No.3に続いて、鳥本敦史さんの趣向詰。
8筋の香に持駒銀歩16とあれば、有名な「銀歩送り」を思い浮かべます。
だけど、上辺の銀3枚はなんでしょう? これは「銀のはがし趣向」みたいな配置ですね。
そう、本局は形からの想像通り、「銀歩送り」を繰り返しながら銀を1枚ずつはがしていく複合趣向詰です。
- 作者(鳥本敦史さん):
- 銀歩送りです。将棋妙案71をヒントに(そのままという説も)とにかく銀歩送り三昧にしてみました。
81手!と自作で最長手数ですが盤駒なしで解けてしまいます。
玉方の応手で銀を取られたときの箇所(30手目)が非限定です。
紛れとしては馬を剥がす際(21手目、47手目)に81銀生〜92歩とすると不詰になるといったところぐらいです。
持駒歩18枚にならなかったのがほんのちょっとだけ残念。
この複合趣向自体は、将棋妙案71番がオリジナルですが、その萌芽は将棋勇略35番にあり、 その後もこの趣向をテーマにした作品はいろいろ創作されています。
本局は、趣向自体にスポットをあてて最大限に強調、そしていかにも解きたくなるすっきりした初形と、
「くるくる」で出題できる形にしたところに存在意義があります。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 護堂浩之さん:
- ……この構成には、既視感がある。
確かに、馬が2枚あったかどうかはウロ覚えだが――。
趣向詰の研究で知られる護堂さん、さすがに慧眼です。
- たくぼんさん:
- 簡素な初形から、気持ちよい銀歩送り趣向が繰り広げられる。 楽しい作品。
8二歩合が入るかと思いましたが、そんな意地悪じゃないんですね。
そんな意地悪な作品は「くるくる」ではボツです(^^;
- 涼秋さん:
- 銀で上がって角で下がって,玉がエレベーターに乗っている様で並べて楽しい作品ですね。
- S.Kimuraさん:
- 玉を下に戻す方法が分からず悩みました.
最初は81角と打って銀を奪うのかと思いましたが,
71角→62角成→63馬に気付いたときは感動しました.
- 谷口翔太+今川健一さん:
- 孫 「昇ったり、下ったりのエレベーター。 これなら僕でも大丈夫。」
爺 「持駒歩18で初めたかった。 あと1枚、口惜しいね。」
- 井上徹也さん:
- このシンプルな形から素晴らしい趣向、堪能しました。 くるくるにはもったいない?(笑)
いやいや、くるくるにぴったりの作品でしょう(^^)
- 井上順一さん:
- 先日、自分の名前でGoogle検索したところ、昔カピタンで解答した箇所がヒットしてこのサイトにたどりつきました。
8筋・9筋はよく見る形だが、馬と銀を配置して往復させるのがうまい。
お久しぶりです。Webでもよろしくお願いします。
- 市原誠さん:
- エレベーターみたいで面白かった。
- 岡村孝雄さん:
- 銀歩送りで成銀を取るのでなく、一旦馬を入手してから銀が攻方に戻る。
ありそうで無かった組み立てでしょうか?
- 近藤真一さん:
- 作者にも示しましたが、次図がこの趣向の決定版でしょう。
作者はこの作品を知らずに作ったそうです。
信太弘 詰パラH11.03 97手
これは本格的な展開ですね。上級者コース。
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