金問題は配置の広がりが難点ですが、本作はすっきりした配置で集客度80。
94馬92玉型なら簡素な問題が多いですが、中段玉のまま金問題の配置を極限まで簡素にしたのがTETSUのドキドキNo.41(左図)です。
鳥本さんはこのパターンで9筋8筋の二筋におさまる問題を詰パラ2022年1月号の大道棋教室でも2作発表しているので、読者の方はあわせてご参照ください。
左図で新たな誘い手として導入した72馬が本作では81桂のため消えているのがちょっと残念。
ということで、導入は通常の金問題のように入ります。
とはいえ、74歩65歩配置がないので、9手目から新しい展開に。
96金、84玉、87香、86飛合、85金、同飛、同香、同玉、
4手目74玉は64馬までなので、86への中合が必要。
85に利かせる86飛合が金問題の定跡です。
ここから通常は86飛、75玉、56飛といった展開になるのですが、97飛成と馬を抜かれたり、そもそも74が空いているので、この攻めは成立しません。
そこで75飛と横から押さえます。
75飛、84玉、
87香まで、というのは当然のように86に中合されて奉納。 ここで秘手74飛捨てが登場します。
74飛、95玉、
74飛は、同玉なら64馬引、84玉、75馬上、95玉、96香、同玉、86馬までと二枚馬で詰ましてしまおうという手。
そうはさせじと95玉とかわします。
ここで75飛は84玉で元に戻ってしまいますし、94飛と飛を取っても続きそうにありません。
すなおに96香と打って、75馬から94飛と飛を取ります。
96香、85玉、75馬、96玉、94飛、87玉、
入玉されてしまいましたが、大駒4枚の攻め、なんとかなるでしょう。
86飛、77玉、97飛、68玉、57馬、69玉、89飛、79銀合、
57馬に59玉は37馬で簡単。
89飛を同とと取るのも67飛で簡単なので79銀合と抵抗します。
同飛、同と、58銀、78玉、67馬、88玉、77馬、97玉、
64馬、96玉、86馬 まで37手
最後は二枚馬できれいに収束します。
作者 「飛合を取ってからの75飛〜74飛が指されてしまえばなるほどという手でこれが狙い。
あとは配置のシンプルさの割に上手く纏まったと思います。」
75飛から74飛は凡骨生さんに前例がありますが、珍しい攻め。
本作はそのあと入玉させての力強い展開で、この配置で収束までぴったりまとめた手腕は流石ですね。
それでははみなさんの感想を。 解答到着順です。
- はむきちさん:
- これも右に逃がしていても詰んでいて、大駒の力を感じました。
75飛〜74飛の手順が気に入りました。
- 山下誠さん:
- 最後に8二の馬も働く大捕物。
- 金少桂さん:
- 金1問題は初形面積が広がりがちだが、82馬配置が工夫の配置で、本作も3筋に収まっているのが良い。
同様の82馬型の特集だった1月号大道棋教室の、第1番の手順が大ヒント。
22手目87桂捨合は普通詰将棋的には同飛引と取って無駄合っぽいけど、大道棋屋さん的にはやってみるのもありかな。
1月号第1番も75飛から74飛の手順でした。
22手目87桂合は、同飛寄と取ってくれれば逃れるので、実戦ではいかにも登場しそうな手ですね。
- 山路大輔さん:
- 9手目86飛打からの開王手を考えてハマりました。
75飛〜74飛とすぐ捨てる筋が盲点でした。
詰上がりもスッキリ。
- S.Kimuraさん:
- 94の飛車を取った後が難しかったです.
- inokosatoshiさん:
- 74飛がいい手ですね。
- 占魚亭さん:
- 大駒で追跡。 9手目75飛が全て。
- 小山邦明さん:
- 9手目の飛の着手がポイント。
86飛打は、74玉、87飛打は、76玉に86馬、65玉に64馬引は同飛で奉納。
残る候補は75飛ですが、次の74飛を同玉と取れない
(64馬引、84玉、75馬上、95玉、96香、同玉、86馬の詰み)
に気付くのに時間がかかりました。
後半は苦手な入玉展開となり、こちらも苦労しました。
- 池田俊哉さん:
- 金問題の出だしからスタート、75飛から74飛が鋭い攻め手
大駒四枚の攻めは最長手順探しになるが、二枚飛が消えたのは良い
- エレーンさん:
- 74飛から流れるような綺麗な手順ですね。
- 小林巧さん:
- 駒のお尻の方で王様を追い回すのは苦手なので下段での展開に不安を感じていたのですが
意外や意外、すんなりコースで行けて一安心。
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