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詰将棋おもちゃ箱ドキドキストリート

ドキドキ展示室 No.106 金少桂さん

ドキドキストリート
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)
出題時のコメント:
変形角問題 20手台

ドキドキ展示室No.106 金少桂

金少桂さんが創始した角香問題は、ドキ展50で最初に出題されました。 縦横斜めからの攻め手段がある発展性のある類型で、その後もドキドキ展示室や詰パラの大道棋教室で多数の作品が出題されています。

角香問題は、攻め方73とで持駒角香でしたが、それをちょっと変形して84銀85香持駒角にしたのが本作。

作者「香歩問題→なし6問題の変形にヒントを受けて、角香問題を変形してみました。
73銀成、83中合と進めば角香問題の初手香打の筋と同じ展開になりますが、73銀と行くときに成生選択の余地があるのが売りです。
73銀生に92玉は74角があるので、やはり83中合が必要です。
本作は第一弾として、極力シンプルな配置で纏めてみました。大道棋として通用するでしょうか。」

玉が広いので、まず見えるのは73銀成でしょう。 これには83歩の中合で抵抗。 角も持駒にあるし41飛成もあるので何とかなりそうな気もするのですが、

  • 同香不成は92玉で、82香成、93玉、83成香、94玉と脱出されて逃れ
  • 44飛の利きを通すため63角と捨てるのは同角で、83香不成、71玉、41飛成、同角で逃れ
  • 92角は71玉、41飛成、71香合で続かない
  • 先に41飛成は71桂合で、92角、同玉、83香成、同桂で逃れ

意外に捕まりません。 それなら73銀不成とすると? 92玉には74角があるので、やはり83歩合と抵抗。 そのあとはだいたい同様で、ただ、41飛成は71桂合なら詰む(後述)のですが、92玉と逃げられて失敗。

ヒントはこの73銀不成、83歩合、41飛成、71桂合の筋にありました。 41飛成に92玉で詰まないわけですが、初手で41飛成とすれば92玉や82玉は83銀成まで、72玉でも52龍で詰むので71桂合とするしかなく(他の合は73銀成で簡単)、それから73銀不成とすればよいのです。

  41飛成、71桂合73銀不成83歩合

83歩合では、83桂合や84歩合もありますが、84に利かないので作意と同様に攻めて早く詰みます。
同香では逃げだされるし、困ったように見えますが、ここで龍切りが英断。 53角と打って75角成を狙います。

  71龍、同玉、53角、62桂合

53角に普通に81玉と逃げるのは83香以下75角成があって簡単。 これでまいったかと思いきや、62桂合という妙防がありました。 あわてて取るのは81玉で失敗。 いったん63桂と捨てて、あとで角を取れるようにするのが好手です。

  63桂、同角、62角成、81玉、63馬、91玉、

63馬に92玉は81角以下23手。 91玉は25手になるのでこちらが正解です。

  82角、92玉、84桂、同歩、93角成、同玉、84銀成、92(82)玉、
  83成銀、91(71)玉、82成銀(72成銀・馬)まで25手駒余り

62桂の捨て合もはいり、簡潔な初形でおもしろい角香問題の変形でした。
なお、65歩配置については実戦出題では省くことができ、更に簡潔にできるとのことです。

作者「大道棋の実戦的には不要駒ですが、これがないと8手目62歩合が変同駒余り無しになり、 つまりこちらが作意手順になるのですが手順中に収束余詰があるので、 解答募集の都合を考慮して、駒は余るものの余詰のない桂合の手順に限定するために置いています。
ですので、65歩は除いた図にしていただいても構いません。」

それではみなさんの感想を。 解答到着順です。

山下誠さん:
5三角に桂合がなかなかの粘り。角2枚の力で寄せきる。
蛇塚の坂本さん:
合駒の巧みさにビックリしました。

82馬まで27手解。 最後73馬としたのかな。 これも詰んでいるので正解です。

中村丈志さん:
まさか3桂合いが出るとは思いませんでした。

3手目83桂合で81馬まで23手解。 正解としましたが、大道棋は駒余りが許容されているので、歩合の25手順が作意です。

S.Kimuraさん:
41飛成から角を取る順に気付いたら,詰ますことができました.
占魚亭さん:
3手目不成がちょっとしたポイント。 誘い手が多く苦戦しました。
小山邦明さん:
3手目を最初73銀成として後から不成でなくてはいけない事に気付きました。
71龍から53角の限定打がなかなか鋭い手で勇気が入りますね。
17手目は83香成を先にしても詰みそうです。

53角に62歩合の25手解。 実戦なら詰めていると思われるので正解としましたが、62歩は二歩ですよ。

小林巧さん:
8筋、香ラインから行きたい(と我が直感は囁く)と思うのだが上手く行かない。
直感=鈍感で、ござった。
見た目やりづらそうなので、まぁ、実際この図を往来で見かけても手は出さないと思いますけど

4手目84歩合の93成銀(馬)まで29手の変別順。 再解答時の感想は下記。

小林巧さん:
どうしても香と銀の効き焦点に打ちたくなる。
その後の展開を見ると、深謀遠慮の83歩 スゴイなぁと思う。
これも間違ってたらめげそうですけど計らずも、真面目に取り組んでしまいました。
どうもありがとうございました。 大変、勉強になりました。
また、機会があればおもちゃ箱を覗いてみたいと思いますので、その折には宜しくお願いします。 おもちゃ箱加藤先生の、日頃のご尽力には感嘆敬服の一言につきます。 季節の変わり目、ご健勝にお過ごしくださいませ

作意順で正解です。 また気に入った作品があったらぜひご解答ください。

池田俊哉さん:
初手73銀生の一手で、飛は横に使うと思ったが裏をかかれた(自分だけかも?)。 53角の限定打から62桂の捨て合、63桂で角を質とするあたり、うまくできている
嵐田保夫さん:
飛から入るか銀から入るかそれも成か不成か虚々実々の応酬が見事。 後の7五角成を見た一見不利感が伴う7三銀不成のタイミングがポイントでした。

ドキドキ展示室No.105 解答:9名 全員正解(下記)

  嵐田保夫さん  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  小山邦明さん
  小林巧さん  占魚亭さん  中村丈志さん  蛇塚の坂本さん
  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。