衝立詰のくるくる(やさしい趣向詰)。 衝立詰将棋では受方の応手が見えないので、詰方を強くしなければならず、駒配置が多くなりがちですが、本作では入玉禁をうまく利用することによって、簡潔な配置で趣向を成立させています。
まずは36歩とたたいてみるところ。 取ってくれれば37金から46金打ですし、26の歩が消えても二枚金を打って詰み。 4筋にかわす(45玉か46玉)しかありません。
続いて46歩。 これは45玉のときは王手、46玉のときはチョンボになる手で、チョンボなら指し直して47金から56金打で詰み。 45玉のときはさっきと同じ形なので、やはり5筋にかわす(55玉か56玉)しかありません。
調子にのって歩をどんどんたたきましょう。
36歩+、(−)、46歩+、(−)、56歩+、(−)、66歩+、(−)、
[ 36歩、45玉、46歩、55玉、56歩、65玉、66歩、75玉、 ]
さて、ここは考えどころ。 続けて76歩では飛車を取られてしまいます。 76金が85金を見せて飛車を取らせない強手。
76金+、(76)、85銀・歩+、(66)、
[ 76金、同玉、85銀、66玉、 ]
今度は7段目に歩を打っていきます。 どこで折り返しても同じように詰むので、最後まで逃げるのが最長手順。
67歩+、(56)、57歩+、(46)、47歩+、(36)、37歩+、(26)、27歩+、(−)、
[ 67歩、56玉、57歩、46玉、47歩、36玉、37歩、26玉、27歩、35玉、 ]
金追いでもう一度左へ。
26金+、(−)、36金+、(−)、46金+、(−)、56金+、(−)、66金、(−)、
[ 26金、45玉、36金、55玉、46金、65玉、56金、75玉、66金、86玉、 ]
最後は、趣向手順を影で支えてくれた飛車が動いて収束します。
76金+、(−)、94飛++ まで35手
[ 76金、95玉、94飛 まで35手 ]
それぞれはシンプルな趣向ながら、この簡潔な初形から歩連打、歩連打、金追いと1往復半の趣向を実現したのはすばらしい。 入玉禁のルールを利用すると、いろいろできそうですね。
作者 「一回り大きい版を自サイトで出題しています^^。」
作者のサイトはついたてDiamond。 本作を拡張した 「木馬」 ttdiamond (ついたて詰,入玉禁 49手) が出題されていますので、本作を参考に挑戦してみましょう。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 橋本孝治さん:
- ルールの特長を活かした、楽しい追い趣向。
左辺での折り返し機構が巧妙です。
- たくぼんさん:
- 簡単そうに見えて結構大変です。頭の中で読まなければならないんですね。
趣向は楽しめると思います。
- どかん5号さん:
- こうかな?と考えた順と、歩の数・手数がぴったり一致したので解答を出してみることにしました。くるくるというヒントがなければすぐにあきらめたかも。
*高校時代に数回衝立将棋を指したことがあります。意外な所で意外な駒が取れたり王手が掛かったりするとそれだけでうれしくなるという懐かしい思い出が蘇ってきました。
衝立将棋、私も昔はよくやりました。 ギャラリーがいると盛り上がりますね (^^)
- 涼秋さん:
- 衝立詰のクルクル、一味違って楽しめました。No.5で苦労したのが役立ったようです。
- もずさん:
- 玉が1往復半。
すぐについたてを忘れて早詰してしまいそうになります。
- S.Kimuraさん:
- 暗算でやっていたせいで,8五銀を見落として苦労しました.
▲1六歩△2五玉で始めなかったのはもう一度右から左に動かすためですね.
- 井上順一さん:
- 一往復の歩追いと、最後は衝立ならではの金追い。楽しめた。
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