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詰将棋おもちゃ箱くるくるおもちゃ箱
くるくる展示室 No.174 井上徹也さん(>TETSU)
くるくるおもちゃ箱
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
この作品のくるくる版。20手台
持駒は双方なしです。

井上徹也さんは斬新な趣向詰を続々発表し、2010年には「シンメトリー」で看寿賞を受賞したのも記憶に新しいところ。 詰将棋パラダイス2011年3月号で発表されたこの作品もまた、ユニークな軌跡の龍追いで、2回転しないと1枚はがせない巧みな機構の斬新な作品でした。 本作は、そのユニークな軌跡の龍追いの部分を抽出したものです。

  69龍、88玉、89龍、97玉、

と龍追いが始まります。 81香が利いているので87龍とはできませんが、後手は持駒なしなので、99龍とすると86玉の一手、88龍と追い上げることができます。

  99龍、86玉、88龍、96玉、

88龍に96玉、95玉、75玉と逃げ方が3通りあって、ちょっと迷いますね。 玉を上段の方向に追う龍追いなので、96玉が最長の抵抗で、こうされると詰方はまた98龍、86玉、87龍と攻めるしかありません。

  98龍、86玉、87龍、95玉、

87龍に75玉と逃げる順は、76龍、84玉、85龍、93玉と4手で93まで追えます。 95玉なら1回目とに8手かかるので、こちらが正解です。

  97龍、84玉、86龍、94玉、
  96龍、84玉、85龍、93玉、
  95龍、82玉、84龍、92玉、
  94龍、82玉、83龍、91玉(71玉)、
  93龍(73龍) まで29手

龍がノコギリ型に王手して1段ずつ登っていくユニークな龍ノコ追い趣向でした。

原作
は305手の大作。 本作の手順に続けて右の方に龍追いし、ぐるっと回転して再び追い上げます。 最初62歩の配置が1回転すると72歩に、もう1回転するとまた62歩に変わります。 62歩の状態だと57龍とすると66玉で詰まない(二歩で67歩と打てない)ので、72歩の状態にしないと7段目の駒を取れず、1枚はがすごとに2回転するため、300手超えの超長編になりました。 長手数ですが、ぜひこちらもご鑑賞ください。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

市橋宗士さん:
合駒がないので難しくはない、竜と玉とのちょっと変わった追い駆けっこ。
ronさん:
龍の滝登り?鯉が滝を登り、竜門を登ることができれば龍になるという故事がありますが、最初から龍だと登りきったあと何になるんでしょうね。

中将棋には最初から龍があります。 この駒は成ると飛鷲という超強力な駒に変身します。(中将棋入門参照)

凡骨生さん:
楽しい龍鋸のワルツ。
きたさん:
看寿賞作家の作が簡単に解けるのも、おもちゃ箱の楽しみか。
長谷繁蔵さん:
変同かと悩みました。玉の逃げ方が面白い。井上さんこれからもヨロシク。
池田俊哉さん:
一歩ずつあがっていく「はしご龍鋸」。シンプルで良いがもう少し追ってみたい気もする

たっぷり追いたい方は原作でお楽しみください。

ほいさん:
テーマを抽出ですか。玉が頑張る作品。
鈴木康夫さん:
くるくるには8手目75玉の変化が攻め方76歩
75玉の変化を消した方が親切ですね。 駒が増えるのでどちらがいいかは微妙かも。
やよいさん:
合効かずの龍追いや馬追いというのは、不思議な動きをするものですね。
菅野さん「走馬燈」(くる展No.153)を思い出しました。
「走馬燈」もユニークな軌跡の馬追いでした。
S.Kimuraさん:
合駒がないと面白い動きができますね.
中将棋なら,似たような問題がありそうですか?
中将棋ならもともと持駒がないので、この追い方も同じようにできますね。
隅の老人Bさん:
竜の滝登り。お前とならば何処までも、かな。
DD++さん:
動きのパターン的にこっちに逃げるのが作意?
スイリストにとっては向きは違えどいつもの詰め上がり。
井上順一さん:
玉の逃げ方がおもしろい。意外と手数がかかる。
やまかんさん:
一目見たときの予想手順よりはかなり長い、玉の動きがちょっと面白い。
やきのりさん:
玉が龍をからかっているような面白い動き。
嵐田保夫さん:
香のレーザービームをうまく躱した。
タクさん:
8筋と9筋で結構のらりくらりと逃げられるのですね。
占魚亭さん:
見事なダイジェストです。

くるくる展示室No.174 解答:19名 正解18名

  嵐田保夫さん  池田俊哉さん  市橋宗士さん  井上順一さん  S.Kimuraさん
  きたさん  鈴木康夫さん  隅の老人Bさん  占魚亭さん  タクさん
  DD++さん  長谷繁蔵さん  ほいさん  凡骨生さん  やきのりさん
  やまかんさん  やよいさん  ronさん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。