初手は18金の一手で、26玉に37とと飛を取って、同玉、17飛と打てば舞台作りは完了。
さて、どんな趣向が始まるのかな。
18金、26玉、37と、同玉、17飛、36玉、
27金、47玉、37金、57玉、47金と金追いできますが、77金、96玉と端までいったところで手が止まります。
95桂が利いているので87金はダメ、97歩、同玉、78金とかしても96玉でどうにもなりません。
96玉のとき、「六段目の香と桂が全部なかったら16飛で桂が取れるんだがなあ」と想像できるかどうかが、解図の鍵。
そう、香桂香桂香と並んだ駒は、すべて邪魔駒なんです。
でも、どうやったら消せるのでしょうか。
答えは案外簡単で、27金、47玉のとき28金と引けば46玉の一手で46の香が消えます。
以下も同じようにすれば5枚全部消去できるわけですね。
ということで進めると、「あっ、これは金ノコ追いだ」。
題名の意味が分かります。
27金、47玉、28金、46玉、
37金、57玉、38金、56玉、
47金、67玉、48金、66玉、
57金、77玉、58金、76玉、
67金、87玉、68金、86玉、
これで5枚すべて消えました。 あとは予定通りの収束。 飛が消えるのは解後感よし。
77金、96玉、16飛、同歩、88桂 まで31手
金ノコ追いはくるくるNo.15で紹介している斜め下に追うパターンが普通で、横追いは比較的少なく、
また、これまでの横金ノコ追いは2枚飛車の空き王手を利用しているので、本作の直接王手+空き王手の横金ノコ追いは初めてでしょうか。
すぐに金追いできるので、邪魔駒消去のためにノコ追いしなければいけない、というのはおもしろい
金追いはくるくるおもちゃ箱で11通りのパターンを紹介していますが、金ノコ追いもまだいろいろなパターンがありそうです。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 山下誠さん:
- 稲妻を描きながら、金が執拗に玉を追いかける
- 金少桂さん:
- まずは素直に進めて17手目77金に96玉と逃げて、これ以上金が進めず、折り返せそうにもなく、『???』
ここでふと盤を広くみたら、16の桂に目が留まり、六段目の桂香も全部邪魔だと気づいた。
攻方の歩香桂を全部取らせるための金鋸追いが軌跡も含めて斬新で面白かった。
- 蛇塚の坂本さん:
- 玉が駒を取っていって飛が決めるのはNo.300と同じだが、最終に飛が消え小駒だけで、仕留めるのがサッバリ。
- 長谷繁蔵さん:
- 面白い筋を見つけるものです。上手いもんですなあー
- ぬさん:
- 捨合をうまく割り切っていると思います。
- 小山邦明さん:
- 16に質駒の桂があった。
- 隅の老人Bさん:
- 素直に金で王を追うと最後に16桂が取れません。
そこで、金引きで邪魔駒消去、上手い構想ですね。
- キリギリスさん:
- 確かに金が押し寄せる波のよう。
- S.Kimuraさん:
- 金で波を起こして,6段目と7段目の駒を消していくのが良いですね.
- 攻めダルマンさん:
- こういう邪魔駒消去は何度か見た事ある気がするが、手口が巧妙でタイトルもピッタリですね。
- 占魚亭さん:
- 波乗りする王様。
- 池田俊哉さん:
- 邪魔駒消去のための金鋸、護堂氏の研究にも無かったかも知れない。
これもいったんまっすぐ9筋まで追ってみるのがお約束
- 馬屋原剛さん:
- わざわざ6段目の駒をとらせるのが非常に面白い。
ただ、25手目に中合で変同か。
馬屋原さん、するどい。
実は、本作2009年の投稿で、原図は中合で変長のため保留になっていたのを修正して、今回の特集に合わせて出題したものです。
作意は明瞭なので、変同はご容赦。
- Pathfinderさん:
- 金で素直に追うと詰まない。まさかの香桂全てが邪魔駒。それらの消去法がとても面白かったです。
- やぶいりさん:
- ノコではなく波ですか
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