本作もほぼ普通の金問題で、これも20手台ですから、前問と同様、金問題定跡手順のあと割と短手数で詰むわけですね。
例によって、定跡部分を進めましょう。
96金、84玉、87香、86飛合、85金、同飛、同香、同玉、 86飛、75玉、56飛、84玉、89香、85角合、同香、同玉、
今回も類型辞典の金問題に解説されている順を調べていきましょう。
a 86馬、84玉、57角 ・・・ 65が香なので66歩合で奉納。
b 86馬、84玉、62角 ・・・ 61金のため62角が打てません。
c 96馬、75玉、97角 ・・・ 以下84玉、86飛、75玉、85馬、64玉、56飛には75香合ぐらいでだめ。
61金が強いので63玉でも詰みません。
58銀があるので、85馬の代わりに87飛といく筋もありそうですが、大海に逃げ出されて失敗。
d 86飛、75玉、53角 ・・・ 64歩合なら、87飛、66玉に44角成として簡単。
これは詰んだか、と思って手を出した方も。
53角に64飛合!で44角成を同飛と取られてしまいます。
e 86飛、75玉、84角 ・・・ 以下64玉、56飛に75香合ぐらいで逃れ。
f 86飛、75玉、66角 ・・・ 同香で全然だめ。
g 86飛、75玉、87飛 ・・・ 66玉、88馬、56玉、23角、46玉とするする逃げ出されて失敗。
あれ、おかしいですね。実はdの筋が正解。 64飛合にびっくりしないで落ち着いて読めば大丈夫です。
86飛、75玉、53角、64飛合、87飛、76玉、86馬、66玉、
57銀、55玉、64馬、45玉、35飛 まで29手
87飛にはいったん76玉と逃げた方が2手伸びます。
66玉のとき57銀と58の銀を活用するのがポイントで、64の飛を取れれば35飛でぴったりつかまります。
それではみなさんの感想を。解答到着順です。
- 金少桂さん:
- 馬は打てないので、あらかじめ53角と打っておく下準備が大事。これを抜かして44角と打つと45に抜けられて残念なことに。
- 山下誠さん:
- 今度の角は敵陣から。飛車合がちょっとした受け。
- 小山邦明さん:
- 58銀配置にする事で、飛を87に引く新しい詰手順は面白かったです。特に20手目の合駒を最初は歩と考え、後から44角成に備えて飛合と気付きました。
- 蛇塚の坂本さん:
- 4四にきく6四飛合が意外性有り。
- 占魚亭さん:
- 53角〜87飛が好手順。角が最後までいい仕事をしていますね。
- 池田俊哉さん:
- 44角成を防ぐ64飛合がうまい延命策。58銀一枚でうまく成立している。
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