解説・全短評
前回(大道棋16)の先手76歩が後手76香に変わっただけのそっくりさん。 しかし、これによって手順もがらりと変わります。 大道棋16のように、74角合に同飛と取ると、95玉、75飛、86玉、85飛、97玉、88角、98玉、99歩、89玉、と同じように追えるのですが、76香が利いているため、次の45馬のとき78飛合でなく78歩合などで逃れます。
本作では74角合を同馬と取って、94玉に75馬から76馬と質駒の香を取ります。75馬に84桂合は85角、95玉、96歩までの詰みを防ぐ意味。
76馬のときの合駒が最初の難関。
1) 85飛合は、同馬、同玉、76角以下
2) 85金合は、同馬、同玉、65飛、86玉、77角以下
3) 85銀合は、同馬、同玉、87香で、86に角銀桂香の合は63角以下、飛金の合は同香、同玉、77角以下
4) 85桂合は、84飛、同玉、62角、74玉、75香、64玉、56桂、63玉、73香成、52玉、44桂、42玉、32馬まで。
ということで85香合が正解です。 銀合の時と同様、同馬、同玉、87香と攻めて、この合駒が第二の難関。
1) 86桂・香合は、63角、94玉、95香、同玉、65飛以下
2) 86銀・金・角合は、65飛、74玉、52角、73玉、74歩、82玉、62飛成、72飛合、73歩成、91玉、92香、同飛、同龍、同玉、72飛、81玉、82とまで31手
3) 86金合は、同香、同玉、77角以下。 2)の手順でも詰み
そこで逆王手の86飛合が正解ですが、飛合の順は68歩の延命策を見逃すと29手になるので、2)の順の解答もありました。
86飛合以降は入玉させる攻めで、69に潜られたとき57玉の空王手がとどめの好手。 これに対して68歩の捨て合がポイントで35手駒余りになります。
前回と比べると、86飛合の逆王手や57玉の攻方玉の移動も入って、双玉らしい問題でした。
それでは解答者のみなさんの感想を。
- 永島勝利さん:
- 99飛〜88歩〜79歩なんて順でつかまるんですね。玉はある意味最強の攻め駒ということを再認識しました。
- 谷口翔太さん:
- 合駒が6回、これでは実戦では読みきれません。
最後の57王にチョッピリと双玉の味。
- 山下誠さん:
- 最後に飛車が縦に働く空き王手が愉快です。
- 前田知弘さん:
- 8六香に金合の変化が気付きにくい手順でした。
- 小山邦明さん:
- 7・6香を入手できそうなため、香に対する合駒選択がポイントと思い解き始めたが、7・4角合をいつものように飛で取ったらなかなか詰み形とならず大苦戦。馬で取ったら、今度はいろいろの合駒が出てきて、7種合かとも思えるような楽しさを味わえました。ありがとうございます。
- 凡骨生さん:
- 最後に王が動くのがイイですね。
- 竹中健一さん:
- この形もいろいろな詰まし方がありますね。
ちょっとした形の違いで手順が全く異なったりするのが面白い!
残念ながら不正解だった方の感想も。
- Aさん: (82とまで31手)
- 合駒の角、桂、銀、飛の選定が出来て詰みました。
良い作品と思っています。
- Bさん: (95香まで35手)
- 13手目87香に対し86合とし迷い込み苦労しました。
右の解答が正しければよいが不安があります。
- Cさん: (無解)
- ギブアップ 角合桂合桂合飛合の筋かと思ったが上手くつかまらなかった
64飛は54飛かも・・・
- Dさん: (95馬まで29手)
- 王で上部を固めて2枚馬の連携プレイがうまい。
- Eさん: (86飛まで29手)
- 変化は殆ど読んでいません。きっと不正解と思います。
- Fさん: (77角まで65手)
- 14手目86飛 18手目88角合の逆王手
また、59手目57玉と双玉の味満点
しかも最終59玉で詰みと見事
途中いろいろと変化多数 全てを精査するところまでいきませんでした。
上記の詰手順がたいへん面白く味わい深いものがありましたので解答としてみました。
17手目77角のところで、98香、88角合の逆王手以下の手順。 この手順、88角合でなく87角合や88香合で逃れですが、何とか成立させることができたら傑作誕生ですね。
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