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詰将棋おもちゃ箱詰将棋研究室

研究展示室 No.11 eureka

詰将棋研究室
詰将棋研究室

棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:
詰将棋研究室では超長編、裸玉などいろいろ研究。 20手台

研究展示室No.11 eureka

角銀二色持駒の双裸玉です。 eurekaはTETSUがプログラムを活用して創作した詰将棋を発表するときに使用しているペンネーム。 eurekaのこれまでの作品は、下記で見ることができます。

どんなプログラムで創作したのか興味のある方、自分でも取り組んでみたい方は、 詰将棋創作プログラミングをごらんください。

研究展示室No.10の解説でも書きましたが、双裸玉については、 2016年5月に非常に軽く(持駒3種8枚以内、解図時間3秒)全検してみました。 検出された多数の完全作候補を精査し、TETSUが発表価値ありと判断したのが26作品。 本作もその一つです。

持駒に金がないので、上部に脱出されないように注意しながら攻めることが必要です。 例えば43角と最初から角を手放してしまうと、32歩合で、同角成、同玉、43角としても、22銀、同玉、23銀、同玉、34銀としても、いずれも脱出されてしまい失敗。 角は温存して、32銀と銀捨てでこちらの玉に近づけるのが正解です。

32銀に12玉なら34角と打って簡単。 11玉でも12銀と捨てて34角と打てば同様です。
22玉も23銀打、14玉、35角、24合、15銀までだから、32同玉の一手?
32同玉には14角と合駒請求( 33玉には44角)。

  • 23歩合なら、43銀、33玉、42角、22玉、31角成、33玉、42馬、22玉、32馬以下
    他の合もだいたい同じですが、32馬を防ぐ銀合なら?
  • 23銀合なら、33銀、同玉、44角、24玉、25銀、13玉、22銀、12玉、23角成以下

ほかにもいろいろ詰みそうで、どうも作意らしくないですね。

実は、「22玉も23銀打、14玉、35角、24合、15銀まで」というのが誤り。 24飛合と逆王手されると同角の一手で上部脱出されて詰みません。

そこで、22玉に対しては、24飛合が逆王手にならないように先に44角と打つのが好手です。 33歩合などではさっきの順で詰むので、35角を取れるように香合か飛合が考えられますが、 23銀、13玉、14銀打、24玉、25銀打、15玉、24角まで。 44角に32玉と銀を取るのも14角で簡単。 というわけで13玉と逃げるのが正解です。

  32銀、22玉、44角、13玉、

まだまだ逃げられそうで心許ない形。 上部脱出をふせぐのが、次のように43角を据える順です。

  23銀成、同玉、34銀、同玉、43角、23玉、

23銀成は14玉で逃げられそうですが、36角、25歩合、15銀以下で大丈夫。

ここからは2枚の銀と2枚の角の軽快な繰り替えが楽しめます。

  43銀、12玉、23銀打、13玉、22銀不成、14玉、25銀、15玉、
  16銀、24玉、25角成、23玉、33角成、12玉、34馬 まで25手

ちなみに、21玉、54玉の検索で見つかった完全作候補は二通りでした。

2016-05-17T17:59:50+09:00 持駒サーチ開始

  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v玉 ・|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|二
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|三
| ・ ・ ・ ・ 玉 ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|七
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|九
+---------------------------+
持駒:なし

持駒枚数最大:8 持駒駒種最大:3 解図時間最大3秒

飛 銀四 歩 : 15手で詰みました(▲3二銀、0:02)。
   余詰:0、非限定:5、手順前後:0、迂回:1 検出しました。
角二 銀四 : 25手で詰みました(▲3二銀、0:02)。
   余詰、非限定等は見つかりませんでした。

2016-05-17T18:10:44+09:00 持駒サーチ終了

それでは皆さんの感想を(解答到着順)。

蛇塚の坂本さん:
(1回目)3手目1四角としたのですが、裸玉で手が広いので自信無しです。
(2回目)3手目4四角として1三玉2三銀成としました。 間違っていると思いますが、今回はこれで行きます。

2回目の筋が作意順です。

山下誠さん:
持駒に金がないので追い方に苦労する。 9手目も面白い形。
占魚亭さん:
序の23銀成〜34銀が好手順。
小山邦明さん:
初形の美形と持駒趣向が一緒になった奇跡的な作品だと思います。
おかもとさん:
これはこれは、、、eurekaならでは、ですね。
池田俊哉さん:
持駒趣向の双裸玉図式だが、金があればもっと楽なのに、とつい思ってしまう(笑)。 44角と据えた後に初手の32銀を34銀と打ち換え43角と打つあたりが面白い。 最終手でつい13銀成からきれいに詰まそうとしてしまった...

最終手余詰はお許しを。

S.Kimuraさん:
作意手順に合駒が出てこないのが不思議ですね.

変化紛れではいっぱいでてくるのに、ですね。

嵐田保夫さん:
恥ずかしながら三手目の1四角がなかなか見えず苦戦。

22角成まで19手解。 2手目22玉が正解でした。 逆王手はうっかりしますね。


研究展示室No.11  解答:8名 正解7名(下記)

  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  おかもとさん  小山邦明さん
  占魚亭さん  蛇塚の坂本さん  山下誠さん  

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。