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1 衝立将棋と衝立詰将棋 カピタン第1号より |
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1.衝立将棋の指し方
審判は指し手ごとに
をして、まだ終っていなければもう一方の対局者に手番を知らせる。 |
文字通り衝立将棋の詰将棋です。 実戦では相手の陣形がよくわからないことが多いのですが、衝立詰将棋では初形の局面だけはわかっているとします。 ただし「衝立」ですから王手をかけてもどう応手しているかはわかりません。 (駒が消えたりすることによってある程度わかりますが) 例えば下図を見てください。 (本当は双方の駒を別々の盤に書くべきですが、スペースが大変なので一つの図にまとめることにします) |
詰将棋なら23銀で簡単。 また23金でも詰みますが、衝立ではどうでしょうか。 初手23銀としてみます。 玉方の応手は11玉、13玉、31玉の3通りあり、どれも駒を取られないので全くわかりません。 そこで次に32金とか12金というような手は、それぞれ13玉、31玉と逃げられていたとき王手にならないので指せません (王手の連続という条件に反する)。 正解は22角です。 これなら11玉(13玉)のときは「詰み」ですから問題なく、31玉のときも王手になります。 これに対し41玉か42玉。 43金などは41玉で王手にならないからダメですが、両方共王手になる手以外にも、 例えば42金のように41玉なら王手になるし42玉なら「チョンボ」になるような手も指すことができます。 もっともこの問題では42金では全然詰みませんが。 今打った角を31角成と捨てるのが妙手です。 次にもし馬が消えれば31同玉としたのがわかりますから32金まで詰み。 もし消えなければ51玉か52玉と逃げたのがわかるので62金まで詰みとなります。 23銀、31玉、22角、42玉、31角成、同玉、32金まで7手 22角から31角成はバカみたいな手ですが、玉位置を確かめる為に必要なわけです。 もう一題解いてみましょう。 下図は ”衝立名人” 蒲池克弘氏の作品です。 |
初手43飛では玉が広すぎて詰みそうにないので43金でしょう。 これに対し31玉、41玉、51玉の3通りの逃げ方があります。 ここで41飛!? も面白い手ですが51玉から62玉と逃げられて詰みません。 51飛!が玉位置を限定する妙手です。 51玉のときはもちろんチョンボでわかりますから52金まで。 41玉のときは同玉の一手で飛が消えますからこれも52金まで。 問題は31玉のときで41合、22玉の2つの応手があります。 ここで31飛成!が妙手です。 41合のときはチョンボでわかるので32金まで。 22玉のときは31玉、12玉、13玉、23玉とありますが、31玉は龍が消えるので32金まで。 龍が消えないときは23金!が玉位置限定の例の手です。 チョンボだったら23に玉がいるので33龍、12玉、22金まで。 12玉、13玉のときは23同玉と取る一手で、以下は33龍、12玉、13歩、21玉、32金の追い詰です。 43金、31玉、51飛、22玉、31飛成、13玉、23金、同玉、 51飛から31飛成が応手を限定する衝立らしい手でした。 本局はそれほどむずかしくありませんが、作者蒲池氏は難解な作風で知られています。 指し衝立将棋の実力者でもあり、最近第1期棋聖位を獲得しました。 詰将棋のときもチョンボは8回までよしとします。 即ち9回以上しなければ詰まない場合、その作品は不詰ということになります。 |
柿木義一さんの Kifu for Java を使わせていただいています
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