詰将棋おもちゃ箱詰将棋研究室
研究展示室 No.7 利波偉さん
詰将棋研究室
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:

とどめは成香 20手台


研究展示室No.7 利波偉 本作は研究展No.6野曽原直之さんと同様、純対称の双裸玉。 居玉対都玉という美しい配置です。

実は、本作はコンピュータが発見した詰将棋。 8月のたま研で柿木将棋の柿木義一さんの講義があり、それに関連して加藤が「詰将棋創作での柿木将棋の活用」について話させていただきました。 その中で創作支援プログラムのサンプルとして 「持駒サーチ」 の使い方を説明したのですが、その説明で実際に使えるかどうか、事前にたま研幹事の利波さんに試していただきました。 その結果誕生した作品が本作です。 5月のeureka個展に解答・感想をいただいた方にはプレゼン資料をお送りしているので、ご参照ください。

利波偉さん 「やっと創作プログラムで作品ができました。
桂の打替えが入って、先ず先ずかと思います。
ところで、双裸玉の条件だと、当然一番検索数が多くて、とても時間がかかりました。 この検証に私のマシンで10時間くらいかかりました。 とりあえず、一つは完成品が出来たのでご報告しておきます。
ちなみに、完全作リストも付けてみました。
1番目は合駒が非限定で作意が特定しがたいです。
2番目は面白いのですが、検討したら余詰あり。
3番目と5番目は同系列で、金銀を打ち捨てるだけの詰む将棋です。
4番目は、本当に詰むだけの手順。
よって6番目の作品を推奨した次第です。
完全作は5作あるのは紹介してもらった方が良いかもしれません。」

利波さんは、この配置以外にもいろいろ試したようですが、そもそも良い作品が存在しない配置は、いくら時間をかけてもダメなので、 良い作品が埋もれていそうな配置を見つける作者のセンスが重要ですね。

51玉55玉双裸玉の完全作候補リストは以下の通りです。


***** 持駒サーチ 完全作候補 *****

2017-07-22T22:15:49+09:00 持駒サーチ開始

9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| ・ ・ ・ ・v玉 ・ ・ ・ ・|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|二
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ 玉 ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|七
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|九
+---------------------------+
持駒:なし

持駒枚数最大:15 持駒駒種最大:7 解図時間最大30秒

飛 金三 歩 : 13手で詰みました(▲5二歩、0:05)。
余詰:0、非限定:1、手順前後:0、迂回:1 検出しました。
角 金 銀二 桂 歩四 : 25手で詰みました(▲5二歩、0:11)。
余詰、非限定等は見つかりませんでした。
金四 銀 : 9手で詰みました(▲5二銀、0:00)。
余詰:0、非限定:0、手順前後:1、迂回:0 検出しました。
金四 桂二 香二 歩二 : 19手で詰みました(▲5三香、0:22)。
余詰:0、非限定:7、手順前後:0、迂回:0 検出しました。
金二 銀三 : 9手で詰みました(▲5二銀、0:01)。
余詰、非限定等は見つかりませんでした。
金二 銀二 桂三 香 : 23手で詰みました(▲5三香、0:06)。
余詰:0、非限定:1、手順前後:0、迂回:0 検出しました。

2017-07-23T08:24:31+09:00 持駒サーチ終了


5番目の金金銀3の持駒なら、52銀、53銀、54銀と打って簡単に詰みます。

本作では銀が2枚しかないので、香で銀の代わりをさせるべく53(54)香と打っていきます。 52合なら同香成、同玉で、以下53銀、54銀と打てば詰むので逃げる一手。 62(42)玉は、63(43)銀、同玉、64(44)金で簡単なので61(41)玉が正解。 続けて52香成とすれば、これも取れません。

  53(54)香、61玉、52香成、72玉、

71玉なら62銀で、81玉は72銀以下、82玉なら73銀以下並べ詰み。
72玉と逃げられて、上部脱出をどう防ぐかですが、63銀捨てが好手。
先ほどと同様、82玉なら73銀以下、83玉なら74銀以下詰むので、同玉と取って、64銀、74玉、75金と押さえて、上部脱出阻止に成功しました。

  63銀、同玉、64銀、74玉、75金、83玉、

あと金は1枚しかないので、平凡に95桂などでは94玉、85金と使わされて足りません。 ここは73銀成と捨てて85桂と据えるのが包囲網を作る好手です。

  73銀成、同玉、85桂、83玉、

85桂に72玉は84桂、82玉は74桂と更に桂を打たれて簡単。 金を使わせるべく83玉と逃げます。 84金と頭から押さえるのでは、文字通りあと一歩で詰まず、93金と左から押さえます。

  93金、72玉、64桂、63玉、

ここまで来れば、73桂成から65桂の桂の打ち替えを発見するのは難しくないでしょう。

  73桂成、同玉、65桂、63玉、53成香 まで23手

小駒の細やかな捌きの楽しめる、美しい双裸玉でした。

それでは皆さんの感想を(解答到着順)。

占魚亭さん:
3手目52香成が決め手で、一気に狭くなった。
山下誠さん:
5筋で向き合う双裸玉。 初手と最終手が5筋に香車と成香というのもオシャレでいいですね。
蛇塚の坂本さん:
桂の打ち変えが見事でした。 ヒントの成香が早々に現れたのが、意表でした。
良く飛び道具の無い駒だけで、問題作れるものだと驚きました。
長谷繁蔵さん:
54香41玉52香成32玉以下ギブアップ

方針は正解でした。

小山邦明さん:
初手は53香でも良いのでしょうか。 型にはまらない感じでひたすら可能な手を読んでいきました。 初形としては大変面白い作品だと思いました。

初手は非限定です。

きたさん:
桂をどこで使うかを考えてしまう。この形としては好手順だと思う。
S.Kimuraさん:
これも柿木将棋に頼りました.
最後は頭金なのかと思いましたが,意外な詰め上がりになりました.
池田俊哉さん:
初手香打から空成りは予想通りだが、64銀と打った要を85桂に打ち換え、さらに85桂を65に打ち換えるのは、形だけに収まらない好作

研究展示室No.7 解答・感想:8名 全員正解(下記)

  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  きたさん  キリギリスさん  小山邦明さん
  占魚亭さん  蛇塚の坂本さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。