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詰将棋おもちゃ箱ドキドキストリート
ドキドキ展示室 No.51 小山邦明さん
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:

とどめは飛 20手台


ドキドキ展示室No.51 小山邦明

小山邦明さんの展示室入選は6回目ですが、すべて利波型飛問題。 更に詰将棋パラダイス誌の大道棋よもやま話でも、多数の利波型飛問題を発表しており、この類型についてはいまや元祖利波偉さん以上のオーソリティといえそうです。

誘い手の多い類型ですが、一〜五段目に角金以外の詰方の駒がなく、75が空いているので、これまでこの類型を解いてきた方なら横からの飛打しかなさそうなのは見当がつくところ。

74飛には84角引が定跡の妙防。 このあとの攻め筋がいろいろあります。

1) 84同飛、95玉、86角、96玉・・・後続手段なし
2) 84同飛、95玉、85飛、同玉、52角成・・・74歩合とかなら詰むが94玉で続かない
3) 84同金、95玉、94角成、96玉、85馬、97玉、86馬、98玉、87馬、同玉、76角、96玉・・・かなり追えるが「惜しかったね」

大駒3枚に銀2枚も強力で何とかなりそうと思っても、今一歩届きません。

正解は64飛の離し打ち。 これまでにもでてきた筋ですが、その意味は84角引に同金、95玉、85金、同玉、63角で詰めてしまおうという手。 もちろん85金には96玉とかわしますが、87角捨ての妙手があって詰んでしまいます。 そこで、64飛には74歩中合で抵抗。 これは取るしかなく、そこで84角と引けば85金の筋は使えません。

  64飛74歩合、同飛、84角引

74飛と打った場合と比べて歩を1枚入手できました。 さっきの筋をもう1回試してみましょう。

1) 84同飛、95玉、86角、96玉、97歩、同桂成、52角成、87玉・・・いかにも詰みそうな形ですが「惜しかったね」
2) 84同飛、95玉、85飛、同玉、52角成・・・歩が増えても94玉で逃れ
3) 84同金、95玉、94角成、96玉、85馬、97玉、86馬、98玉、87馬、同玉、76角、96玉・・・歩があっても88桂、97玉で打歩詰。 やはり「惜しかったね」

あれあれ、やっぱりだめですね。 はたして正解は。

  同金、95玉、94金、96玉、

94角成ではなく94金と行くのが不利感があって指しにくい筋。 同じ作者のドキ展40でもでてきましたが、94金は61角を94から85ではなく43の方に活用しようという狙いです。

  87角、同玉、43角成、96玉、76飛、97玉、

入玉されて失敗したかと思うところですが、2枚銀の威力は大きく、それでも詰むんです。

  98歩、同玉、96飛、89玉、98馬、79玉、88馬、69玉、
  99飛 まで23手

まぎれの多い中で64飛の離し打ち、不利感のある94金、87角捨てから入玉させてぴったりの詰みと、楽しめる問題でした。

作者「利波さんの飛問題で、初形が似ていてわずかな駒種の違いで詰筋が異なる手順を検討した作品を送付します。」

小山さんは本作の創作時に、85桂を85歩にした問題、85桂・78歩を85歩、78桂にした問題も同時に作っていました。 双子問題コレクションNo.56で三つ子問題として紹介していますので、こちらも合わせてお楽しみください。

それではみなさんの感想を。解答到着順です。

山下誠さん:
面白い詰上がり。自陣の二枚銀の意味が最後に分りました。
蛇塚の坂本さん:
飛の動きが面白かったです。途中7四歩と中合する手も面白かったです。銀二枚が後ろに効いているのも面白かったです。
波多野賢太郎さん:
7手目が9四角成ではなくて9四金というのは意表を突かれました。2手目の7四歩の中合が妙防で、下手に攻めると打歩詰まで出てきてとても楽しめました。ヒントがとても助かりました。
隅の老人Bさん:
74歩合でドキ、ドキドキはこの一回だけでした。
飛と馬のコンビで王を追い詰める、楽しいですね。
金少桂さん:
上部に攻方援軍がいるので、初手横から飛を打って上部に追いだす展開は予想できるが、この型、横から飛を打つにしてもどこから打つかが考えどころ。
今回は多分64以遠でいいかな。
7手目94角成以下、96玉85馬97玉86馬98玉87馬同玉65角96玉97歩同玉89桂96玉76飛95玉86銀と進める紛れが強烈な誘い手。
ここで84玉が詰むだけにこちらの筋にかなり嵌ったが、どうやらぎりぎりで逃れているようだ。

76角でなく65角ですか。 なるほど。 裸の王様が飛角金銀桂の攻めで詰まないとはいかにも大道棋。 この筋でも1局作れそうです。

S.Kimuraさん:
飛車を横から打って,下に追っていくことは予想していましたが,玉が69まで行くとは思いませんでした.
池田俊哉さん:
64飛の限定打から74歩中合と序盤からクライマックス。
詰め上がり位置も意表を突く

54〜14飛でも同じなので、以遠打ですね。

Pathfinderさん:
歩中合がポイント。銀配置が上手いと感じました。
占魚亭さん:
九段目で仕留めるとは意外でした。

ドキドキ展示室No.51 解答:9名 全員正解

  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  金少桂さん  隅の老人Bさん  占魚亭さん
  Pathfinderさん  波多野賢太郎さん  蛇塚の坂本さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。