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よもやま話大道棋全短評 大道棋37 小山邦明さん
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出題: 詰将棋パラダイス2016年8月号 大道棋よもやま話 第37回
結果発表: 詰将棋パラダイス2016年10月号 大道棋よもやま話 第38回

詰パラでの結果発表時の解説

 96金、84玉、87香、86飛合、85金、同飛、同香、同玉、86飛、75玉、
26飛、84玉、87香、85角合、同香、同玉、96馬、75(84)玉、74馬、同玉、
 63角、84玉、87香、75玉、85角成、65玉、76馬、55玉、66馬、54玉、
 44馬、65玉、66飛、75玉、64銀不成、74玉、63銀不成、75玉、74銀成、同玉、
 63飛成、75玉、66馬迄43手。

で飛を26(16)に開くのが最初の山。 その意味は手順を進めるとわかる。

96馬から74馬切りが英断。 この玉が63角で捕まるとは。 86飛、75玉、57角以下がかなり続くので、余計やりにくい。

ぐるっと回る馬の活躍は見物。 銀の捌きから最後も馬でとどめをさす。 すっきりした手順で解後感よし。

よもやま話大道棋37 小山邦明

解説・全短評

小山邦明さんの新型金問題への挑戦。 54金型の大道棋33に続いて、今度は53銀型です。

作者 「新しい手順ができないか53銀配置で検討した作品です。 96馬から74馬と香を取る手順が新しく、11手目の飛の移動が26飛か16飛でないと詰まないところが狙いです。 収束で銀の捨て方にはいろいろありますが、収束形は5筋にあった駒は無くなって、すっきりしたと思います。」

最初の16手は定跡通り進みますが、飛を開く位置は26(16)。 56飛では65玉と逃げられてダメなので、とりあえず46飛と開いて、あとから26飛に修正した方も。 実戦だったら奉納でしたね。 なぜ46飛や36飛ではダメなのか、作意手順を進めれば自然にわかります。

金問題は、ここからいろいろな手があって大変。 類型辞典で解説されている手を一応全部確認してみましょう。

a) 86馬、84玉、57角・・・ 74歩配置ならこの順で詰むが、74香なので75歩合で逃れ
b) 86馬、84玉、62角・・・ 本作では角が打てないのでダメ
c) 96馬、75玉、97角・・・ 65玉と逃げられて失敗
d) 86飛、75玉、42角 (または53角)・・・ 53銀があるので角が打てない。 64角は65玉でダメ。
e) 86飛、75玉、84角・・・ 65玉と逃げられて失敗
f) 86飛、75玉、66角・・・ 65玉と逃げられて失敗
g) 86飛、75玉、87飛・・・ どこに逃げられても続かない

あれ、全部ダメですね。 f)でちょっと工夫して57角と離して打ったらどうでしょう。 66合は同飛で詰むので65玉と逃げますが、66飛、55玉、64馬、45玉、46馬、34玉、24馬、43玉、・・・ 裸の玉を53銀と大駒3枚で追い回し、いかにも詰みそうですが、意外に詰みません。

それでは正解は・・・新手登場、96馬から74馬切り!

96馬に対しては84玉と逃げても74馬切りで同じですが、57角、75合、86飛までの誘い手があるので、大道棋屋さんは84玉と逃げるかも (57角には66歩中合で逃れ)。

74馬、同玉の局面は持駒角香しかなく、とても詰むようには見えませんが、これが63角以下捕まってるんです。 といっても、この局面でも46飛と開いていた方が45角成もあって有利そうで、ここから実は26飛が正解だったと思い直せるかどうか。

63角に65玉は54角成以下、75玉は77香以下簡単なので84玉と逃げ、87香、75玉、85角成、65玉と進みますが、 ここまでくると飛の位置が46ではダメなのがわかりますね。 26(16)飛であれば、ここから馬で追いまわして捕まるのです。

26飛の開き、74馬切りの新手から馬の活躍、収束もきれいに決まって、好評でした。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

陽気なわらしべ長者さん:
初型からして、鮮やかな詰め上がり。
永島勝利さん:
2筋に行けばよいと途中で気付きましたが、詰棋ならやり直せますね。
山下誠さん:
9六馬から馬が大暴れの1局。そのために飛車を遠くへ開くのがポイントですね。
銀の捌きからの収束も気に入りました。
鳥本敦史さん:
香取りとはビックリする手があったものだ。以下もうまく楽しく纏まっている。
竹中健一さん:
きれいな手順で駒も余らずにぴったりなのが良いですね。
小林徹さん:
17手目9六馬のところは、8五飛、7五玉、5七角にひかれて苦戦。
門田和雄さん:
飛車は開き王手をしながら1筋か2筋へ、
その後四苦八苦するも、▲96馬から▲74馬への活路をみる。
まさかこれが続くとは思いませんでした。(▲74馬は長考しました)
鈴木彊さん:
53銀の配置が効果的で44馬を可能にし
64銀63銀不成74銀成と活用させているのも見事でした。
谷口翔太さん:
10手までは勝手知った何時もの道。
ここで、飛車を何処へ開くやら?でした。
長谷繁蔵さん:
28手目43玉以下42銀成52銀44銀成47飛も続かずギブアップ

86飛から57角の筋にはまってしまいました。

前田知弘さん:
筋に入ったあとは軽いでしょうか。
大道棋教室が再開されるとか。
大道棋は詰パラの原点ですね。
もっとも集客度はあくまで目安なのですけれどもねえ。
詰将棋は数字だけでは計れません。

大道棋の価値はやっぱり実戦で稼げるかどうか。 集客度だけではダメですね。

金少桂さん:
なんとなく進めてしまう序に思わぬトラップが!
手抜きして17手目から始めたせいで(65玉64馬に備えて飛を46に開いてはいたが)、28手進めた局面で1回奉納。 11手目の飛は26以遠に開いておかなければ。
23手目の香の方は無意識に最遠から打てたけれど、86からではダメなことが最後にわかりますね。

86香がだめなら86に中合が考えられますが、歩合がないので取って簡単。中合は利きません。

矢橋修さん:
昔、大道棋教室にて解答を送っていた者ですが、また大道棋が復活するという事でとてもうれしいです。 これからも解答を送らせてもらいますので、よろしくお願いします。
さて、この作品は、かなり苦労しました。 17手目に86飛、75玉、57角、65玉、66飛以下の変化にはまってしまい、それがかなりぎりぎりの所までいくのでアリ地獄からぬけだせなくなってしまい時間がかかりました。

これだけ続くと、作意かなと思っちゃいますよね。

占魚亭さん:
11手目26飛が先を見据えた鋭い一手。
小山邦明さん(作者):
大道棋37の掲載ありがとうございました。 「11手目の飛の移動を2筋より右に後からやり直した」というコメントがあるか、楽しみにしています。

しっかりありました。 この形ならやっぱり46飛から考えますよね。

大道棋37の出題時のトレーニング問題についても感想をいただきました。

原田雄二さん:
59銀と59桂の配置から詰み形を予測し考えてみました。
小山邦明さん:
両王手の詰め上がりで、解後感の良い作品だと思いました。

よもやま話 大道棋37 解答:20名 正解17名

正解者、当選者は詰将棋パラダイス(通称詰パラ)2016年10月号をご参照ください。

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