90手台の大長編。 「王手は馬・桂だけ」なので、まずは馬で追いかけてみましょう。
76馬、55玉、66馬、45玉、56馬、35玉、46馬、25玉、
右に追って、ここで方向転換。
36馬、24玉、14馬、33玉、23馬、43玉、
36馬に15玉は14と、16玉、26馬まで。 14馬に35玉は36金まで。
今度は左に行きます。
32馬、53玉、42馬、63玉、52馬、73玉、62馬、83玉、
ここでまた方向転換。
72馬、84玉、94馬、75玉、85馬、65玉、
94馬に73玉と戻るのは、85桂、63玉、72馬、53玉、62馬、43玉、52馬、33玉、42馬まで逆回転して詰み。
さて、1周して戻ってきましたが、85馬で桂を入手したので、持駒に桂が増えています。
このままぐるぐる回っては千日手になってしまうので、もう1周する間にどこかでこの桂を使って打開しなければなりません。
すぐに57桂では、55玉で王手が続かなくてダメ。 桂打に逃げられたとき馬の王手が続く箇所はどこでしょうか。
76馬、55玉、66馬、45玉、56馬、35玉、46馬、25玉、
36馬、24玉、14馬、33玉、23馬、43玉、
33玉のとき25桂、43玉、32馬と行けば馬追いを続けられますが、ぐるっと回ると25玉で桂を取られて、持駒の桂が減っただけ。 これは失敗です。
でも、これはいい線いっています。 玉の軌跡で桂を取られないで、かつ馬追いが続けられる桂打の位置を探せばいいわけです。
32馬、53玉、42馬、63玉、52馬、73玉、62馬、83玉、
72馬、84玉、94馬、75玉、87桂、65玉、
2周目の最後のところにそのポイントがありました。 87桂なら玉に取られることもなく、65玉に76馬と馬追いを続行できます。 87桂と楔を打ち込んだので、玉はもう75には行けなくなりました。
ということは、もう1周すれば・・・
76馬、55玉、66馬、45玉、56馬、35玉、46馬、25玉、
36馬、24玉、14馬、33玉、23馬、43玉、
32馬、53玉、42馬、63玉、52馬、73玉、62馬、83玉、
72馬、84玉、94馬、73玉、
75玉とできないので、94馬には73玉と戻るしかありません。
85桂、63玉、72馬、53玉、62馬、43玉、52馬、33玉、42馬 まで91手
- 作者:
- 少しややこしそうですが意外と単純で、最初は、追いかけながら85の桂馬取る。
その後、取った桂馬を87に打って75を塞ぐ。
次に回ってきたときは84までしか行けなくなり、97の桂馬を跳ねて逆走して収束。というのが大まかな流れです。
ほぼ3周して収束です。
馬の回転追いは、久留島喜内の将棋妙案79番「馬知恵の輪」が元祖。 そのエッセンスを紹介したのがくるくるNo.44です。
本作はそれを横に大きく引き伸ばして、軌跡を野球のダイヤモンドから陸上のトラックにしたような作品。 収束でちょっと逆走が入るのも気がきいていますね。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 凡骨生さん:
- トラックを3周した処で引き返す楽しいジョギング。
- 名城健太郎さん:
- 取った桂馬を87に打つ。
- 焼鳥虫さん:
- 三周回って、逆回りにもう一周。ほほえみがこぼれます。
- キリギリスさん:
- 玉と馬の追いかけっこがおもしろい。
- 三輪勝昭さん:
- これは面白い。ベルトコンベアみたいにぐるぐる回りユーモラス。
何か機構を見付けて何回転もして欲しい気もしますが、85桂を取る打つで3回転弱と半逆回転しているのでお見事。
これぞくるくる展示室と言える作品です。
- やまかんさん:
- 最後あれもう終わりって感じがする。還元玉くらいにならないと不満か。
- きたさん:
- アニメーション表示するとユーモラス。
- やぶいりさん:
- ヒントが強力で何とか解けました。
- しまぎろうさん:
- 桂跳ねが見えず苦戦しました。
- 占魚亭さん:
- シンプルな馬追い。もっと回してほしいと思うのは欲張りでしょうか。
- ぬさん:
- 馬が歩の周りをくるくる。解答を書くときに折り返しをうっかりしてたことに気づきました。
- 池田俊哉さん:
- 「馬レース」に似るが、こちらの方がシンプル。最後逆戻りするところがユーモラス
「馬レース」は詰パラ2010年7月号大学院に発表された馬屋原剛さんの作品。 155手の本格的な知恵の輪です。
|