銀8類型は、もともと銀2類型からの派生で、75香配置で74香と角を取る誘い手が特徴。
本作は、両方の類型の誘い手をなるべく残した二つの類型のミックスです。
作者「拙作ドキ展No.83以来となる銀2×銀8類型の改作です。
銀8類型の筋の方を作意にしてみました。4手目73銀中合が売りです。
17〜20手目の手順前後以外はキズもなく、配置もすっきり纏まりました。客寄せ向きだと思います。」
銀2類型の筋としては、82銀から73銀不成の基本の誘い手は52角と飛を抜かれて奉納。
角筋を止める54馬には63銀合で、同馬で詰みそうですが角がよく利いてダメ。
正解は銀8類型の筋で、71馬と捨てて74香。
同龍は53角、81玉、92銀までですし、61玉と逃げても72飛成、51玉、73角まで。
しかし74香に対して、73角打を防ぐ73への中合があるのです。
といっても、73歩合では、72銀、82玉、71角、92玉、81銀不成、同玉、82角成まで。
そこで、82に利かせて73銀合または73角合が考えられます。
どちらかは保留にして先に進めてみましょう。
71馬、同玉、74香、73銀or角合、同香不成、61玉、72飛成、51玉。
73角が打てないので仕方なく62角と打って、42玉、44角成、52歩合。
73角合のときはこのとき持駒角銀で、53角打が31への脱出を防いでぴったり。
以下、61龍で51合、同龍、同玉と歩以外の合を稼いでから42でばらせば27手で詰み。
51歩合をするために44角成のとき52香合の受けも考えられますが、
このときは53銀、31玉、61龍、41歩合以下42でばらして52龍と香を取ればやはり27手で詰みます。
73銀合だった場合は、持駒銀銀。 53銀には31玉で、さっきと同様61龍、41歩合以下42でばらせば27手で詰みますが、
先ほどと違い今回は受方が角を持っているので、41角合という受けが成立します。
この順は最長で31手となり、これが正解です。
71馬、同玉、74香、73銀合、同香不成、61玉、72飛成、51玉、
62角、42玉、44角成、52歩合、53銀、31玉、61龍、41角合、
角合のときも同様に同龍と切って42でばらせばOK。 42銀、同金、41龍と手順前後しても同じです。
同龍、同玉、42銀打、同金、同銀成、同玉、33角、32玉、
22角成、41玉、32金、51玉、33馬、61玉、71香成(馬) まで31手
銀2、銀8の両方の誘い手が楽しめるおもしろい問題でした。
合駒の受けはいろいろ読まされるものの、だいたい同様な筋で詰むので、筋に入られたら大道棋屋さん、早めに投了するかもしれませんね。
それではみなさんの感想を。 解答到着順です。
- 小林巧さん:
- 82銀の誘い手に2〜3本取られそう。
82銀も92銀も手駒補充ルートが確保出来ず、逃れ。
結局、香効き筋の71馬から入るのが正解。
初手から、捨て駒は 心理的にやりづらい
- 山下誠さん:
- 4手目銀合が相当な粘りで、左右に追い掛けることになる。
- 小山邦明さん:
- ドキドキ展示室 No.83に似た初形だが、誘い手のような71馬捨てから香で角を取る手順が本命でした。 最終手は初手と同じ「71馬」にしました。
- S.Kimuraさん:
- 合駒の多さに頭を悩まされました.
- 占魚亭さん:
- 初手と最終手が同一手。 上手い。
最終手は初手と同じこともあって、71馬の解答が多かった。
- 池田俊哉さん:
- 74香に対して73銀合が強防だが、単純に同香とするのは珍しい
72龍と拠点を作るが、62角から44角成がやりにくい継続手段
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