解説・全短評
大道棋14、大道棋15に続いて、なし13の類型の問題です。 この類型初の双玉問題ですが、84龍から64飛や86飛という誘い手は変わらないので、これも同じ類型として扱います。
上の方に何も配置がないので、84龍から86飛、85角合、同馬の筋は73玉で見込みなし。また、84龍から64飛、74角合、同馬の筋も、94玉で、75馬なら84桂合、96馬なら84歩上と定跡の受けで続かなそうです。
ということで、84龍、同玉、64飛、74角合、同飛の筋が正解です。 この筋で詰む問題は入玉されたときに詰めるための駒が配置されているのが普通ですが、本作では66玉が強力なのでほかに駒がなくても詰むのです。
74同飛に85玉は73飛成と龍を作って早いので95玉と逃げます。 以下75飛、86玉、85飛、97玉までは一本道。 ここで64馬にも誘われますが、98玉、99歩、同玉、77角に88香の捨て合で逃れ。
正解は88角でした(79角と離すと98玉であれ?)。
88角、98玉、99歩、89玉のとき45馬と馬の活用を図るのが良い手。 78合、77角、79玉に46馬があるので78金合か飛合ですが、金合は取って打てば詰み。
飛合でも、77角から78馬と取ってしまえば2枚の飛で簡単です。
双玉とはいえ、逆王手の筋はほとんどないので、入玉されるのを恐れなければ、比較的解きやすい問題です。
それでは解答者のみなさんの感想を。
- 永島勝利さん:
- 比較的素直な順ですね。11手目が最大な悩みどころでしたが、89を見据えると馬を動かせないので、88角と持ち駒を手放す方が正解でした。
- 市原誠さん:
- ずいぶん変な位置で詰んだから、正解かどうか、自信がありません…。
大道棋は変な位置で詰むことが多いですね。 正解です。
- 凡骨生さん:
- 終盤の飛合にドッキリしました。
- 三宅周治さん:
- 玉を上部に逃がす不安に打ち勝つと見えてきました。
- 小山邦明さん:
- 双玉ですが逆王手の心配はなく、今回の合駒選びは楽でした。
6・3の馬を4・5の方に使う発想は面白いと思います。
- 大下進さん:
- 4手目角合、16手目飛合を発見できて、詰ますことできました。
よい作品と思います。
- 長谷川琴さん:
- 5手目同馬、94玉、96馬の筋を少し考えた。
- 前田知弘さん:
- 変にひねらずに8八角が正解だった。
考えすぎました。
前田さんからは年賀虫食算の解答もいただきました。
ありがとうございます。
年賀虫食算はいつも立体曲詰を作っているんですが、解かないとわからないので、解いていただいた方がいるととてもうれしいです。
そろそろこれまでの問題の解答も掲載しないと・・・
- 岡崎行晃さん:
- 「双玉で軽く片付けて下さい」との事ですが・・・
小生には可成り考えさせられました。
今年も何卒よろしく!
こちらこそよろしくお願いします。
- 鈴木彊さん:
- 75歩の1歩千金で99歩と打てて77角が66玉でヒモ付きとなり意外に変化も少なく63馬が46馬と活用でき決まりました。玉が59の地点で詰み上りとなったのがせめてもの救い。攻め方の飛が83飛成とできる余裕があるのも大きかった。
最後69玉と逃げて68飛、59玉、69飛打まで25手解。 変同の最終手余詰なので正解です。
- 山下誠さん:
- 角と馬の使い道が限られているので、考えやすかったです。
- 竹中健一さん:
- 何だか余詰手順のような詰まし方だと思いました…
- 谷口翔太さん:
- 74角合でドッキ。そういう昔もありました。
最後に78飛合、さすがに此処までは読めません、残念。
- 藤川薫さん:
- あまりにもうつくしい初形にもビギナーの老生は半月以上も貧弱の駒いじりを・・・でもあと少しで足りませんで、くやしくも「あやしげの手順」でたいせつの聖域を穢してもうし訳なくご免なさい。
5手目同馬、94玉、52馬、84歩以下51手解。 52馬はちょっとおもしろい手で、52香とか配置されていればこの筋で詰みます。 本作では52で何も取れないので84香合ぐらいで逃れですが、たくさん楽しんでいただきありがとうございます。
- 内藤茂さん:
- 軽く・・・とは、いきませんでした。
(冬は落ち着いて考えられると思いきや、あまりの寒さのため? 思考回路停止してしまいます。もう少し暖くなると良いですね。)
- 占魚亭さん:
- 大駒でゆったりと追う。合駒読みはやさしく、スラスラと最後まで進みました。
- 佐藤司さん:
- 残念ながらタイムアウトです。
今回も残念な結果に・・・。でも、「オリンピック精神」で今後も解答を続けます。
- 小林巧さん:
- 楽しみにしていた大道棋16、今回は、時間もたっぷりととって真面目(笑)にやりました。
大道棋は一つ一つ手をマメに読んで行くという地道な作業!の中で不意に変な手が出てくるのか楽しいんですが… 今回は、どうでしょうか…。
なんとか、双玉である必然性みたいなモノを作品の中に織り込める事が出来ないものか…と思うが… (74桂合…は、ほんの一例として) スラスラと解けて、気持ち良い事は、気持ち良い。(基本的詰め形として、64飛の睨みの上で、74馬が95馬を引いて詰む形。があるので
、入玉形になるのは判った。)
時間が余っていたので… 問題図をいじっていたら、
問題図玉方58歩を置いてみると… 22手目69玉まで同じで、以下
89飛(a)、79角、 同飛、同玉、13角、 78玉、88飛、69玉、68角成まで31手詰
(a)89飛に79金は67飛、68歩、79飛、同玉、68角、 88玉、79金(b)、99玉、77角、 98玉、88金99玉、69飛まで37手詰歩余り
(b)79金で89歩は同玉と取ってくれれば79金、99玉、77角、 98玉、88金、99玉、69飛、まで駒余りも綺麗に詰んでくれるのだが… 99玉と逃げられて不詰。
という訳で、問題図から随分と遊ばせて貰いました。
次回出題を楽しみにしております。
いろいろ遊んでいただきありがとうございます。 大道詰将棋は改作で発展する文化。 よい改作ができましたらぜひご投稿ください >みなさん
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