解説・全短評
詰将棋パラダイスでは大活躍で、12月号でついに同人作家になった鈴川さん。
ブログ my cubeでも多数の作品を発表されています。
逆算式の創作を得意とする作者ですが、大道棋も作れますと、詰工房で見せていただいたのがこの問題。
5筋の駒がちょっと重いものの、5×6に収まって集客度は72とまずまず。
この類型(双玉角B類型)は、83角や72飛成など初級者向けの誘い手が豊富なので、十分実戦でも使えそうです。
誘い手については、下記の解説に詳しいので、ご参照ください。
誘い手は多いものの、だいたいは逆王手で続かないので、この類型の正解はほとんど85玉で始まります。
85玉に93歩合、95歩合などでは81角の好手があって簡単。
ここは93桂合と逆王手でしのぎます。
同香成、同玉に73飛成は83香合の逆王手で奉納。
かといって94飛では82玉と逃げられてダメ。
まず71角として82を塞ぎます。
82香合の逆王手なら同角成、同玉、72飛成、93玉、94香まで。
また桂合が正解です。
82桂合に94飛、83玉、84飛、73玉と追って、ここから好手連発。
65桂、同桂と穴塞ぎして、62銀、同銀と質駒を作り、82飛成から62龍。
さあ、詰んだかと思いきや63角合の逆王手!
これは取るしかなく、ちょっと不安な形ですが、74角以下捕まります。
31手で駒も余らずぴったり詰むのは気持ちがいいですね。
案外読みにくかったようで、29手で詰めてしまった方も。
それでは、解答者のみなさんの感想を。 解答到着順です。
- 市原誠さん:
- 逆王手が、何度か出てきて、ヒヤヒヤしました!
- 陽気なわらしべ長者さん:
- 鈴川氏の大道棋らしい面白くも素晴らしい作品ですね!
- 永島勝利さん:
- 香の逆王手以外は掛けさせて詰ますので、比較的考え易い。
- 森美憲さん:
- 途中で詰ましにくい味がある。
- 原田雄二さん:
- 5手目いきなり71角が正解ですね。
- 鈴木彊さん:
- 85玉から93桂合を同香成同玉のとき71角が入ったのが大きい。
(これに82香の逆王手は同角成で詰む)
94飛から84飛が好手順。62龍まで進み楽勝かと思いきや63角合の逆王手があった。ここからも結構手数を要した。
流石に今売り出し中の鈴川氏こちらの分野でも活躍期待大ですね。
- 山下誠さん:
- 2度の逆王手による際どい凌ぎに、スリルを味わいました。
- 三宅周治さん:
- 守備駒でカベを作って上部脱出を阻止し、下段に追い込む手順がうまい。
- 岡崎行晃さん:
- 二度に渡る桂合に「ひやひやどきどき」でした。
短い手数だったので助かりました(好作)
19手解。 二度の桂合のあとにもう一つ角合がありました。 惜しい。
- 前田知弘さん:
- この類型はいろいろと技が利くので面白いのですが、作例は少ないのですね
- 大下進さん:
- 93桂合の発見により詰みあがりました。良い作品と思います。
- 門田和雄さん:
- 大道棋はスリル満点です
簡単そうでむずかしい
収束がよめない所が面白いです。
- 小山邦明さん:
- 5手目からおもちゃ箱No22の手順から変わる。11手目の桂捨て18手目の角での逆王手、最後も合駒の桂を打っての収束と実にきれいにまとまっていると思いました。
- 長谷繁蔵さん:
- 角合が出て来て筋に入ったと思った。
- 竹中健一さん:
- きれいに手が続きますね!大道棋初とは思えないくらい!
- 谷口翔太さん:
- 逆王手の影に怯えながら手を進める。
6手目の応手、82香合と思ったら、ここは桂合、ヤレヤレ。
落とし穴は2度の逆王手でしょうね。
- 小林徹さん:
- すっきり出来ていますが、難しくはないですね。
- 占魚亭さん:
- 合で角を出すため、銀配置だったわけですか。
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