ルールを少し変えた将棋(詰将棋)は、フェアリーチェス(変則チェス)にちなんで、フェアリー将棋(フェアリー詰将棋)と呼んでいます。 名前だけでなく、チェスから取り込まれたルールも多く、キルケルール(circe)や協力詰(helpmate)もその一つ。
協力詰(ばか詰)は歴史も古く、比較的知られていますが、キルケルールは知らない方も多いと思います。おもちゃ箱では カピタン展示室No.1以来の登場ですが、本作はキルケルールの特徴がよくでた作品なので、初めての方はこの機会に覚えてしまいましょう。
初手は48金の一手。 同玉では49に金が戻せず金が後手の持駒になってしまい、あと7手では厳しいので、同龍/49金でしょう。 同金と龍を取れば詰みそうですが、同金/82飛で飛車は手に入らないので、これは失敗。
58金、同龍/69金が金の位置を変える妙手。 狙いは68金〜58金〜59金として、と金と金で玉を挟むこと。 59金は何も利いていませんが、同玉/49金でも同玉/69金でも玉を取られてしまうので59金をとることはできず、これで詰上りとなります。
キルケ独特の形ですね。
48金、同龍/49金、58金、同龍/69金、
68金、48玉、58金/82飛、49玉、59金 まで9手
作者 「49玉・59金の形を目指すために39金を39→49→69と復活移動させるのが狙いです。
29とを金にすると最終手39金でも詰むのでと金にしました。
易しすぎるかもですが、それぐらいでも良いんじゃないかなとも思います。」
キルケになれている人には易しいかもしれませんが、この詰上りを見たことがないと、かなり難問かも。 手が狭く、ルールの特徴がでた手順なので、キルケルールを覚えるには適切な例題になりそうです。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 山下誠さん:
- 龍を利用して金が一歩ずつ追いかける様が面白い。
- 小山邦明さん:
- この収束形はキルケでは定番なのでしょうか?
定番かどうかはわかりませんが、キルケならではの詰上りですね。
- Pathfinderさん:
- キルケはあまり解いたことがなかったので勉強になりました。
- 小林巧さん:
- 詰パラのフェアリーコーナーで、何度かチャレンジさせて貰ったが、何度やっても、感覚が馴染まない。
この馴染まなさを「常に新鮮な感覚」と捉えられる時とそうでない時がある。
私が保守的(或いは、あったまワル〜)なのかどうかわからぬが、慣れるまでフワフワとした不安感が付きまとうものなのかな?
58での駒のやり取りは、右にして良いやら左にして良いやら、、
よく分かりません。
同龍/69金、同龍/49金と戻る位置を明示するので、左右はいらないですね。
- 占魚亭さん:
- 詰み形が見えやすく、キルケならではの駒繰りが楽しめる入門作。
29の駒が金だと最終手39金が成立する為、と金なんですね。
- 金少桂さん:
- 詰め上がり図の予想は一目。でもそこに持っていくのは一苦労。 金を左に持っていく前半の駒繰りが面白かった。
- 池田俊哉さん:
- 取られては復活する、ユニークな単騎金追い。詰めあがりとともにキルケ独特の味
- たくぼんさん:
- 金の位置変換の動きを楽しめる1作。キルケならではの面白さ
たくぼんさんからは、P.S. として「FairyTop\2014お気に入り投票は締切を5月10日まで延長していますのでよろしくお願いします。」とのメッセージが。 フェアリー詰将棋に加えて推理将棋部門もあります。 作者への感謝の意も込めてお気に入りの作品に投票しましょう。
- S.Kimuraさん:
- カピタン展示室は10か月ぶりですか.
もう少し出題が多いとうれしいです.
投稿があれば・・・ ただ、今はWeb Fairy Paradiseという専門誌があるので、カピタン展示室ではフェアリーファンをふやすような作品を出題したいと思っています。
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