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詰将棋おもちゃ箱ドキドキストリート
ドキドキ展示室 No.49 TETSU
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棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)

出題時のコメント:

限定打が決め手 30手台駒余り


ドキドキ展示室No.49 TETSU

55の駒が詰方の桂から受方の香に変わっただけの、ドキ展No.48のそっくりさん。 この変更は詰みにくくなっているように見えますが、詰方にとって有利なこともあります。 まず一つは香があるため玉が55に逃げられないこと、もう一つは55香が質駒になるかも(例えば56飛から55飛という感じで)ということ。

大概の筋はNo.48より詰みにくくなってダメ。 この有利な点を生かす詰筋はないものでしょうか。

とりあえず頭の16手は(56飛か46飛かの選択肢は置いておくとして)普通に進めて大丈夫そうです。

  96金、84玉、87香、86飛合、85金、同飛、同香、同玉、
  86飛、75玉、56飛、84玉、89香、85角合、同香、同玉、

だいたいの詰筋は、No.48と同様にダメそう。 一応確認しておきましょう。

a 86馬、84玉、57角 ・・・ 54飛といけないのでダメ。
b 86馬、84玉、62角 ・・・ 46飛と開いておくとしても、63桂成がない分No.48より条件が悪いのでダメ。
c 96馬、75玉、97角 ・・・ 以下84玉、86飛、75玉、85馬、64玉、56(46)飛、54玉でダメ。
d 86飛、75玉、53角 ・・・ 64歩合ぐらいでダメ。
e 86飛、75玉、84角 ・・・ 以下64玉、56(46)飛に54玉と銀を取られて逃れ。
f 86飛、75玉、66角 ・・・ 以下64玉、83飛成、54玉、53龍、45玉、55龍と香を取っても、36玉で逃れ。
g 86飛、75玉、87飛 ・・・ 66玉、88馬のとき77香など捨合で逃れ。

やっぱりダメ。 No.48の筋も57角が打てないのでダメ。 となると、また新しい詰筋? 86馬、96馬、86飛以外の手は何かないのかなあ、と考えてみましょう。

96角はどうか。84玉、86飛、75玉、56飛、84玉・・・これでは千日手。
67角はどうか。76に捨合は55飛と香を取る手があって詰み。 84玉に86飛、75玉となって、次の手が問題だ。

  • 76(56)飛は84玉で千日手コース
  • 96飛なら84玉に94飛までだ。 でも86香と捨合されると?
    同馬、66玉、68馬、75玉、86馬・・・またまた千日手。
  • 87飛は66玉、88馬、57玉と潜られてダメ。

でも、96飛や87飛の筋は、67角を一つ離して58角としておけば何とかなりそう。 試してみましょう。 58角に67歩とか中合するのは同角、84玉で85歩があって早い。 76合も55飛があるので、58角でも84玉の一手。 86飛、75玉から

  • 96飛、86香合、同馬、66玉で、68馬は75玉でやっぱり千日手。 76馬、57玉、67馬、48玉も足りなそう。
  • 87飛、66玉、88馬。 これは75玉と戻ったら85飛、64玉、55馬まで。 56玉なら78馬以下詰み。
    と調子が良さそうですが、これまた88馬に77香の捨合がとんできます。 手は続くもののこれで逃れ。

58角はいい線いってたのですが、あと一歩でした。 正解はなんと、さらに離して49角!
なぜ49から打たないといけないのか、先を進めてみましょう。

  49角!、84玉、86飛、75玉、96飛86香合、同馬、66玉、

ここまで来ると、49角の理由が見えてきます。 76馬から58馬。 この馬の動きが可能になるのは49から打ったときだけなのです。 金問題ではもちろん初めての角打ちですが、普通の詰将棋での限定打の意味付けとしても、ちょっと珍しいかもしれません。

あとは収束まで読み切れるでしょう。 最後は馬追いのくるくる。

  76馬、56玉、58馬、66歩合、同飛、同玉、67馬、75玉、
  76馬、64玉(84玉)、65馬(85馬) まで35手駒余り

金問題初の49角の限定打を発見できるかどうかが勝負でした。

それではみなさんの感想を。解答到着順です。

金少桂さん:
まさかの最遠49限定打!収束の馬で押し戻していく手順が趣向的で面白かった。
58に打って86飛〜83飛成からの龍追いがかなり手が続くのでこっちの紛れにはまってけっこう時間を取られた。

58角、84玉、86飛、75玉、83飛成、66玉、63龍の筋ですね。 この順もおもしろいけど、きれいにまとめるのは難しそう。

山下誠さん:
好手4九角に支えられ、馬で玉を押し戻す様が痛快。
小山邦明さん:
17手目の馬引きの場所確保のための角打の限定打と96飛の移動という新手との組合せがすばらしい。
蛇塚の坂本さん:
イヤー4九角の発見に歓喜しました。 今まで、香を取って角香で詰ますことばかり考え続け又は敵陣に打って成返ることばかり読んで居ました。 4九角の発見で香の意味が解りました。 駒余りですが、素晴らしい作品だと思います。
占魚亭さん:
49角とは上手い手があったものですね。
池田俊哉さん:
二枚角を連結させる遠駒49角一閃。この手が入っただけでも価値ありと思う。

ドキドキ展示室No.49 解答:7名 全員正解

  池田俊哉さん  金少桂さん  小山邦明さん  占魚亭さん  蛇塚の坂本さん
  山下誠さん  やぶいりさん

当選者は、展示室で発表しています。