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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱
くるくる展示室 No.286 菅野哲郎さん
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
バトンタッチ 90手台

くるくる展示室No.286 菅野哲郎

斜め送りの趣向の舞台が見えています。 まずは、と金をさばいて主役の馬を登場させましょう。

  27と、同玉、38と、17玉、27と、同玉、
  49馬、37玉、38馬、46玉、

馬を38に据えて準備は完了。 さて、どんな趣向になるのでしょうか。
馬で単純に追うにはと金が邪魔ですね。 幸い、こちらにも金がいるので、交換して消していきましょう。

  56金、同と、同馬、37玉、38馬、46玉、47馬、55玉、

これで、無事斜めに一つ進めました。
馬の動きがユニークで、同じ作者の「尺取虫」を思い出した人もいるかもしれません。
はがし送りは、「La打−同Lb−同G−玉」の4手サイクルが一般的(くるくるNo.151No.153No.159など)ですが、本作では、同馬のとき玉がいったん戻ってしまうので、「La−同Lb−同G−玉−G−玉−G−玉」の8手サイクルになっています。

配置からして、もう3回行けそうですね。 続けて楽しみましょう。

  65金、同と、同馬、46玉、47馬、55玉、56馬、64玉、
  74金、同と、同馬、55玉、56馬、64玉、65馬、73玉、
  83金、同と、同馬、64玉、(65馬、73玉、74馬、82玉、・・・ダメ!)

4回目もこれまでと同様、65馬から74馬と追えるのですが、持駒歩4枚ではどうにも詰みそうにありません。
ちょっと困ったときに思い出すのが出題コメントの「バトンタッチ」。 といっても馬に代わる駒なんて、どこにいるんでしょうか。 見つからないのも当然で、バトンを渡す相手はまだ敵の駒で盤の隅っこにいるのです。 そう、11の飛ですね。 バトンタッチするために、もう一度右下の方に戻りましょう。

  74馬、55玉、65馬、46玉、56馬、37玉、47馬、28玉、
  38馬、17玉、

ここまで来ると、飛車へのバトンタッチの仕方が見えてきます。

  16と、同飛、同馬、同玉、13飛、27玉、18飛成、37玉、

パワーアップした龍で、再び左上に向かいましょう。

  38龍、46玉、47龍、55玉、56龍、64玉、65龍、73玉、
  74龍、82玉、83龍、91玉、

92歩は二歩で打てず、馬ではどうしようもなかったのですが、龍ならここで81龍と切る手があります。
1往復半の趣向もここで終了。 収束に入ります。

  81龍!、同玉、92銀、72玉、83銀成、81玉、82歩、71玉、
  72歩、同銀、同成銀、同玉、83銀、73玉、74銀成、82玉、
  83成銀、71玉、72歩、81玉、82歩、91玉、92成銀 まで91手

馬のはがし送り+馬追い+龍追いで1往復半。 くるくるとしては収束が長いのが玉に瑕ですが、2ヶ月出題ということと、作者の次の狙いがあるので、そのまま出題させていただきました。

作者 「「91玉」の位置で詰む91手詰」

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

小山邦明さん:
前半は押しては返すような手順で中間部では実にきれいなリレーのバトンタッチでした。
山下誠さん:
金を捌きながら馬で網を絞って終わりと思いきや、龍にバトンタッチ。
占魚亭さん:
第一走者の馬の動きが好きです。
ぬさん:
馬だと絶対詰まないので龍で。
龍でも(収束見えなくて)なかなか詰まなかったけど……
高田明浩さん:
飛車の威力が大きいのを改めて感じました。
隅の老人Bさん:
4枚の金を消して、まず一往復。続いて馬から竜へバトンタッチ。
手駒の歩を使って最後の攻撃。90手超えの長手順。
ああ疲れたな、これが本音。
S.Kimuraさん:
一往復半あるとは思いませんでした.
収束は自力で解くのは無理でした.
池田俊哉さん:
と金を剥がしながらの馬追い。続いて馬で引きもどしての龍追いへ。
取った歩を消去するためか、くるくるにしては収束が長い?
やぶいりさん:
不動の角が凧を引くみたい。
キリギリスさん:
飛=羊?

馬から飛ツジへのバトンタッチなら年賀詰ですね。

嵐田保夫さん:
洗濯板を思い出した 。はたまた金のマネーロンダリングか。
やまかんさん:
確かにバトンタッチ。飛車取るとは思わなかったうまい。
広瀬稔さん:
最初の馬追は、攻め方の好きなタイミングで切り上げることが出来るけど、
最後の93とまで消してからでないと詰まないのが面白い。

龍ではと金が消せませんものね。


くるくる展示室No.286 解答:14名 全員正解

  嵐田保夫さん  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  キリギリスさん  國吉進さん
  小山邦明さん  隅の老人Bさん  占魚亭さん  高田明浩さん  ぬさん
  広瀬稔さん  やぶいりさん  やまかんさん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。