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くるくる展示室 No.74 菅野哲郎さん 「POLO」
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出題時のコメント:

ポロってこんな競技 100手台


くるくるNo.71で2枚銀の妙技を見せてくれた菅野さん。 本作は更にパワーアップして2枚馬の100手超え。
ポロは競技者が馬に乗って行うホッケーのような競技です。
日本ではあまりなじみがない競技ですが、ポロシャツももともとはポロのウェアだったとか。

盤面いっぱいの100手超えとなれば、普通はちょっと手が出せない感じですが、くるくるだから大丈夫。
とにかく手を進めてみましょう。馬が二枚あるので、55の馬を赤57の馬を青で区別してみます。

  33馬、26玉、35馬、27玉、17馬、37玉、
   (35馬に37玉なら15馬、27玉、17馬まで。合駒がないことに注意)
  15馬、46玉、35馬、55玉、
  33馬、64玉、53馬、73玉、
   (53馬に74玉なら75馬、73玉、55馬、72玉、82金、63玉、64馬まで)
  55馬、84玉、75馬、94玉、93馬、95玉、
   (75馬に95玉なら73馬、94玉、84馬まで)

15にいた玉が2枚馬に追われ、95まで来ました。
ほぼ対称の形なので、左右反対の手順で15に戻ることができます。

  73馬、86玉、75馬、87玉、97馬、77玉、
  95馬、66玉、75馬、55玉、
  73馬、44玉、53馬、33玉、
  55馬、24玉、35馬、14玉、13馬、15玉、

一見、何も変わってないですが、最後に13馬で歩を取れたことに注目。 これが1往復した目的でした。
さて、この歩をどこで使うのか。2回目の馬追いに入りましょう。

  33馬、26玉、35馬、27玉、17馬、37玉、
  15馬、46玉、35馬、55玉、
  33馬、64玉、53馬、73玉、
  55馬、84玉、75馬、94玉、93馬、95玉、

  73馬、86玉、75馬、87玉、97馬、77玉、
  95馬、66玉、67歩、55玉、
   (ここが唯一歩を打てる箇所。47歩は二歩で打てない)
  73馬、44玉、53馬、33玉、
  55馬、24玉、35馬、14玉、13馬、15玉、

67歩を打って66を封鎖できたので、もう1回繰り返すと行き止まりでゴール。

  33馬、26玉、35馬、27玉、17馬、37玉、
  15馬、46玉、35馬、55玉、
  33馬、64玉、53馬、73玉、
  55馬、84玉、75馬、94玉、93馬、95玉、

  73馬、86玉、75馬、87玉、97馬、77玉、
  95馬 まで107手
  (87玉のところ、77玉は95馬、87玉、97馬まで。 同手数なので、こちらも正解です)

1筋から9筋まで使った壮大な2枚馬知恵の輪でした。
67歩以外は最初から最後まで馬の王手で、まさにくるくる。 13歩1枚で2往復半も繰り返す構成はうまいですね。

2枚馬追いは作例が非常に少なく、希少価値のある趣向。
橘仙貼璧2番や酒井桂史の「天馬行空」、最近では今村修さんの「恋するラクダ」など例がないわけではありませんが、本作のスケールと規則性はピカイチ。 くるくるの名作が誕生しました。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

たくぼんさん:
馬が枯野を駆け巡る。馬と玉しか動かないのがいいですね。
長谷繁蔵さん:
馬だけが大活躍。13歩も貴重な1歩か
♪ポロでいじめられても心は錦
凡骨生さん:
馬が交叉して玉を追いかけるは正にポロ(よくは知りませんが…)ですネ。
稲葉上さん:
愚直に一手一手進めてなんとか解けました。
慣れた人なら左右非対称の部分を見つけてすぐ分かる?
嵐田保夫さん:
ポロというよりもパックマンを連想した。
名越健将さん:
13歩のみで3周もするとは得した気分。
中澤照夫さん:
2枚馬による追い手順。13の歩を取って収束に利用する。
これだけシンプルな手順で100手超えはすごい。
吉川慎耶さん:
難しそうに見えたがスイスイ解ける楽しい長編でした。
小林理さん:
そうか、ポロってこういう競技か。
隅の老人Bさん:
POLO、名付けて妙。
追っかけるのは、闇雲流で慣れている。
でも、ゴ−ルは何処?
この暑いのに、よく走る。
辛いねぇ。暑い暑い。
タクさん:
初形で対称性のないところが解くヒントですね。「ポロ」のネーミングも解いていくうちになるほどと感心しました。
S.Kimuraさん:
形が対称でないと思ったら,1四歩を取って6筋に打つという構想だったのですね.

くるくる展示室No.74 解答:13名 全員正解(下記)

  嵐田保夫さん  稲葉上さん  S.Kimuraさん  吉川慎耶さん  小林理さん
  隅の老人Bさん  タクさん  たくぼんさん  躑躅さん  中澤照夫さん
  名越健将さん  長谷繁蔵さん  凡骨生さん    

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。