くるくるだから大丈夫、と書いたら、本局は「大丈夫じゃない!」と抗議殺到。王手は飛か金のどちらかしかないのですが、どちらの王手もかなり続くので絞りにくいのと、8段目のと金の配置で飛を引く手が制約されているため玉が戻る変化が位置によって少しずつ違うので、実際解いてみると、かなり難しい。
1)まずは金追いで左に(96金を据える)
56金寄、67玉、66金寄、77玉、76金、87玉、86金、97玉、96金、87玉
途中で戻ると、玉の行動範囲が狭くなって早く詰みます。具体的な手順は上図でご確認ください。
2)反転して金追いで右に(16金を据える)
86飛、77玉、76飛右、67玉、
66金、57玉、56金寄、47玉、46金寄、37玉、36金、27玉、26金、17玉、16金、27玉
これで、玉の行動範囲は87から27に限定されました。
66金のところで、66飛、57玉、56飛、47玉、46金、37玉、36金と45の金で追うと、3)の飛追いが終わった局面と対称な局面になり早く詰みそうですが、33角の配置が対称性を崩していて、左側では詰まないようになっています。
3)反転して飛追いで右に
26飛、37玉、36飛左、47玉、
46飛、57玉、56飛、67玉、66飛、77玉、76飛、87玉、86飛、77玉
4)収束
76飛右、67玉、66飛、57玉、56金、47玉、67飛、57歩合、
46金寄、37玉、36金、27玉、26金左、37玉、36飛、47玉、46金まで57手
67飛が決め手。これで、玉の行動範囲は47から27の3箇所に限定されるので、飛と金2枚でぴったり押さえられます。
シンプルなくるくるのようでいて、実は悩ましいパズルという、おもしろい作品でした。
- 老花現象さん(作者):
- 飛を動かすか金を動かすか迷うところがあるでしょうが、だいたい暗算で解けるでしょう。
妙手もなく捨駒もなく、難解性もない。どこが面白いかと思われる人もおられるでしょう。でも、妙手とか難解とかいっても、神様から見れば所詮は駒を動かしているだけのもの。詰将棋って、くるくる駒を動かし、駒の手触りを楽しむものとも言えるでしょうか。
このような発表の場を設けてくださるTETSUさんに敬意を表します。また作ります。
駒の手触りを楽しむだけでなく、難解性もあったようです(^^;
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- コマンさん:
- 文字通り右王左王して苦しみました。
- 小峰耕希さん:
- 先月と違い、どんな形で詰むのか最後まで想像がつきませんでした。
変化・紛れの難度も適度でよかったと思います。
詰将棋という点から行くと、捨駒や限定合があるわけではないので評価が落ちるかも知れませんが、将棋盤と駒を使ったパズルと思えばこれはかなりの大作では。
こちらの方も48手目の非限定があるようです。
本局の創作法は正算なのか逆算なのか知りたいところ。
48手目の合駒は、桂香歩いずれでもOKです。
正算か逆算かについては、「私は、もっぱら正算=順算で作っており、逆算では作れないのです。今回のくる展13でも逆算してないです。」(詰将棋天旗より)とのことです。
- 今川健一さん:
- 簡単?、嘘でしょう。右か左か、寄るか引くかで大騒動。結構、草臥れる。
- どかん5号さん:
- 「くるくるだから大丈夫。」このヒントを信じて取りかかりましたが全然大丈夫ではなく(笑)、堂堂巡りをして大変でした。詰め上がり図を予想してそこから手順を導き出した感じですが、どこで67飛を実行するかが最後のポイントになりました。
- 長谷繁蔵さん:
- 55金は最後に動くと思った。ややこしかった。
- 躑躅さん:
- 1手目などの表記は右、左でよろしいでしょうか?
はい。寄、引、直、上など方向で示すのと、右、左のように元の位置で示すのとありますが、どちらでも区別がつけばOKです。
- S.Kimuraさん:
- 43手目の飛車よりから6七飛とするところが難しかった.
- 市原誠さん:
- 両問とも楽しい反復運動でした。
- たくぼんさん:
- と金配置で見事に収束させましたね。意外と解くのに時間が掛かりました。
- 鳥本敦史さん:
- 何やら取っ掛かりがつかみにくいですが手を出してみると意外と簡単。
そこはくるくるで大丈夫でした(謎)
シャッターが閉まっていく感じで楽しい。
玉にとっては惨いかも?
- 岡村孝雄さん:
- 飛車を七段目に引いた時に六段目から王手を掛ける飛金の数が足りているか確認しながら、一歩一歩前進(というか横這い(笑))。
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