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詰将棋おもちゃ箱 − くるくるおもちゃ箱 くるくる展示室 No.34 平井孝雄さん |
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歩に挟まれた玉に二枚飛車。この構図は創作意欲をそそるのか、くるくるNo.46の塚田作品をはじめとして、何局も作られています。本局はその中でも53手とトップクラスの長手数。どんな仕組みでこんなに手が伸びるのでしょうか。 飛車が二枚あってややこしいので、左の飛車を赤、右の飛車を青で示すことにしましょう。 詰方の狙いは、この二枚の飛車の間に玉を挟んでしまおうというもの。 例えば55飛・25飛・34玉のように二間の中に追い詰めれば35歩、44玉、45歩で詰みますね。 65飛・25飛・34玉のように三間でも、35歩、44玉、36桂、54玉、55歩で詰み。 75飛・25飛・34玉と四間なら? これでも、35歩、44玉、45歩、54玉、46桂、64玉、65歩で詰み。 玉方は狭まれないように、可能なら端の方に逃げて抵抗します。 25飛、14玉、15飛、24玉、 この段階で二枚の飛車で挟んでいますが、95飛と15飛で七間も離れています。これを少しずつ狭めていきます。 25飛左、34玉、35飛、44玉、45飛、54玉、55飛、64玉、65飛、74玉、75飛、84玉、 85飛、94玉、95飛、84玉、 85飛右、74玉、75飛、64玉、65飛、54玉、55飛、44玉、45飛、34玉、35飛、44玉、 元に戻ってしまいそうですが、35飛に24玉なら、16桂、14玉、15飛まで。 これで、95飛と35飛の五間まで狭まりました。 45飛左、54玉、55飛、64玉、65飛、74玉、75飛、84玉、85飛、94玉、95飛、84玉、 ここで85飛右としては、それこそ元に戻ってしまいます。ここは秘蔵の桂馬の出番。 96桂、74玉、 75飛左、64玉、65飛左、54玉、 74玉と戻るのは75歩まで。これで65飛と35飛、見事に二間の中に閉じ込めることに成功しました。 55歩、44玉、45歩 まで53手 途中、反対側に逃げる変化がたくさんありますが、本手順と同じように二枚飛車で挟むように攻めれば、すべて短く詰みます。 二枚飛車による追廻しを端から端まで最大限に利用した本局は、簡潔な初形も美しく、この型の決定版。塚田作品と共に歴史に残る作品かもしれません。 ところで、作者から参考図として、受方99角を追加した図が送られてきました。 この図では66桂が打てないので、42手目に74玉と85飛と35飛の四間の間に入る手が成立し、59手と更に長手数になります。こちらも鑑賞ください。 |
また、おもちゃ箱掲示板で、作者より本局の手数を減らさずに初形を左右対称にできないか、という問題が出題され、COOOさんが挑戦しています。合わせてごらんください。 それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
今度の全国大会で懐かしい人とお会いできるかな。
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くるくる展示室No.34 解答:12名 全員正解(下記) 石堂郁夫さん 井上順一さん S.Kimuraさん 小五郎さん 当選者は、展示室で発表しています。 |