解説・全短評
大道棋類型辞典で「なし13」と呼んでいる類型です。私が作った類型で、大駒の攻めになるので発展性があり、いろいろな詰筋の作品を発表しています(加藤徹 全作品の大道詰将棋(持駒 なし)を参照 )。
84龍の大駒捨て(同歩は96飛まで)が目に入り、同玉に飛を横から打っても縦から打っても簡単、というのが誘い手。64飛には74角の捨て合、86飛には85角の捨て合が妙防です。
この誘い手がどちらもかなり続くので、これ以外の筋は心理的に考えにくくなっています。そこで裏をかいて、64飛・86飛以外の詰筋の問題を作ったのが本作。手数は短いのですが、苦戦した方も多かったようです。
その新手は、3手目(86飛ではなく)87飛、そして85角合に要の66金を捨ててしまう75金です。セットで指してみると玉が案外狭いのに気が付きます。
75同玉に85馬と角を取って、66玉は33角、65玉は67飛から74角で簡単。 64玉に75角、73玉と角を据えて、63馬が気持ちのよい捨て駒。 同玉なら83飛成(73合は53角成まで)があるので82玉とかわしますが、64角から81馬と再度の馬捨ててでとどめをさします。
それでは解答者のみなさんの感想を。
- 永島勝利さん:
- 12手目は82玉とかわすのが作意ですか?
問題2の方の流れを汲む作品ですが、75金が入る分、こちらが良いですね。
63馬に同玉以下の解答。同手数なのでこちらも正解です。
問題2とは加藤徹全作品No.79のこと。
- 凡骨生さん:
- 龍対峙型で75金と出るのがポイント。
(この類型も随分手がけたのですが、創作メモが行方知れずで見つかって良いのがありましたら又見て頂きます、宜しく)
ご自身のブログ凡爺の詰めバカ日誌で、大道棋狂室を開いて大道棋を連載している凡骨生さん。
ドキドキ展示室や大道棋よもやま話での出題もできますので、形のいい作品がありましたら是非見せてください。
- 大下進さん:
- 4手目角合の発見で詰むことができました。よもやの詰みでした。
- 三宅周治さん:
- 85角が大道棋らしいお気に入りの手。陰の主役は57香でした。
- 獺ヶ口笑保人さん:
- 飛車の離し打ちがポイントだと思った。
63龍まで19手の解。63馬に同玉の変同順の余詰解なので、これも正解です。
- 天津包子さん:
- 3手目64飛や86飛で苦戦しました。
- 前田知弘さん:
- 双子問題にしろ四つ子問題にしろ七変化とはよくぞ言ったもの
大道棋は一般作に比べて創作の条件が緩いとはいえ、よく作れるものです。
- 岡崎行晃さん:
- 今回の双子問題は全体的にわかりやすかった。
やさしい選題をありがとうございました。
- 佐藤司さん:
- 87飛が見えず暗算解答を放棄、盤に並べた瞬間、87飛が映り・・・。
空しい堂々巡りは何だったのかな。
- 長谷川琴さん:
- 3手目64飛に74角で微妙に詰まない。
- 山下誠さん:
- 初手9六歩、3手目8六飛など指してみたい手が多い。氏名の記載を忘れました。
- 藤川薫さん:
- 8手目金合いで逃れなので残念です。序はよいと存じますが・・・。
84龍、同玉、64飛、74角、同飛、95玉、68角、86飛以下の解。
この順はお分かりの通り86金合で逃れ。序が本作のポイントでした。
- 鈴木彊さん:
- 84龍と龍をとり87飛には85角合が大道棋流
これには75金が好手 同玉に85馬で筋に入る.
64玉に75角から73玉に63馬が妙手 これで決まる.
57香の配置が絶妙でした.
”大道棋よもやま話”楽しく読ませていただいております。毎号たいへんご苦労様です。
いつも解答ありがとうございます。みなさまの短評、感想が励みになります。
- 竹中健一さん:
- 初級向きにちょうど良い感じ。結構狭い王様でしたね〜
- 小山邦明さん:
- 5手目の7・5金が玉を7・3に逃がさないための好手。7・3玉になった時の
11手目の6・3馬も気持ちの良い手でした。7・6桂の配置は、3手目の
6・4飛からの余詰防止や7・7角打ちの手を残している点でうまいと思いました。
- 内藤茂さん:
- 一枚歩が余る右記で解答してみます。
- 小林巧さん:
- 大道棋感覚ではなく、普通詰将棋の軽いステップで何か、拍子抜けしてしまった。
いきなりの龍切りから87飛で全て解決。
誘い手に迷いこまなければ、普通の詰将棋ですね。
- 谷口翔太さん:
- 3手目に64飛打、さあどうだ?
ニヤリの応手は74角合、「さあ、どうするの」で、ハイ降参。
降参といいながら、しっかり正解。
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