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よもやま話大道棋全短評 大道棋38 加藤徹
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出題: 詰将棋パラダイス2016年10月号 大道棋よもやま話 第38回
結果発表: 詰将棋パラダイス2016年12月号 大道棋よもやま話 第39回

詰パラでの結果発表時の解説

 84馬、92玉、93銀、81玉、66馬、72玉、82香成、73玉、83成香、同玉、
 84馬、72玉、73飛、81玉、83飛成、71玉、82龍、61玉、83馬迄19手。

62玉は74飛成、61玉、83馬、62玉、72馬迄同手数でこちらも正解。

金2問題を2手逆算した形だが、正解は新たに増えた誘い手の中に。

91香の逆王手が怖いので84馬から93銀と9筋を塞ぐ。 そこで73馬や51馬は、86角合の逆王手。 同香、同飛で飛が82に利いてきて逃れ。

一番おいしそうな飛を取るのが正解なので、あっさり詰んだ方が多かったが、逃げ方を間違えた方も。易しい問題でも油断大敵。

よもやま話大道棋38 加藤徹

解説・全短評

94馬、92玉とすると、(持駒銀ですが)92玉型金問題(金2類型)に。 つまり、初形は金2類型を2手逆算した形になっています。 金2類型はコンパクトでよいのですが、入り口が一つしかないので、誘い手がちょっと弱い。 本作は、単に2手逆算しただけではなく、いろいろな誘い手を増やしています。

1A) 94馬、92玉、93銀、81玉、84香、71玉、82香成、62玉、72馬まで。

これは金2類型元々の誘い手。 84香には、83への中合があり、同香なら72玉、82香成、73玉と逃げ出そうとします。

1B) 94馬、92玉、93銀、81玉、84香、83歩合、82銀成、同玉、83香成、81玉、82歩、71玉、72成香まで。

中合も歩などでは、この順で詰んでしまいます。 そこで、定跡では83飛と中合します。

1C) 94馬、92玉、93銀、81玉、84香、83飛合、82銀成、同飛、同香成、同玉、83飛、72玉、63飛成、82玉、72龍まで。

あれ、飛合でも詰んでしまいました。 これが正解かというと、実はこれも(少しだけ知っている人向けの)誘い手で、83飛合ではなく、83桂合の逆王手で逃れ。

2) 94馬、92玉、83銀、81玉、72銀不成、92玉、83馬まで。

双玉の金2類型では持駒が銀になっていることが多く、それはこの誘い手のため。 72銀不成に82玉と逃げると、83馬に95香!

3) 84馬、92玉、83馬、81玉、82馬(銀)まで。

2手逆算したのは、84馬以下の誘い手を入れたかったからです。 これも、もちろん、95香で奉納。

4) 84馬、92玉、74馬、93玉、83馬まで。

83馬では81玉と逃げられたので、ちょっと工夫して74馬。 これにも83への捨て合があります。 逆王手で83桂合としたいところですが、これは同馬、81玉、93桂以下詰み。 普通に83歩と捨て合して逃れます。 93銀には81玉、83香、71玉、82香成、62玉で失敗。

5) 84馬、92玉、93馬、同玉、94歩、92玉、93銀まで。

「お客さん、将棋では二歩を打っちゃだめなんだよ」

6) 84馬、92玉、93銀、81玉、73馬、71玉、82香成、61玉、72成香(馬)まで

91香が諸悪の根源。 ならば93銀と止めてしまいましょう。 81玉に馬の空き王手がいろいろ。 73馬は86合なら82馬までの読みですが、86角合と逆王手されて、やむなく同香、同飛で、この飛が82に利いてきて逃れ。

7) 84馬、92玉、93銀、81玉、51馬、86歩合、82金まで。

これも同様に86角合の逆王手で逃れ。 86銀合でも詰みません。

ということで、正解は、金ではなく飛の方を取る手でした。 73玉から逃げだされそうですが、83成香が好手で捕まります(64玉なら65歩、54玉、44飛、63玉、64飛まで)。

2手逆算で84馬の誘い手を作るのが発想の原点。 ちょっと形が広がったのが難点(集客度62でぎりぎり出題可能か)ですが、いろいろな誘い手の逃れ手を考えると楽しめると思います。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

加賀孝志さん:
金は壁ですね。自信なし!
大丈夫、正解です。
矢橋修さん:
5手目に誘い手がありますね。
51馬や73馬などは、86角、同香、同飛で飛の効きが強力で詰まないんですね。
それから、いつものくせで6手目83歩合としてしまいがちですが、この作品に限っては無駄合なんですね。
どちらにせよ82香成とするので、無駄合になります。
陽気なわらしべ長者さん:
誘いの手が多くずっと迷いっ放しでした。
72飛成まで17手解。 惜しい。
永島勝利さん:
飛車取りとは珍しい。また、82香成、73玉、83成香の順も面白い。
小山邦明さん:
注意するのは、91香の玉のにらみと86銀合での逆王手。
後者をなくすため、実戦的に飛を取る手順を考えたら中合も効かない事がわかったので意外に早く解けた。
岡崎行晃さん:
初手で9四馬なら9二玉と引かれ詰まなくなる!
しかし乍ら、易しかったので安堵いたしました。(感謝)
原田雄二さん:
飛をとってすぐ詰むと思ったら、72玉がありました。しかし、82香成から83成香が好手で詰みました。
占魚亭さん:
初手94馬は92玉、93銀、81玉、84香、83桂、同香不成、72玉で逃れ。
素直に(?)84馬から飛車を取りに行くのが正解だった。
小林徹さん:
飛車を取る順をやってみたら一発でした。易しめですね。
10手目62玉、84馬以下の変別解(62玉は82飛、71玉、72飛成まで)。 やさしい問題でもご用心。
門田和雄さん:
意外と簡単そうだなと思っていたら△66飛がくせ者だったんですね。
馬は飛車を取る手なんですね。意外でした。
出崎守さん:
初手には苦しむ事なく進んでいきましたが手数と駒余りの表示があり助かりました。
鈴木彊さん:
5手目73馬は86角、同香、同飛で詰まない。
また5手目51馬と金を取るのも86角、同香、同飛で詰まない。
双玉ならではの妙防が用意されていました。
谷口翔太さん:
まさか66馬で戦力補充とはね。86角合で奉納1回です。
長谷繁蔵さん:
64飛迄17手詰と思うのだが12手目64玉の所83同玉の変化が21手となりギブアップ
出題コメントで10手台と書いたのが仇になりましたか。 83歩の無駄合をして21手になったのかな。
竹中健一さん:
これは結構簡単でした。
5筋の壁があるので飛を取る手を考えやすいですね。
前田知弘さん:
「2手逆算する」ということだったので、9四馬から金問題になるのかな、と当たりをつけたら、全く違っていた。
棋将屋さんの言うことは信用できない?
最近なさけないくらいに読む力が落ちている。
歳ですかね。

2手逆算した形にするという意味でした。 まあ、棋将屋さんのいうことは額面通りとらない方が無難かと。

大道棋よもやま話第38回で紹介した利波さんの金2類型改作と、トレーニング問題(ドキドキ展示室No.24)についても感想をいただきました。

利波偉さん作への感想:

小山邦明さん:
91が香でなく歩だと15手目の73龍が、馬を取られる心配がないので指しやすい。その後の玉の逃げ方と追い方は、いろいろあってややこしかった。
原田雄二さん:
本当に詰んだのか心配ですが、解答を提出します。
15手目73龍を発見して詰むと思いました。
ほとんど解けているのですが、85馬に中合がありました。
占魚亭さん:
竜・馬の協力で押し切る。こんなに手数がかかるとは思いませんでした。
トレーニング問題への感想:
原田雄二さん:
4手目桂合で奉納したのかと思ったのですが、上手く詰めることができました。

よもやま話 大道棋38 解答:17名 正解14名

正解者、当選者は詰将棋パラダイス(通称詰パラ)2016年12月号をご参照ください。

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