本作も1筋おきの駒配置、2筋横送り趣向のパターンです。 No.244では飛が送りの要の駒でしたが、本作はその代わりに4枚の香が配置されています。
4段目のと・金から、くるくるNo.82やくるくるNo.111を思い出した人もいるかもしれません。 本作もベースは同様の送り方なのですが、出題コメントにあるように1サイクル16手とかなり長くなっています。
いったいどういう手順で16手になるのか、見ていきましょう。
初手97香に逃げ方は87玉、86玉の2通り。
1) 87玉、88歩、86玉、85金、同玉、95と、86玉、96と、76玉、
これは10手で7筋に移ってしまいました。
2) 86玉、85金、
a) 87玉、88歩、76玉、 これは6手で7筋に。
b) 同玉、95と、86玉、96と、87玉、88歩、76玉、 ?
こうなれば1)と同じですが、96とにすぐに76玉と逃げられると、77香、87玉で打歩詰!
なので、96との前になんとか88歩を打つ必要があります。
b) 同玉、95と、86玉、87歩、同玉、88歩、86玉、96と、76玉、
の12手サイクルなら大丈夫。まだ4手足りませんね。
c) 76玉、75金(77香や75とでは87玉で打歩詰)、86玉、87歩、同玉、
88歩、86玉、85金、同玉、95と、86玉、96と、76玉、
85金にすぐに76玉が打歩詰に誘う巧妙な逃げ方。 これに対して75とではなく75金とするのが、86への利きをなくして打歩詰を回避する好手。 虚虚実実の応酬で16手という長いサイクルになりました。
仕組みが分かれば、あとは楽しむだけ。 一挙にいきましょう。
97香、86玉、85金、76玉、75金、86玉、87歩、同玉、
88歩、86玉、85金、同玉、95と、86玉、96と、76玉、
77香、66玉、65金、56玉、55金、66玉、67歩、同玉、
68歩、66玉、65金、同玉、75と、66玉、76と、56玉、
57香、46玉、45金、36玉、35金、46玉、47歩、同玉、
48歩、46玉、45金、同玉、55と、46玉、56と、36玉、
37香、26玉、25金、16玉、15金、26玉、27歩、同玉、
28歩、26玉、25金、同玉、35と、26玉、36と、16玉、
17歩 まで65手
くるくるには、ちょっと複雑すぎるかと思いましたが、打歩詰をめぐる攻防がおもしろい送り方なので、出題コメントで16手サイクルを明示する形で出題させていただきました。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- nicoholさん:
- いったん隣のラインに逃げる玉寄りが盲点でした。
手数が伏せられていたら自信満々で誤答していました。
- しまぎろうさん:
- 往復の趣向ではないのに、60手超えは素晴らしい!
- キリギリスさん:
- 変化が多くて難しかったです。
- やまかんさん:
- 16手一組が分かるまで一苦労。この玉方の逃げと攻め方の金追いの応酬は面白い。
- ぬさん:
- 玉の最善の逃げ方に迷いました。
- ひろぽんさん:
- 手数が足りないと見直していると打ち歩詰めがあることに気付き、手順を考え直しました。打ち歩詰め回避がおもしろいと思いました。
- 占魚亭さん:
- これぞくるくるという感じで楽しかったです。
- 三輪勝昭さん:
- 逃げ方が難しい。
金で歩を取った時の同玉の手順でも面白いけど、作意はさらに面白い。
- 長谷繁蔵さん:
- 12×4+αとなって再考した。
打歩詰に苦戦。4も面白かったが今月は5の勝ち
- 隅の老人Bさん:
- 難しい手はないが、応手の変化読みで、解くの難儀。
4,5段目がきれいに捌けて、最後は突き歩で気分良し。
- 池田俊哉さん:
- いったん右によれるところが見えづらく短絡してしまうところ。全体的に小駒図式っぽい手順で、19飛が逆に惜しい感じもしてしまう
- 山下誠さん:
- 初形も、手順も、そして詰上がりもきれい!
- S.Kimuraさん:
- 玉の正しい逃げ方が分からなくて苦労しました.
- 名無し名人さん:
- 5手目77香は87玉で打歩詰。それを回避するために回りくどい手順を行うのが面白い。
- やぶいりさん:
- 76玉と75金の出戻りが好手。16x4というヒントがなければ見落としたでしょう。
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