。

長谷繁蔵さん:
面白い面白い。
隅の老人Bさん:
15手あまりで3桂を使い果たして成香残る、こんな科白があったかな。
ハマGさん:
王様懸垂お疲れ様でした。
22を生香だと早とちりしてしばらく考えこみました。
池田俊哉さん:
香が必要な攻め方にいらない桂をどんどん渡していく。23成香は25に効かさないためなんですね
攻めダルマンさん:
やっぱりもう少し何か欲しい。
小嶋拓治さん:
初志貫徹ですね。
嵐田保夫さん:
何の変哲も無いが、素朴さが味か。

くるくる展示室No.320 解答:18名 全員正解

  嵐田保夫さん  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  キリギリスさん  小嶋拓治さん
  小山邦明さん  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん  攻めダルマンさん  占魚亭さん
  Pathfinderさん  長谷繁蔵さん  波多野賢太郎さん  ハマGさん  蛇塚の坂本さん
  山下誠さん  陽気なわらしべ長者さん  渡辺さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。